概要
アメリカ合衆国フロリダ州セントピーターズバーグのトロピカーナ・フィールドを本拠地とする球団。
旧チーム名のデビルレイズ(Devil Rays)はフロリダの海に生息するイトマキエイ(マンタの名でも知られる)に由来し、Devilを外した現球団名のレイズは「光線」を意味すると同時にエイの意味も残す名前となっている。
セントピーターズバーグやタンパなどのフロリダ西海岸地域は古くからMLBのチームがスプリングトレーニングを行なうキャンプ地であることも影響するのか、弱小球団のレイズにはファンが定着せず観客動員数で下位に低迷し続けていることもあり、新球場の建設や本拠地の移転の噂が(2019年にはレギュラーシーズン前半をセントピーターズバーグ、後半をカナダケベック州モントリオールを本拠地とするダブルフランチャイズを計画しているという話も)度々出ているが、いずれも実現していない。
金銭的な力に乏しいため、主力選手が年俸調停の権利を得る頃にはトレードで放出し、替わりに獲た若手選手を育成しながら使うなど薄い選手層が常態化しているが、これを逆手にとって本来はセットアッパーである投手が初回(或いは打者1巡目)だけ投げる“オープナー”のように、金満球団に対抗するべく新しい戦術を編みだしている。
歴史
1998年にタンパベイ・デビルレイズとして新規参入。
同地区にニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックスというリーグ屈指の強豪チームが存在することもあり、デビルレイズ時代の10年間の通算成績は645勝972敗(勝率.399)で、勝ち越したシーズンは一度もなく、シーズン70勝に達したのも2004年のみ、その2004年の地区4位以外は全てのシーズンで地区最下位という弱小球団だった。この2004年にはヤンキースと共に来日し、東京ドームで開幕シリーズを戦っている。
2008年にはチームカラーを緑から青に、チーム名も現在の名称に変更、改名初年度でいきなり初の地区優勝とリーグ優勝を達成。ワールドシリーズではフィラデルフィア・フィリーズに敗れるも、在籍していた岩村明憲もワールドシリーズ進出に大きく貢献したこともあってか、アメリカ全土に「レイズ旋風」を巻き起こす大躍進を遂げた。
その後は2010年、2020年、2021年に地区優勝を果たしており、また2011年、2013年、2019年にはワイルドカードでポストシーズンに進出している。
2020年は12年ぶり2度目のワールドシリーズ出場を果たすも、ロサンゼルス・ドジャースの前に敗退。同じくタンパベイエリアを本拠地とするNHLのライトニングがスタンレーカップを、NFLのバッカニアーズがスーパーボウルをそれぞれ制覇する中で(レイズもワールドシリーズまで勝ち進んだとは言え)取り残される形になってしまった。
主な選手
永久欠番
- 12 ウェィド・ボッグス(内野手)
- 42 ジャッキー・ロビンソン(MLB全球団共通の永久欠番)※デビルレイズ/レイズの選手・監督・コーチが使用したことは無い
- 66 ドン・ジマー(元内野手)※レイズにはコーチとして在籍
因みにドン・ジマーは1966年に東映フライヤーズに入団し、1年で退団・引退。その後4球団で監督、ニューヨーク・ヤンキースでベンチコーチを務めた。
日本人選手
過去に野茂英雄、森慎二、岩村明憲、松井秀喜、筒香嘉智が在籍。
野茂は2005年にプレーし、同年6月15日には本拠地で日米通算200勝を達成したが、その直後に解約されてしまった。
森慎二はスプリングトレーニング中に肩を脱臼してメジャーの試合へ出場は叶わなかったどころか、この故障で選手生命をも絶たれた。
松井秀喜にとっては、選手として最後の所属チームがレイズとなった。
筒香嘉智は1年目はチーム内2位となるホームランを打ったが、速球が打てない弱点が明らかとなると出場機会を失い、翌年にはトレードされている。
本拠地球場
トロピカーナ・フィールド(1998-)