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第四惑星の悪夢の編集履歴

2021-12-06 15:24:31 バージョン

第四惑星の悪夢

だいよんわくせいのあくむ

ウルトラセブン第43話。ロボットにとってかわられた人類の末路を描く。

概要

1968年7月28日放送。

脚本:上原正三 川崎高

監督:実相寺昭雄

ロボットに支配されたディストピア「第四惑星」を舞台にストーリーが展開する。


登場怪獣

第四惑星アンドロイドロボット長官

ロボット署長

第四惑星人


第43話予告

長距離用の宇宙ロケットがテスト飛行に出発しました

宇宙の彼方へ飛んだダンソガ両隊員が軌道を外れて辿り着いた所は

ロボットが人間を支配している第四惑星だったのです

しかもその星では人間が足りなくなって地球を狙っています

では、来週のウルトラセブン「第四惑星の悪夢」にどうぞご期待ください。」


あらすじ

長距離自動飛行が可能な宇宙ロケット「スコーピオン号」が完成した。

そのテストパイロットに、ウルトラ警備隊モロボシ・ダンとソガ隊員が選ばれる。

彼等は20日間のコールドスリープを経て、謎の惑星に不時着する。


だがこの惑星は何かがおかしい。地球にそっくりだが本部と連絡が出来ないのだ。

二人は街を探索する。すると少年がダンプに轢かれそうになっていた。

当然のごとく二人は救出するが、そこに警官が現れ「避けない人間が悪い」という無茶苦茶な理由で二人を逮捕してしまう。


何処かのビルへ連行された二人は、そこで長官と名乗る謎の男と対面する。

長官は語る。スコーピオン号を誘導したのは自分たちだという事。ここは地球から「120億万キロ」(劇中セリフのまま、後述)離れている第四惑星という星だという事。

そして長官が目の部分をスライドすると、何とその下には機械が詰まっていた。


「この星も昔は人間が住んでいた。人間たちは我らロボットを生み出してどんどん怠け者になって、何もしなくなった。そのうちロボットに取って代わられたのさ」


現在ロボットと人間は「総合センター」という行政機関で管理されており、何でもロボット優先、コンピューターによる支配に反対し平等を訴える人間は反乱分子とみなされ処刑されているのだ。

目の前の現実が信じられないダンとソガ。しかし長官の秘書を務める人間アリーは「あなた達も殺される。地球が危ない」というメモを二人に渡す。

そう、ロボットたちは今度は地球に魔の手を伸ばそうとしていたのだ。


アリーは人間居住区にダンとソガを匿おうとするが、軍人に恋人と共に逮捕されてしまう。

ダンとソガはアリー達を救い出すが、銃撃によりソガが負傷してしまう。


ダンはウルトラセブンに変身。総合センターを破壊し、地球に迫っていた宇宙戦闘機隊を壊滅させ第四惑星の兵力を徹底的に破壊したのだった。


スコーピオン号で無事に地球に帰還するダンとソガ。

だが地球の人間たちは誰も第四惑星の出来事を信じず、奇怪なことにソガの怪我も治っていた。

スコーピオン号の実験を成功と認識した地球防衛軍は、第二段階としてロケットの無人制御化を構想し始める。

いずれ地球も新たな第四惑星になるのではないだろうか? ダンとソガは不安を覚える。


そしてあの不思議な出来事は夢か誠か? 真相は闇の中だった…


余談

怪獣のないエピソード

当初は、『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』の怪獣、宇宙人が集結する「宇宙人15+怪獣35」であったが、制作費などがかかるため今回のストーリーになった。

ウルトラセブン 第X話「宇宙人15+怪獣35」

他にも第33話「侵略する死者たち」、第37話「盗まれたウルトラ・アイ」には人間型の敵しか登場しないが、このあたりでは本気で製作費がヤバかったらしく、一切怪獣を出さずにSF的なエピソードを作らざるを得なかった(『セブン』の独自性を浮き彫りにした傑作として名高い話となったので結果オーライではあったのだが)。

「120億万キロ」

劇中、ロボット長官が第四惑星の位置を説明するこのセリフは、「億万長者」というような、距離の長大さを形容した表現と解釈され、正確な距離の参考にはなりそうにない。だが、あえてそこを額面通り解釈すると、以下の2通りの可能性がある(120万キロの可能性は、地球からあまりにも近すぎるためここでは除外する。参考までに地球と月の距離が38万キロ、地球と火星の大接近時の距離が約5600万キロである)。

  1. セリフ中の数の単位を文字通り全て掛けると、12×10の13乗キロメートルになり、1光年が9.46×10の12乗キロメートルなので、約12光年となる。これは太陽系に比較的近い恒星系の位置に相当する。
  2. これを「120億キロメートル」と解釈すると、およそ80天文単位(1天文単位=太陽地球の平均的な距離=約1億5000万キロメートル)となり、おおむね太陽系外縁天体のゾーンに相当する。ちなみに冥王星の太陽からの平均距離が約40天文単位。

派生

ゲーム『ヒーロー戦記』にこのエピソードをもとにしたシナリオが登場する。


ウルトラ大陸にある都市の1つ「ツァイト市」。とある理由からダンがパーティをはぐれて単独で訪れることになる。自分がなぜここに辿り着いたかはっきりしない状況で、せめて脱出の手がかりを掴もうと市長に相談したところ、その市長がロボット長官だったのである。ロボット長官の「コーヒーがまずい」というエピソードも収録。


ただ、原作とは細かな所で異なっており、本作では市街地のすべての人々が「人間に成りすましたロボット」という設定になっているほか、秘書もロボット長官に忠実な部下である。ホテルに宿泊したダンを暗殺しようと部下を差し向けるも退けられ、再び相談しに来たダンの目の前で油切れのトラブルを起こす。ここで正体が現わになり、ロボットが町を支配することに納得がいかないダンを本格的に敵視。ロボット長官の指令一つで、住民は一斉にロボットとなって襲ってきたのである。唯一安全な場所といえば中立地帯の病院しかない(医療用ロボットは相手が誰であろうと治療奉仕が務めである為、敵対しない)。


異様なエンカウント率で孤独のダンに襲い掛かる敵集団は軽くホラーの域。ただ、その敵ロボットはキングジョーなどのウルトラ怪獣ではなく、どういうわけかモビルスーツであり、ザクカスタムグフカスタムドム・トローペンというコンパチヒーローシリーズならではの展開に。一部プレイヤーからは「戦闘シーンが癒し」との声もあるとかないとか。

密かにドムトローペンは倒した時のTP回復量が作中最高の250(ラストダンジョンのザコでさえ247)。必殺技をガンガン使って戦おうということだろう。住民がロボットになったというので、これらの機体は自律になっているものと思われる。


後にこの都市はメフィラス星人の差し金で巧妙に本物のツァイト市と入れ替えられた「第四都市」であることが判明する。本来ツァイト市はウルトラ大陸で4番目に完成した都市だったのだが、4という数字が演技の悪さから忌避され、第五都市と呼ばれていたという。そこで原作に倣い「この偽物こそ、存在してはならない第四都市。ロボット長官、第四都市の悪夢だ···」というワードがダンの口から語られるのであった。


なおダンはこの街で、何故かロボットに襲われない「けんた」という不思議な少年と出会い、彼の協力もあって第四都市を破壊して脱出。別れ際にウルトラセブンのワッペンをプレゼントされた。

その後、街にいる老人に話しかけると意外な事実が明らかになる。

その老人はけんたの祖父で、けんたは3年前に森で遊んでいるうちに道に迷ってそのまま帰らぬ人になってしまったというものだった。けんたがロボットに襲われなかったのはそもそも幽霊なのでロボットには視認できないためだった。幽霊になってまで帰り道を探し続け、やっと出られたと思ったらロボットの支配する偽物の街だったとは何たる皮肉か。

その後は任意で祖父にワッペンをあげることができる。けんたがちゃんと帰って来られるように…


関連タグ

ウルトラセブン ウルトラシリーズ 実相寺昭雄 ディストピア ロボット ロボット長官

ウルトラマンレオ・・・・皮肉にも師であるセブンが迷い込んだこの第四惑星と似たような惑星から来たロボット怪獣と戦った。

ウルトラマンゼロ・・・セブンの息子でありレオの弟子でもある彼も第四惑星と似たような人工天球にやってくる。何と言う運命だ…

ウルトラマンジード・・・ゼロと関わりがある彼の世界にも、第四惑星と似たような惑星の人工知能が魔の手を伸ばしてくる。

管理国家ラビリンス のび太とブリキの迷宮・・・こちらもロボットが支配するなど、似たところがいくつか存在する。

仮面ライダーゼロワン・・・第四惑星とは逆に人型ロボットが人間と共存している世界となっている。見方を変えれば「新たな第四惑星になる可能性がある地球」と言える(実際に劇場版では似たような状況になってしまっている)。

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