概要
漫画『封神演義』の主人公。
字名は姜子牙。だが劇中では誰にも呼んでもらえない。
本名は幸田露伴の著書『太公望・王羲之』内の記述にちなみ呂望とされている。
元始天尊から封神計画を授かり、周の武王を助け、腐敗した殷を倒すために軍師となる。
元々は羌族の統領の息子で名を呂望といったが、12歳の時両親や家族を殷の人狩りで失う。
その後元始天尊からスカウトを受け仙界に上って道士となり、僅か30年の修行で仙人級の力をつけた。
崑崙山のトップ・元始天尊の直弟子であるため仙界での位は高く、また十二仙とも同格であるため彼らの弟子からは師叔(スース)という敬称で呼ばれる。
なお、本作においてはライバルである申公豹は崑崙出身ではなく、彼にちょっかいを出しつつも基本的には中立の存在として登場する。
彼の宝貝は打神鞭→NEW・打神鞭→太極図、杏黄旗である。自身の乗り物として霊獣の四不象(スープーシャン)を引き連れている。
基本的には頭脳戦を得意とし、敵を巧みにペテンに掛け、時には味方からもブーイングを受けるほどの卑怯な手を堂々と使う。
彼自身の実力については多面的な描写がされており必ずしもはっきりとはしない(少なくとも作品後半で楊戩や黄天化は強いと認めている)が、知略に関しては作中でもトップクラスの位置付けである。
キャラクターイメージのモデルは銀河英雄伝説のヤン・ウェンリー。作者の藤崎竜は銀河英雄伝説の著者・田中芳樹との対談企画(コミックナタリー主催)にて「ヤンが一番好き」「(太公望の描写にも)とても影響を受けた」と語った。
実年齢は72歳→82歳以上なため少年の外見に反し言動が老熟しているが、甘党で注射と苦い薬を嫌ったりするなど子供っぽい所もある。
マイペースで飄々とした性格をしている一方、平和な人間界への確固たる信念を内に秘めており、仲間に対する優しさと厳しさを併せ持つ。
女性に対しては一見すると興味がないようにも見えるが、劇中で彼が敵と見なした女性は妲己と女媧だけであり、王貴人を原型に戻しても殺さなかったり、蝉玉との勝負では彼女の苦手な鳥のコスプレで驚かすだけだったり、胡喜媚との対決では一回叩いただけで、敵であってもなるべく傷つけずに済ませる等、土行孫ほどではないが女性に優しい面もある。
子供にも優しく、弟子の武吉を可愛がったり、ウイルスに冒された黄天祥を危険を承知で抱き上げ助けたりしていた。
なお、左利きであったが殷郊との戦いで左腕を半分ほど失い、太乙真人製の万能義手をしばらく付けていた。
ちなみに、仙人であるため菜食主義であり、基本的に生臭は食べない。
宝貝
・打神鞭(だしんべん)
大気を操る宝貝。真空の刃を作り出したり、本気を出せば竜巻を起こせる。
後に復活の玉の力でNEW・打神鞭にパワーアップ。
アニメ版では改良版とも言える超(ハイパー)・打神鞭を手に入れた。
・火竜鏢(かりゅうひょう)
炎を操る宝貝。陳桐から手に入れた。後に黄天化に譲る。
アニメ版では一時的に天化に貸したが、太公望本人も最後まで愛用していた。
・杏黄旗(きょうこうき)
打神鞭に似ているが、ボタンを押すと黄色い旗が出てくる。カッコいいと呼べるかは微妙。
黄巾力士のスカーフ同様に崑崙山からパワーを分け与えてもらえる。
ただし、デメリットとしてしばらく人間と変わらない状態になってしまう。
・黄巾力士(こうきんりきし)
太乙真人が作り、崑崙十二仙や元始天尊たちが一人一台ずつ所持し運用している巨大ロボット宝貝。
持ち主の名前がでかでかと書かれた黒い球形の胴体に、これまた球体上の頭(コクピットつき)、手、足(ともに蛇腹状の腕・脚で胴体と繋がっている)がついており、上述の杏黄旗と同じ布でできたスカーフが首に巻かれている。
金鰲との仙界大戦突入の折、太公望にも専用機が用意され運用された。
・太極図(たいきょくず)
7つのスーパー宝貝の一つにして最高峰。詳しくは項目参照。