「あーら気の強そうな子……。あたしちょっと苦手だわ……。」
CV:渡辺明乃
概要
第4話より初登場するあとまわしの魔女の召使いの一人で、気怠そうな雰囲気を纏う妖艶な女医。人間界への出撃の際は紫色の浮遊する舟に搭乗する。
一見すると『髪をソバージュ風に仕上げた、麿眉美女の人魚』のように見えるが、頭部には複数の触角が天を突くように生え、鼻筋や肩には筋状の模様が見られ、その下半身はナマコに似ている。
人物像
懈怠の医師
本来の仕事は魔女の館の住人達の治療行為であり、他の幹部と同じく侵略任務へのやる気は薄い。ただ、チョンギーレのように「『シェフ』=自分の職務以外の仕事は極力したくない」頑固さや、エルダの「子供特有の気紛れや我が儘による仕事の選り好み」は薄く、バトラーの侵略要請にはちゃんと応じる柔軟な姿勢を持つ(だが、要請された直後に「わたしはドクターよ」と難色を示したり、第21話では「夏の暑さ」を理由に医学的見解を交えて屁理屈を言い出す等、侵略任務は「やりたくもない仕事をやらされてる」とは思ってるようだ)。
キュアフラミンゴの初登場の際、彼女のはつらつとした言動には上記の微かな毒を吐く、あすかの父親の晴天招来の儀式を「暑苦しい」と称する等と、熱情を嫌う様子を見せる。
知略の医師
いつも柔和な笑みを浮かべており、戦闘中でも怒ったりする様子はほとんど見せず、プリキュアの横槍を受け流す言動をも見せる。
どこか気怠げな雰囲気を常に纏っているのは、微かな大人のセクシーさにも繋がっている。
また、気怠さの中にも余裕を持っている風であり、侵略任務に関しては不本意であるものの、出撃すればそれを『遊びの一環』にして楽しむ節が見られる。あとまわしの魔女達の中では策士に辺り、様々な変則的な作戦を考えついている。
それ故に第16話では『プリキュアに加担する人魚』と『人魚が持つ奪った「やる気パワー」を解放する道具』に目を付けて作戦を提案する、第18話でも2人が理由を付けて『やる気パワー』の回収を断る中、ヌメリーは渋々ながらも任務を受けるも、同話後半ではローラと対峙するや、彼女を待っていたかのような挑発的な言動をし、キュアラメール変身後も「彼女の『やる気パワー』を奪う」旨の発言する、第25話では「夏休みバテ」に陥ったエルダの監視役を任命されると(任命直後は不満だったが)真面目にエルダの行動を監視・注意を促す等、きっかけさえあれば積極的に行動する一面を見せる為、チョンギーレやエルダと比べるとやる気がある部類に見える。
また、第27話では今までのやり方を省みて、緩やかに『やる気パワー』を収集する方法に変える、第31話では修学旅行の特徴=列車は『高速で動く隔離施設』である為に逃げ場がない上に、プリキュアも早々に来れないと踏む等と、知略を働かせるシーンもあり、何だかんだ3幹部の中では真面目なタイプとも評価が出来る。
ただ、第34話で今まで集めた『やる気パワー』の一部を、タンス貯金している事実が明らかになった。結局エルダの為に使ってしまったが(後述)、よくよく考えればそれをする理由は「自分がやる気パワーを集める成果が芳しくない時に、バトラーに叱責されない為の保険」であり、彼女の抜け目のない一面が明らかになった。
更に43話では「ゼッタイヤラネーダのもと」も隠し持っており、もはや型落ちではありながらもプリキュア達の侵入を知るや、任務外での咄嗟の戦闘に対応、倒せないまでも立て直せるだけの時間稼ぎにはなった。
第36話では、グランオーシャンの女王の幻影を纏って、プリキュア達から『大地のリング』を奪わんとした(もっとも、こちらはバトラーの策略の可能性が高いが)。
人間に近い一面
また、人外の存在ながらメンタルは人間そのものに近く、第22話の出撃で洞窟に侵入した際、後から入ったトロピカる部メンバーの声にビクつき、前触れもなくまなつ達と鉢合わせた際には、まなつと変わらないぐらい驚き顔芸を披露した。
また第26話終盤で敗北こそしたが、エルダとチョンギーレと合流後、流星群を見て彼等と共に感動するシーンが流れた。
32話ではバトラーの怒涛の称賛に気を良くする等、チョロい一面を見せたり、35話ではヤラネーダの元をなくす粗忽者の一面を見せたりも。
上記の第36話では女王に演じている際に、くるるんが自身の顔許を高速で泳ぎ回るのを見続ける内に、目を回す場面が流れたりもした。
エルダとの関係
エルダとは歴代の女性幹部同士とは違い、とても仲が良く彼女を「エルダちゃん」と猫なで声に近い調子で呼ぶ、エルダが体調不良を訴えた途端に動揺する等、あからさまに溺愛している。そのせいなのか、上記の第25話では「夏休みバテ」に陥ったエルダの監視役にされる……のだが、続く第26話のバトラーの苦言から分かる通り、(ろくに『やる気パワー』を集められなかったにも関わらず)エルダに相当甘い評価を下しており、(エルダに限定すれば)監視役としては信用に置けない。
第34話では、バトラーとの口論の末に家出したエルダをチョンギーレと共に心配しつつ、「自分も小さい頃に家出の1つ2つはした」と理解を示した上、戻ろうにも『やる気パワー』が集められなかった為に戻れないエルダの為、密かに貯めていた『やる気パワー』を譲る、第44話で「魔女様の望みが『世界の滅び』なら仕方ない」と一旦は割り切るも、直後にエルダ「世界が滅んだらお菓子が食べられなくなっちゃう」の意見を聞くや「確かにエルダちゃんと遊べなくなるのは嫌」と返す等、エルダへの愛情は本物である(もっとも、逆に見るとエルダの否定がなければ、ヌメリーはそのままバトラーの悪行に加担し続けていた可能性があったのを意味する。つまりヌメリーにとって、それだけエルダの存在が大きかった訳である)。
禁忌を求める医師
後に明かされた魔女達の大願が成就した場合、ヌメリーは「不老不死になればドクターの仕事をしなくてすむ」と口にしている。
確かに「傷病で苦しむ患者が居なくなる」のは医者としては喜ばしい事態である(近似した考えでは「『警察官が暇な程に平和の世界』を夢見る」警察官が居る)。
不老不死になれば前作のコイツらも、リアルのコイツらも怖くはないのも事実だ。
- ただし、もし死なず老いなくても、欠損した肉体が再生できない場合は悲劇が待っている。その場合、不老不死の者は完全なゾンビとなり、崩れてゆく自身の体を見ながら生きなくてはならない(=つまり、不老不死には自己再生等の副次的効果は欠かせないのである)。
- また、万一不老不死であっても病気になるのだったら、前作のコイツらのような存在から見れば「永遠に寄生し養分を奪える宿主」になり兼ねない危険性がある。
だが、ヌメリーの「仕事をしなくてすむ」の前言を額面通りに読み取れば、それは単に現在は『表面上は「仕事をしています」』に等しく、ヌメリーにとって『医者の職分』……病気や怪我に苦しむ人々の救急には重きを置いていないとも取れる。
実際、その後魔女の望みであれば「世界が滅ぶのもそれで良いのかもね」と人々の危機を意に介さない発言をしたり(エルダの抗議で撤回したが)、最終決戦でプリキュア達に敗れ失意のバトラーに「次の仕事を探しましょう」とドライな一言を言い放っている。
……もっとも、最終回のエンディングパートでは自分の診療所を開設、深海魚そのものなマーフォーク達を相手に診察していた為、何だかんだ『医者としての職分』はちゃんと持っているようである。
ナマコのアイデンティティとは……
また、第39話ではビンに入れていたナマコを生物型超ゼッタイヤラネーダに変えていた。……チョンギーレの時もそうだが、同族意識は無いのだろうか?(チョンギーレの場合は素体にしたカニがヤドカリの一種であるタラバガニに似ていた為、同族と思わなかった可能性があるが、ヌメリーは超ゼッタイヤラネーダが敗れると「ナマコはか弱いの」と漏らし去っていった為、同族と知った上でヤラネーダにしていたようだ)
反逆の医師
第44話では、チョンギーレがヤラネーダに変えられて尚、エルダの「世界を滅ぼすって、本当なの?」といの質問に「あたしだってそんなこと聞いてないわよ」と、優柔不断気味に困惑していた。
しまいには「(魔女様の望みなら)世界が滅ぶのもそれで良いのかもね」と漏らすヌメリーだったが、エルダは「良くない! お菓子が食べられなくなっちゃうじゃない!」と反論されるや、
世界が無くなってしまったら、お菓子を食べるのもエルダと遊ぶのもできなくなる。
優柔不断なヌメリーとて、それは望みではなかった。
そして、キュアオアシスと「友達」になったあとまわしの魔女の最期をチョンギーレ達と共に見届けるが、その結末を受け入れられず暴走し世界を滅ぼそうとするバトラーにやる気を奪われる。が、元々やる気があまり無かった為にすぐに復活。
「魔女様はそんなこと望んで無いと思うわ」とバトラーヤラネーダを諭すが、聞き入れてもらえなかった為にヌメリーはとうとう反逆し、プリキュア達に加勢する。
「本当は面倒だけど……」とコワスンダー達に聴診器ビームを浴びせていた。
そして最終決戦が終わり、チョンギーレ、エルダ、プリキュア達に敗れしわしわになったバトラーと共に「ごめんね」と、今までの悪事を詫びて海の底に帰っていった。
最終決戦後コワスンダーとの戦いによりヌメリーは角が一本折れている。
最終回のエンディングパートでは、あとまわしの魔女の屋敷の跡地で深海魚族を相手に診察をしていた。
戦闘能力
首にかけている聴診器を使い攻撃する。第45話では破壊の魔女のしもべだったコワスンダーに対し、聴診器から触手を召喚して戦った。
尚、OP映像で使用していた聴診器を光らせ、地面を破壊する技が劇中で使われなかった。
また、戦闘能力とは全く無関係ながら、歌声に自信があるらしく、初めてゼッタイヤラネーダを召喚した際に自慢の美声を披露した。
余談
名前の由来・モチーフ
当初は触覚とヌメり具合等のデザインから、ウミウシ/アメフラシもしくはナマコがモチーフと思われていたが、キャラクターデザインを担当した中谷友紀子氏のインタビューに「ナマコ」との発言があった為、これをモチーフとしたと考えられる。
名前の由来は「ヌメヌメ」、もしくは「ヌメる」、「ヌメり」だと思われる。
演者について
演じる渡辺氏は前作『ヒーリングっど♥プリキュア』にてケダリーを演じており、5度目のプリキュアシリーズ出演となった。本作ではシリーズ初のレギュラーキャラにして『ハートキャッチプリキュア』以来の女性キャラ役である。
尚、偶然にも劇場版である雪のプリンセスと奇跡の指輪!の冒頭でも登場しており、作中でバッティングこそないものの、ハートキャッチプリキュアと共演している。
医者の敵幹部
プリキュアシリーズにおいて、医者の肩書を持つ敵幹部はヌメリーが初。
下記にもあるが、これによってニチアサ三大シリーズ全てに、医者の敵幹部が登場した。
コスプレ(?)
第31話では車掌、続く第32話では貴婦人を思わせるドレス姿を披露した。
関連タグ
ナマコ:上記の通りモチーフ元の生物。
ウミウシ/アメフラシ:明言されるまでモチーフ候補に挙がっていた生物。
- ヒーリングっどプリキュア:前作のお医者プリキュア。
- テンジョウ:単独映画の冒頭にも登場した女子幹部繋がり。TVシリーズのクライマックスでプリキュアと和解する点が共通している。
- ゴーシュ・ル・メドゥ:ニチアサの女医繫がりの女子幹部。
- 井坂深紅郎/ウェザー・ドーパント:こちらもニチアサにおける医者繋がりの敵幹部。
- ドクトル・オーヴァ:「ニチアサ」ではないものの、テレ朝(当時NET)における医者繋がりの敵幹部。
- ドクター・ゲッコー:クロスアンジュ天使と竜の輪舞に登場した医者で中の人つながり。