「オレは死ぬまでGT-Rだ!」」
声優 | 大友龍三郎 |
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搭乗車種 | 日産・スカイラインGT-R(BNR34) |
ボディカラー・その他グレード | 後述で解説 |
主な外装パーツ | NISMO製フロントバンパー、YOKOHAMA製ホイール |
ナンバー | 土浦39 き 38-274 |
人物
茨城県土浦市あるいはつくば市周辺に住む建設会社社長で、自称「中年暴走族」。
同年代の親友である城島俊也らと共に走り屋チーム「パープルシャドウ」を結成しており、プロジェクトD編の筑波山山腹でのバトルで高橋啓介のFD3Sと対決する。
基本的に片手でハンドルを握りながら峠を攻める城島の「ゴッドアーム」に対し、星野は「ゴッドフット」の異名を持つアクセルワークの達人である。
峠の定番車としては重量級で、さらに独特の4WDシステムを持っている事から本来ドリフトさせる事が困難なはずのR34型GT-Rで豪快なドリフトを見せる。
性格は豪快かつ大胆で、対戦相手の啓介に会うなり「君は女にモテるだろう」と言って女を落とす喜びを語ったり、FD乗りの啓介に有利な条件(ヒルクライムだけではない上り下りの複合コースでの勝負)を持ちかけるなど、ライバルを相手に度量の大きさが見て取れる。
運転中は「とにかく喋る」「ときどき奇声を上げる」といった癖があるが、これは本来誰よりも熱くなりがちなため、我を忘れないようにする冷却装置のようなものである。
そのため彼が黙り込んだ時は、冷静さと客観性を失っている事を意味する。
啓介と同じく闘争心を武器に感性で勝負する感覚派のドライバーで、理論派のドライバーである相棒の城島とは対照的といえる。
本人曰く若い頃は女性にモテたらしいが、今現在は典型的なメタボ体型の中年親父である。
しかしながら全く下品でもなければ若者を見下すような性格ではなく、啓介やゲーム版でのプレーヤーに対しては「若いうちにいっぱい遊んでおかないとダメだぞ」という主旨のアドバイスもしている。
医師である城島からはダイエットを勧められているが、「太くみじかくがオレのモットー」「医者の言うことは聞かないようにしているんだ」と返答した。
サーキットでのアマチュアレースでも好成績を出しているようであり、またプロレーサーとの接点もあるらしくバトル後に啓介にプロへの道筋を付ける話ができるとも話している。
パープルシャドウの若いメンバーたちからは「神様のような存在」と慕われている。
本人達は「もう後輩たちのスピードにはかなわない」「あちこちについたサビを落とさないとな」と笑っているが、星野と城島が練習で走り去った際にもメンバー達は「俺たちなんて足元にも及ばない」「錆なんてとんでもない、いつだって研ぎ澄まされた日本刀みたいな人なのに」とつぶやくなど、その腕前はおそらく初老を過ぎた今でも衰えを見せていないようである。
東堂塾の東堂社長はR32時の星野のドリフトを目の当たりにして驚かされた事があり、塾生の二宮大輝と酒井に啓介対星野戦の観戦を勧めている。
プロジェクトDとの交流戦でも、ガチガチの峠チューニングの啓介に対して外観はほぼノーマルでおそらくブレーキパッドとタイヤを交換した程度のファインチューニングで挑みながら高いパフォーマンスを見せており、高橋涼介をして「ゾッとするほどの神がかりなプッシュ」と言わしめた。
車歴
作中で明確になっている範囲ではすべてスカイラインで、
R32→R33→R32→R34
の各世代のGT-Rグレードを乗り継いでいる。
R33の後にR32に戻るのは、本人曰く「あれ(R33)は(日産の)失敗作だ」として買い戻したからである。
※なぜ失敗作なのかは触れられてはいないが、同作品では第二世代のGT-RとしてR33だけが登場人物の車種として登場しておらず、4巻巻末のオマケページで啓介に「R33なんざブタのエサ」と言わせた前例もあることから「作者の嗜好に合わなかったのでは?」と考えるファンも少なくない。とはいえR33は第二世代GT-Rでは最もホイールベースが長く峠向きではないのも事実。
一方で優れた直進安定性を持っているため、高速道路が主体の湾岸ミッドナイトでは高く評価されている。
星野自身はR33以外のGT-Rグレードについては、「車が分かってねぇ奴に限って、ちょっと金持つとベンツだのフェラーリだのに乗りたがる」「オレは金はあるけどそんなもんにはまったく興味ねぇ。オレは死ぬまでGT-Rだ!」と言っている事から、よほど心酔していると思われる。
劇中の活躍
以下ネタバレあり
当初は高橋啓介を相手にヒルクライムで勝負する予定であったが、星野は「上りと下りのトータルバランスを目指してこそ本当の走り屋」という考え方から、プロジェクトDに対して下りも含めることを提案。
啓介はこれを快諾する。
星野は先行を選んだが、涼介は啓介に「FDに不利な上り区間では7秒までの差を相手に与えてでもタイヤを温存し、有利な下りでペースを上げ2本目に持ち込む。そして追い越し困難な2本目上りを凌ぎ切り、下りで勝負を決める」という大胆な作戦を伝える。
1本目は、啓介は涼介から与えられて日頃取り組んでいた「タイムを揃える」という特訓の成果を見せ、見事2本目に持ち越した。
続く2本目、タイヤの摩耗の面から誰の目にも分かるほどの不利に立たされた星野であったが、2本目の上りではトラクションを活かして啓介を揺さぶり、折り返し地点のコーンの前で遂に並走。
星野は右から、啓介は左から回ってあわやという展開になったが、星野は鼻を0.1秒啓介より先にねじ込み、啓介の内側を取ってオーバーテイク。
プロジェクトDの面々のド肝を抜いた。
※このターンについては、実は「星野先行の1本目のターン直後、啓介が来る前に星野は車線変更し、啓介へターンの向きを逆方向に印象付ける」「2本目の短い直線で軽く並ぶなどし、FDとR34の性能差や並ぶタイミングを図る」といった布石を打たれており、ターン前に車線が空いたから咄嗟に飛び込んだわけではなく、計算されて行われていたことが分かる。作戦を立案した涼介もターンでの追い抜きは予見していたようで「やはり見逃してはくれなかったか」と少し落胆する表情を見せた。
2本目後半の下り区間に入ると、星野はタレてきたフロントタイヤをカバーしつつ啓介のラインを潰すため、コーナーで大胆にマシンを横に向けるドリフトで抵抗。
啓介はこれに対して何一つメリットが無いにもかかわらずFR乗りの意地でドリフトを繰り出して応戦する。
これを見た星野はヒートアップ、2台ともコーナーの入り口からリアを振り出すというドリフトの競演を繰り広げた。
最後は星野のタイヤが限界に来てアンダーを出し、アウトにつけていた啓介に接触。
啓介は姿勢が乱れつつもギリギリで立て直し、勝利を飾った。
なお厳密には微妙な差であったため啓介から3本目にいくことを持ちかけたが、星野はすっぱりと負けを認め「爽快だった」と語っている。
バトル後プロジェクトDは恒例のタイムアタックを敢行したが、星野が昔1000万円かけてそのままレースに出せるほど改造したGT-Rで出したレコードタイムの壁は厚かった。
啓介とFDの力量を持って4度アタックしてもレコードを破る事はできず、プロジェクトDの発足以来初のタイムアタックでの黒星となった。
R34の仕様について
星野のR34型GT-Rは、作品媒体にとってカラーとグレードが異なっている。
原作では明言されていないが、TVアニメ版及びゲーム版ARCADE STAGEシリーズでは、2002年8月の生産終了を前に同年1月に販売された最終特別限定車「V-specII Nür」モデルである。
ボディカラーもその専用色でカーキ系の「ミレニアムジェイド」に設定されている。
これについてARCADE STAGE 4の公式コラムにて「原作の取材車両がこのグレードのこの色であった」と語られている(参照)。
それに対し・フジミ模型や青島文化教材社から発売されている頭文字Dシリーズのプラモデルでは通常の「V-specII」グレードとされており、ボディカラーも鮮やかな青系の「ベイサイドブルー」である。
余談
- TVアニメ版のFourth Stage及びBATTLE STAGE 2にてユーロビート『Back on the rocks』が使用された。これはR32型GT-R乗りの中里毅のテーマであると同時に、「頭文字DにおけるスカイラインGT-Rのテーマとしての意味合いがあり使用した」とアニメ版のプロデューサーがコメントしている。
- R34はドリフトが出来ない車と勘違いしている方もいるが、アクセル開度等によってフロントの駆動力が変わるため大変ではあるものの、セッティングや状況を整え腕のあるドライバーが乗ればドリフト自体は可能である(参照)。
- TVアニメ版およびアーケードゲーム版の星野のR34はナンバーの分類番号が2桁だが、2桁ナンバーは1999年に廃止されており、V-specII Nürが発売された2002年には本来は3桁ナンバーしか取得できない。
関連項目
R34型スカイラインの、GTターボグレード乗り。
同じくメタボ気味な中年男性。
同じヤングマガジンで連載されていた『湾岸ミッドナイト』の登場人物。
走るステージの違いから、R33について星野とは真逆の評価をしている。
実在するレーサーで、恐らく彼の元ネタになったものと思われる(名字が同じ、レースキャリアを通じてGT-Rを操る、熱くなりやすい性格等があげられる)。