概要
映画ドラえもん第26作。水田わさび版アニメ『ドラえもん』としては最初の映画作品であり、1980年に公開の映画ドラえもん第1作『のび太の恐竜』のリメイク作品。
なお本作が公開された2006年は、ピー助のモデルであるフタバスズキリュウが「フタバサウルス・スズキイ」の学名で命名された年にもなった。
原作版との違い
封切りから26年も経つため、徹底した考証が行われ、原作版ではしっぽを引きずっていたティラノサウルスは前傾姿勢になり、オルニトミムスには羽毛が生えた。また、スピノサウルスやアラモサウルスなどの新恐竜も登場している(原作者藤子・F・不二雄の勘違いにより原作版ではアパトサウルスが登場していたが、白亜紀にはとっくに絶滅している)。また登場する恐竜の種類も増えている。
しかし、現在の説ではフタバサウルス(フタバスズキリュウ)のような首長竜は胎生で卵を産む事は無かったとされている。だが、それでは物語が根本から変わってしまうため、意図的に旧来の設定のままとされた。そもそも首長竜は恐竜ではないが、これも藤子・F・不二雄の誤解に基づくもので、本作でもそのままである。
また、原作では見られなかったジャイアンの漢気が描写されているほか、原作のクライマックスではタイムパトロールの手を借りて窮地を脱したのに対し、本作では「のび太達が自分の力で立ち向かう」展開に変更されている。
作画スタイルの批判
監督を務めた渡辺歩の作風なのか、キャラクターデザインがいつもの『ドラえもん』とは違いカートゥーンのような画風だった為、賛否両論となった(例:https://movies.yahoo.co.jp/movie/323636/review/389/)。同様に渡辺が監督を務めた『のび太と緑の巨人伝』でもこうした演出が踏襲されている。
登場する古生物
原典のアパトサウルスのポジション。ティラノサウルスに襲われるのも同じだがドラえもん達に治療され存命している。
ドルマンスタインに飼われている。鞭を無闇に打たれているが彼を基地の崩落から守りその後詫びられていたので彼らなりに信頼関係はある模様。
ジュラ紀の恐竜だが恐竜ハンターの基地に回収されていたため白亜紀である本作に登場。
その他
中盤峡谷を通り抜ける一行を襲う。内陸には生息していなかったプテラノドンと置き換えられる形での登場。
派生作品
映画公開と同時期にセガからニンテンドーDS専用ソフト『ドラえもん のび太の恐竜2006DS』が発売された。
これは映画と途中で分岐した世界を舞台にしており、ドラえもん達が最初に黒マスクに襲撃された際、しずかはジュラ紀、スネ夫は三畳紀、ドラえもん・のび太・ジャイアンはまだフタバスズキリュウのいない白亜紀前期に飛ばされてしまう。ドラえもん達は仲間を集め、タイムパトロールの少女のルル(どことなくリーム・ストリーム似)と共に恐竜ハンターの野望を打ち砕いていく。
ゲームスタイルはカードゲームであり、様々な恐竜カードが登場。
なお、『恐竜2006』は原作版と古生物学考証によるブラッシュアップ以外は特に差違の無いリメイクのため、漫画版は無し。
代わりに『恐竜2006DS』が岡田康則によりコミカライズされている(ゲーム作品の攻略本としても機能している)。