本名:高橋一雅(たかはし・かずお)(1961年10月4日~2022年7月6日死亡確認)
概要
日本の漫画家、イラストレーター、デザイナー。『遊☆戯☆王』の作者として知られる。
略歴
1961年10月4日、東京都に誕生。幼少の頃は体が弱く、絵ばかり描いていた。
1981年、『ING!ラブボール』が第8回小学館新人コミック大賞(少年漫画部門)に入賞。「週刊少年サンデー」(小学館)に掲載され、デビュー。その後は漫画家のアシスタント、ゲーム会社でスロットマシンのパネルのデザインなどをして暮らした。
1986年、「週刊少年マガジン」(講談社)でテレビアニメのコミカライズ『剛Q超児イッキマン』を連載。
1990年、「週刊少年ジャンプ」(集英社)に『闘輝王の鷹』が掲載される。
1991年、「週刊少年ジャンプ」で『天燃色男児BURAY』を連載。
1996年、「週刊少年ジャンプ」で『遊☆戯☆王』を連載。大ヒット作となる。
1998年、『遊☆戯☆王』がテレビアニメ化され、テレビ朝日系で放映。
1999年、トレーディングカードゲーム『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム(遊戯王OCG)』「Vol.1」が発売された。シリーズ全体で1兆円を超える売り上げを記録する大ヒット作となる。
2004年、『遊☆戯☆王』の漫画連載が終了。その後、漫画家としては半リタイア状態となるが、『遊☆戯☆王』コンテンツとの関わりは持ち続ける。
2022年7月6日、名護市(沖縄県)沖合で発見された遺体が、翌日高橋と確認された。沖縄には趣味のシュノーケリングに来ていた。60歳没。
功績
~功績(1)~
遊戯王がアニメ化された2000年の「長者番付」において、いきなりTOP5に入った。
(補足すると「長者番付」というのは当時公表されていた高額納税者公示制度による高額納税者のランキングのこと。個人情報保護法の施行により2005年に廃止されている。)
氏が当時在住していた地域を担当していた役所の人間はいきなりリストにあがった「高橋和希」という見知らぬ名前に戸惑いを隠せなかったという。
~功績(2)~
2006年に遊戯王OCGが世界で最も売れたカードゲームとしてマジック・ザ・ギャザリングを抜きギネス登録された。集英社に最大の収益をもたらしたコンテンツであり、この年完成した集英社アネックスビルは「遊戯王ビル」とも呼ばれた。
その売り上げ枚数は約246億枚、2011年現在では計算上300億枚を突破していると推測される。
ロイヤリティ(おもちゃにかかる印税)次第では、300億円以上の資産があると思われる。
~功績(2)追記~
2011年6月現在、251億枚を突破しギネス記録を再び更新した。
関連記事:KONAMI、「遊戯王カード」251億枚突破でギネス記録更新
https://www.pixiv.net/news/topic_article.php?id=93232
なお、いわゆるカードバトルをマンガで見せることにより、マンガ以上に収益を上げる新たなビジネスモデルを築き上げた考案者であると誤解される事が多いが、和希氏はあくまでも原画や原作を行っているだけであり、そのようなモデルを和希氏自身が立ち上げたわけではない。
作風
『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの作者である荒木飛呂彦氏を敬愛しており、作品からもその影響が窺える(遊戯王における擬音の「ドドドドド」や「ゴゴゴゴゴ・・・」など)
(※荒木飛呂彦氏の元でアシスタントをしていたといわれる事があるが、その様な事実はない。)
初期の遊戯王での作風はおどろおどろしいものとなっているが、中期に入るとゲーム要素をふんだんに取り入れたこともあり、和希氏の趣味である アメコミタッチへと変貌を遂げている。
ゲーム部分に関しては当初は和希氏がハマっていたTRPGに近い、カードゲームとしてはかなりハチャメチャな描写が多かったのだが、商品化に伴いルールが整備された事、元々ジョジョ好きと言う事も有ってジョジョほどでは無いにしろ、段々と知的・トリックバトル的な作風となり先の読めない(後出しじゃんけんと揶揄される事も有ったが)バトル物として当時のちびっ子達の心を鷲掴みにした。
ネット上のファンからは、キャラの濃い言動や派手派手な服装・髪型、基本的に大人が「少年少女の敵対者」ポジションであるために「毒親」と「問題教師」のバーゲンセールになっている、などといった作風の特徴がネタにされやすく、「カズキングダム」と呼ばれたりしている。
また、戦争を非常に強く嫌っており、イラク戦争がの発生した時にはコミックスの前書きで非難の言葉を載せたこともある。遊戯王の作中においても軍事産業で発展した海馬コーポレーションを率いる海馬剛三郎を養子の海馬瀬人が倒して乗っ取り、アミューズメント施設を展開する企業へと変貌させていくというストーリーがあり、作者の信念が伺える。
連載が終了したのちは漫画家としての活動は縮小したが、近年Vジャンプの表紙絵を飾っていたこともある。
また、『DRUMP』や『THE COMIQ』といった遊戯王とは全く別の世界観で短編や短期連載を手掛けたこともあった。
その作風は以前のものと大きくかけ離れ、アナログ作画からデジタル作画へと変化しており
線画がない油絵のような描写になっている。pixiv内ではこれを和希塗りと呼んでいる。
とはいえ、「TRANSCEND GAME 遊戯王」では当時の画風に近い作画で描いており(「似てる!?どぉ、似てる!?ねぇ!バクラ!バクラ似てる!?」なときもあったものの)、描こうと思えば当時に近い画風で書けるのかもしれない(Vジャンプ表紙ではアニメ塗りに近い画風で描くこともある)。
訃報
2022年7月6日、沖縄県名護市の沖合の海上でシュノーケリング器具を装着したまま漂流しているのを発見され、名護海上保安署により死亡か確認された。享年60歳。死後数日が経過しており水難事故死とみられているが、遺体の損傷具合から海洋生物(恐らくサメ)による被害の可能性も浮上していたが司法解剖の結果サメによる噛み傷は死後に付けられたものだと断定された為クラゲ(恐らくハブクラゲ)に刺されて死亡した可能性もある。
訃報により、初期の筆名・高橋一雅が本名であることが判明した。
遊戯王という作品が幅広い展開と長い歴史を歩んできたために、その関係者とファンの数は計り知れず、海外でも大きなニュースとして報道され、世界中の多くの人がその突然の死を悼んだ。
また、訃報の後放送されたニュースの街頭インタビューではファンの事を「デュエリスト」と表記するテレビ局もあり、影響力の大きさを今一度知らしめることこなった。
翌日には安倍晋三元首相が殺害される事件もあってニュースの紹介枠は大きく削られたが、週末の情報7daysではデュエルモンスターズ時代の海馬瀬人を演じた津田健次郎のナレーションで訃報と遊戯王の功績を紹介する枠が設けられ、週明けの2022年7月11日のZIP!では、武藤遊戯の声優で月曜パーソナリティの風間俊介氏が自身のコーナー『プレゼンZIP』にて作者を紹介し、作品のファンかつ関わった一人として感謝と追悼のコメントを送った。
漫画
高橋和希名義
- 遊戯王
- DRUMP(ドランプ)
- THE COMIQ
- SECRET REVERSE
高橋かずお名義
高橋一雅名義
- 闘輝王の鷹
- バトルマインド
- 天燃色男児BURAY
遊戯王における活動履歴
10thアニバーサリー 劇場版 遊☆戯☆王 ~超融合!時空を越えた絆~
原画マンとして作品に参加している(ヒントはアテム)。EDテロップに名義あり。
メインキャラクター・モンスターデザイン。
単行本遊戯王最終巻にそのスケッチが掲載されている。また大まかな世界観も創案している。
メインキャラクター・モンスターデザイン。
D・ホイールのデザイン、大まかな世界観の創案。
メインキャラクター・モンスターデザイン。大まかな世界観の創案。
製作総指揮・脚本・キャラクターデザインを担当。
また表遊戯がデュエルディスクを装着するシーンの作画を担当。
- ゲームタッグフォースシリーズ
モブキャラやゲームオリジナルモンスターデザイン。
モンスターデザイン。
連載当時は原作のモンスターがそのままカードにデザインされていることが多かった。
また、GBソフト時代では 多数のモンスターデザインを提供している。
単行本のおまけページのカット絵にそのラフスケッチが見られる。
□その他…
使用デッキ
一応、和希氏はOCGプレイヤーでもあり、【エクゾディア】や【青眼の白龍】等の使用が確認されている。
特に後者ではかつてVジャンプの付録となった直筆イラストの青眼の白龍を使用しており、他自身がデザインしたブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンなども含め、リアルペガサス状態となっている。
他の遊戯王漫画作品を描いている方々も自身のデザインしたカードを使用している例はあるが、和希氏の場合はさらにその上を行っていると言えよう。
関連人物
大島やすいち…師匠。和希氏がかつてアシスタントとして仕事に参加していた。
森川ジョージ…マガジン時代の同期かつ盟友。和希氏の訃報に際しては、自身のTwitterにて数多の思い出話を語っている。
スタジオ・ダイス所属(アシスタント)
後にカードファイト!!ヴァンガードでも関わることになる。
遊戯王以外だとストライクZONE!やコミカライズ版逆転裁判を描いていた。
後に作画としてカードファイト!!ヴァンガード ターナバウトが月刊ブシロード9月号から連載開始。
伊藤彰氏はネーム原作として関わるので、まさかの遊戯王以外での共同制作となる。
現在は遊戯王OCGストラクチャーズがVジャンプで連載中。
友永晃浩…遊戯王Dチーム・ゼアル、遊戯王ARC-V最強デュエリスト遊矢!!、ぬるりんカリスマ!ゴキボール!!。
上記の佐藤雅史氏とは遊戯王5D'sで一緒にモンスターデザイン協力を27話から関わっていた。
原作遊戯王完結後もアシスタントたちは遊戯王関連作品を描いている。
その他
現在は遊戯王OCGストーリーズがVジャンプで連載中。
アニメ版遊戯王ARC-Vではキャラクターデザイン原案を担当している。
澤井啓夫(ボボボーボ・ボーボボ著者)
1ページだけだが武藤遊戯をコラボとして描き下ろした。
ちなみにアニメでは大人の事情でやむを得ず変更されてしまったが、ゲーム『ジャンプスーパースターズ』ではスーパータッグ技の「澤井版オシリスの天空竜」として登場している。
逆に、原作遊戯王にはところ天の助のアイテムである「ぬのハンカチ」を登場させている。
自身の作品『守れ!しゅごまる』の作中で、度々遊戯王ネタを取り入れており、しまいにはラスボス戦を完全に遊戯王のデュエルにしてしまうほど。
外部リンク
スタジオ★ダイス HP
サイト内には 和希氏制作のオリジナルアニメBUTTONやそのフィギュアを公開していたり、
文庫版遊戯王の表紙絵・未公開イラスト、歴代遊戯王のラフスケッチや漫画などが掲載されていた。<※現在一時休止中>
https://www.instagram.com/studio_dice/?hl=ja
Instagramで、遊戯王も含めた様々なタイプのイラストを描いている。
ガチなものから、時事ネタ、投稿者コメントを含めてネタに走ったものなどがある。
現在でもイラスト投稿を続いているのでファンにとっては必見である。
関連タグ
臼井儀人…クレヨンしんちゃんの作者。こちらは単独での登山中の事故で亡くなっており、高橋先生の訃報の内容から思い出す人も多かった。
安倍晋三…高橋先生の訃報の翌日に思わぬ事件で死去した政治家。二日続けてのショッキングなニュースに日本中に同様が走った。