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八神隆之の編集履歴

2023-03-14 19:10:42 バージョン

八神隆之

やがみたかゆき

八神隆之とは、龍が如くスタジオ制作のゲーム『JUDGE EYES:死神の遺言』及び『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』の主人公である。

「どうする? 本当に出るとこ出る?

─────でも……やっぱ相手が悪いと思うよ」


CV・モデル:木村拓哉

概要

JUDGE EYES:死神の遺言』及びその続編となる『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』の主人公。

神室町に位置する「八神探偵事務所」の所長を務める私立探偵。かつては同じく神室町にある「源田法律事務所」に在籍する弁護士だったが、とある事件を機に周囲からのバッシング、依頼人を信じて無罪を主張したことへの後悔から辞職し探偵に転じた過去を持つ(ただし弁護士資格は現在も保有している)。


味方(特に神室町のフレンドたちの大半)からは「八神さん」、敵やソリが合わない相手からは「八神」と呼ばれている。

例外として、海藤や松金の組長、BARテンダーといた古馴染みたちからは一貫して「ター坊(隆之が由来)」の愛称で呼ばれているほか、父親代わりの源田からは「八神」、真冬からは「八神くん」、九十九誠一からは「八神氏」と呼ばれている。


20年来の兄貴分である海藤正治を相棒に様々な依頼に立ち向っており、暇になるとテンダーのマスターや源田を訪ねては「安価でもいいから」と仕事を要求している(忙しくしていないと前述のとある事件で命を奪われた女性のことを思い出すと述べている)

ただし、普段は浮気調査やペット探しといった地味な仕事ばかりしか依頼されないらしく、経営状況は芳しくなく、事務所兼住居の家賃や相棒の海藤への給料の滞納が続いている。

その分臨時収入がある度海藤へも相応の額を手渡しており海藤側も財政難については承知しているため催促したりしない

しかし大家の冨岡理恵からはちょくちょく会う度に家賃を催促され、家賃がわりにこき使われている。例えば、特技のピッキングで知り合いの鍵屋の手伝いをさせられたり、飲食店に出す創作料理の味見をさせられたりしている。

なお料理の場合、最初のうちはゴーヤカレー(半煮え)やワサビ漬け唐揚げ(ムラあり)等非常に個性的だが、回数を重ねると美味しいものが出る様になる。完遂すると、定期的に事務所の冷蔵庫に食事が置かれる様になり、持ち出しはできないが、好きな時に食して完全回復できる様になる。


人物

外見はキャラモデル・演者である木村拓哉の30代頃の容貌に近い。

髪型は細かいウェーブのかかった、ドラマ『探偵物語』の工藤俊作の影響もうかがえそうな横にボリューム感のある無造作ヘア。

普段の服装は黒革のダブルライダースジャケット(肩エポレット+フロントベルトつきのアメジャン系だがアクションプリーツは無いタイプ)にUネックで白Tシャツのインナー、ウォッシュ加工で色落ちした青いスリムデニム、ウォレットチェーン、白スニーカーを愛用している。

一方で探偵業の一環として様々な衣装を身に着けることもある。多くは、ターゲットを尾行するためのホームレスや施設へ潜入するための作業員といった変装が主だが、本編ストーリーおよびサブイベント内にて極めて妙な出で立ちに転ずることもしばしば。田舎ヤンキー風の派手なジャージや水商売らしいバーテンダールック、法廷にも立てるオーダーメイドスーツなどはともかく、顔面白塗りの吸血鬼コスプレや忍者装束まで真顔で身に纏うさまはさながら『SMAP×SMAP』のコントの1シーンのよう


普段こそ冷静沈着で目上の者や依頼人に対する礼節をわきまえているが、根は負けず嫌いな性格。

皮肉屋の一面もあり、対立する相手には棘のある物言いで接するなどハードボイルド探偵小説的な減らず口も目立つ。


過去シリーズの筆頭主人公である桐生一馬と同様、情に厚く、困った人を見過ごせないタイプであり、作中では本編・サブイベント共に様々な依頼を請負い、仕事にも遊びにも真剣に取り組む姿勢の持ち主。探偵になった現在も「依頼人の為なら何でもしてくれる」という噂が立っている。

また、桐生とは違って付き合いは悪くなく、ジャッジアイズでは神室町の住人たち最大50人と友人(フレンド)になることができる。ロストジャッジメントでは潜入捜査のためとは言え私立誠稜高校の部活に入り込んで高校生たちと親睦を深める。


探偵としての能力は弁護士として得た法的知識のみならず、尾行や変装、ドローンの操縦やピッキングといった様々な技術を駆使するなど非常に高い。

また神室町で鍛え上げた喧嘩の実力は確かなもので、戦闘ではかつて父から手ほどきを受けたカンフーを自己流にアレンジした自称「神室町流」で戦う(DLCで入手出来る「仙薬」というアイテムを使用する事で某漫画の様な技も使える様になる)。

かつての桐生や真島のように、状況に応じて型を使い分ける戦闘スタイルであり、蹴り技中心で対多人数向けの「円舞」と、手技によって相手の防御を崩す一対一向けの「一閃」という2種類の型を使い分ける。ロストジャッジメントからはこれに相手の力を利用して受け流す型「流」やボクシングの型である「拳威」が加わる。


弁護士時代は優秀と評価されていたものの決して無敵というほどの実力設定でもなく、本人曰く「民事だと勝ったり負けたり。少し負け越してるかな」と語る程度で、刑事事件は大久保新平の弁護が初めての仕事という経験の浅さであった。しかしながら、統計上でも「立件されれば99%有罪」になるほどの不利すぎる日本の刑事裁判(限られたリソースで無罪たる証拠を得なくてはならない弁護側と違い、検事側は国庫から無尽蔵に金を出し、警察という公権力を好き放題利用して証拠を集められる、そして、創作上ならともかく、たかが数人の弁護側が探して見つけられる程度の証拠は検察側も見つけており、その上で被疑者を立てている以上まずひっくり返らないため、本人の反省や心神喪失や耗弱による責任能力の不足を主張して減刑させるのが精一杯である。)を初弁護で無罪にしてしまった快挙が、彼と周囲の運命を大きく変えてゆくことになる。


経歴

過去

弁護士の父を持ち、少年時代はそれなりに裕福な家庭で生活していた。

あるとき、とある殺人事件の容疑者を父が弁護して裁判で勝訴を勝ち取ったが、後日、その判決に納得がいかなかった被害者の親族(15歳の娘を乱暴された挙句に殺された男性)が八神家を急襲し、八神の父と母を殺害する凶行に出る。

八神は当時反抗期であり、弁護士稼業で忙しい父親に反発して友達の家で寝泊まりをしていたため唯一被害を免れることになる。また、この事件の犯人は八神の両親の死体のあった廊下の奥の部屋で首を吊っており、被疑者死亡で送検され、誰も救われない事件と述懐されている。

(父の語った信念から、父が合法非合法問わずあらゆる手を尽くした悪徳弁護士だったというより、検察側があらゆる手を尽くし損ねていただけ)


その後、八神は親戚たちの引き取りを振り切って家を飛び出し、神室町に流れ着く。

当時まだ15歳であったが、バー「テンダー」にてマスターの温情で年齢を偽ってアルバイトをしながら日銭を稼いで暮らすようになる。ある日、客として店に現れた東城会松金組の下っ端構成員(当時)である海藤の横柄な態度が癇に障り、彼にケンカを吹っかけるもまるで歯が立たず打ち負かされる。八神は、なおも海藤に執着し、町で顔を見るなり殴りかかっては何度も返り討ちにされる日々を繰り返すようになる。


これを見かねた松金組組長・松金貢は、一度八神と会って彼の荒んだ心情を見抜くと共に、若いお前は「いい年こいた人間のクズ(=極道)」である自分たちと違い再び立ち上がれると彼を諭して、その気があるなら事務所を訪ねるように促した。以降は八神も考えを改めて海藤と和解し、松金からは息子同然に可愛がられる。数年後、松金の勧めで夜間学校に通い上げ、最後には司法試験を受けて弁護士資格を取得。

その後、松金と懇意である「源田法律事務所」所長・源田龍造を紹介され、彼の下で駆け出しの弁護士として邁進する。こうした経緯から、両親を失っていた八神は松金・源田の二人を親のように敬っていた。また、この頃に同僚の城崎さおりの紹介で、彼女の幼馴染で東京地検に務める女性検事・藤井真冬と知り合い親しい間柄となった。

(学生をドロップアウトするも苦学して司法試験を経て法曹に、という経歴は2001年のドラマ『HERO』で木村拓哉が主演した検事・久利生公平にも見られた設定である)


32歳の頃、先端創薬センターで起こった殺人事件において、容疑者であるリネン業者の青年・大久保新平の弁護人を務める。周囲が大久保を犯人と信じて疑わない状況下でも大久保に献身的に寄り添い、裁判では検察の推理の穴や証言者の矛盾点(及び証言者の肩書きを信用するような発言、逆に大久保の前科からくる決めつけ)などを的確に指摘し、起訴されれば99%有罪になると言われる日本の刑事裁判において、刑事事件初弁護であるにもかかわらず勝訴を勝ち取った。

これにより、一躍時の人として有名になる。


しかしその後、大久保は釈放から間もなく恋人の寺澤絵美殺害と自宅放火の疑いで再び逮捕され、再度弁護を引き受けるが、今度ばかりは八神も大久保の無罪を信じ切ることができずあえなく敗訴、大久保は死刑が宣告される。

この事で前述の無罪となった創薬センター殺人事件に関しても「やっぱり大久保が犯人だったのではないか」と見る風潮が生まれてしまい、八神は「凶悪な殺人鬼を野に放ったインチキ弁護士」として世間から猛批判を浴び、依然無罪を訴え続ける大久保を信じることもできなくなり意気消沈し、弁護士を退職。以降は『八神探偵事務所』を開業し、私立探偵として活動するようになる。

探偵になってからも松金・源田からは何かと気にかけられており、ときには源田を介して依頼人の護衛や聞き込み等証拠集めの手伝いといった仕事の依頼を安く請け負うなどしていた。本人曰く「忙しくしていないと絵美ちゃんの死に顔を思い出してしまう」らしい。

(一方、ホームレスとの会話イベントにて「昼まで寝て好きなときに食事してる」「寝すぎた自分に腹が立ってまたフテ寝した」などの生活態度を明かしてホームレスから「もっと働きなよ」などと呆れられる場面も。どちらが彼の真実かは八神を動かすプレイヤーごとに委ねられているだろう)

源田からは、再び弁護士になるよう何度か勧められていたが、大久保の一件がトラウマとなっていた八神は「俺の目は依頼者が悪人か善人かも分からない節穴」と頑なに断っていた。


ただし八神は「源田法律事務所」は退職したが、弁護士としての登録は抹消していない。

ちなみに、弁護士バッジは日弁連(日本弁護士連合会)に登録すると日弁連から貸与されるものであるため、弁護士としての登録自体を抹消したのならば返却の義務が生じるし、弁護士バッジは弁護士としての身分証と同義であるため、このバッジを偽物本物問わず他人に見せる=弁護士と名乗ることは、弁護士でない者が行うのは違法行為となる。


八神は作中本編時点でも弁護士バッジを所持しており、他人にこれを見せて自身が弁護士である事を示すシーンが存在するため、源田法律事務所は退職し弁護士としての活動は辞めているが、弁護士であること自体はまだ辞めていない事になる。

(余談だが、弁護士は「弁護士活動中、弁護士バッヂはほぼ携帯、装着しており」「自分が何期生であったか」、「自分が何処の弁護士会に所属しているか」は必ず覚えており、問われればソラで言えるはずである為、仮に「弁護士バッヂがない」「何期生であるか」「何処の弁護士会所属か」を言えない、言わない場合、ほぼ間違いなく偽弁護士である。仮に適当を言ったとしても「何処所属の何期生」と調べれば名簿は一般人でも顔写真付きで閲覧できる為、疑わしい場合聞き出して、調べることをお勧めする。居れば無礼を謝ればそれでよし、だが言えない、該当する弁護士が見当たらない場合、速やかにはぐらかし警察を呼ぶのが得策)


本編の1年前(おそらく33〜34歳頃)、松金組事務所にて1億円強奪事件が起こり、当時電話番を務めていた海藤が若頭の羽村京平にケジメをとるように強要される場面に居合わせる。八神は、羽村の「指を詰めても破門」だという言い分をダシに松金に「海藤は破門」という決定を促し、それが「今この瞬間からである」という言質を取ると「指を詰めるのは極道のケジメ、海藤はすでにカタギだから指を詰める必要はない」と海藤を弁護。松金も同調し「カタギの指などもらえない」と突っぱねたため、海藤は指を詰めることなく松金組を抜けることになった。

(なお、この事件は松金組内の実権を握りつつあった羽村が、自分に唯一対抗し得る組内の有力者である海藤の失脚を狙った策謀であり、羽村は目的こそ果たしたものの顔に泥を塗られた形になったことで八神を嫌うようになる。)


その後は海藤を自身の探偵事務所の助手として招き入れ、二人三脚で経営を回すようになる。


JUDGE EYES:死神の遺言

2018年、当時35歳。

ある日、源田法律事務所からの依頼で「神室町眼球くり抜き殺人事件」の容疑者となった羽村を弁護するための情報収集を請け負うことになり、見事無罪を勝ち取ることに貢献する。

しかし羽村の態度から「羽村は真犯人を知っていて隠しており、自分らに明かさないまま体よく利用して逃げた」と見抜いた八神は、真犯人を「モグラ」と名付けて独自に調査を進めていく。


モグラを追っていく過程で、件の連続殺人が3年前の創薬センター事件と繋がっている事を知り、真実を追究する事を目的に強大な敵と立ち向う事を決意する。


相棒の海藤正治をはじめ、源田法律事務所の新人弁護士・星野一生、元窃盗団で通称「ジェスター」の青年・杉浦文也、海藤の元弟分・東徹、神室署刑事兼情報屋・綾部和也といった協力者と共に、殺人事件の真相と、その裏に潜む数々の陰謀に踏み込んでいく。


LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶

前作から3年後の2021年12月。38歳。

いつものように探偵業に勤しんでいたある日、横浜にて九十九と探偵事務所『横浜九十九課』を開業した杉浦から連絡を受け、彼らが依頼を受けたとある“大口の案件”を手伝ってほしいと頼まれる。最近は神室町での依頼が少なかったこともあり、後日、八神と海藤は二人の事務所のある伊勢崎異人町に足を運ぶことになる。


九十九たちに連れ添い対面した依頼主は、横浜の私立高『誠稜高校』の理事長・奥田雄三で、その内容は「校内でのイジメを調査し、内密に解決したい」というものだった。誠稜高校は生徒の数が600人以上も在校するため、九十九と杉浦の二人だけでは手に負えず、そこで八神たちにも助力を願い出たとのことだった。奇しくも昼間に誠稜生徒らしき不良グループに遭遇していた八神は、理事長への質問の返答にどこか歯切れの悪さを感じつつも、友人であり今や同業の後輩たる九十九たちの顔を立てることもあり、依頼を承諾する。


翌日、八神たち4人は作業員に扮して校内へ潜入し、設置した隠しカメラからイジメの実態を抑える。現場は女教師・澤陽子が受持つ2年2組で、ひとりの女生徒・香田真美が前日八神が遭遇した不良たち(松井・あかね・坂城の三人組)に囲まれ執拗な嫌がらせを受けていた。事前にイジメの深層心理について研究していた九十九の助言もあり、八神たちはイジメを抑止する妙案を立て、一時的ではあるが人知れず彼らのイジメを制止することに成功する。


この作戦中、八神の電話に着信があり、相手は弁護士時代の同僚・城崎さおりからだった。さおりはこのとき、神室町で起きた痴漢事件の裁判で弁護人を請け負っていたが、連絡前に行われた裁判での被告人(依頼者)・江原昭弘の発言により、数日前に異人町で発見された殺人事件の遺体が、失踪していた誠稜高校の教育実習生・御子柴弘であることが発覚したことを報告した。しかし、江原の起こした痴漢の時間帯は、ちょうど御子柴の死亡推定時刻と重なるため、江原自身が御子柴殺害への関与を立証できなかった。そこで八神にこの2つの事件の関連性を調査してほしいという依頼のために連絡したという。偶然にも件の誠稜高校に赴いていた八神も、さおりからの依頼を承諾し、失踪前日まで御子柴と接点のあった澤や香田、松井たちから話を聞くことになる。


無関係とおもわれた2つの事件と、その捜査の中で明るみとなっていく江原と御子柴を繋ぐ4年前のとある事件、それと合わせるように動き出した半グレ集団RKや司法の上層部など、新たな波乱に八神たちは身を投じていくことになる。


DLC追加シナリオ 『海藤正治の事件簿

源田の依頼人の離婚調停の手伝いで出張しており、直接の登場はない。

離婚調停に応じない旦那を追いかけて山の中に入り、熊と遭遇したり、

スワンボートで逃げた旦那をスワンボートで追いかける羽目になったりと、メインストーリーの様なシリアスな話というよりサイドストーリーのようなハチャメチャな事件になっている。


評価

作中で、大久保や寺澤の事で悩む八神に対し、源田は弁護士であった八神の父親がかつてマスコミに対して言った「弁護士の使命は真実の究明で無い、検察が人を裁くに足りる証拠を揃えたか、見極めるだけだ」という言葉を出して説教している。だが、八神は寺澤の死で自分がその理屈を受け入れる事が出来ない人間であるのを痛感したのであろう。彼が弁護士に復帰しない一番の理由はこれと思われる。

但し、ロストジャッジメントでは、あるシーンにて「検察が人を裁くに足る証拠を集めきっていない」ことを理由に検察側の主張を崩しており、源田や父親の弁護士としての価値観そのものは引き継がれているようである。

あくまで「それを信念として弁護士になる」事に納得がいかず、かつ「それに代わる信念を見つけられていない」のだろう


また、龍が如くシリーズの主人公たちが「仁義」や「任侠」を重んじるのに対して、八神はそれらに加えて「法」と「真実」を重視する価値観の持ち主であるが、ジャッジシリーズの全編を通して彼の正義が必ずしも正しいものとは限らないことが暗示されている。

実際、ゲーム本編での八神の行動は探偵と言う職業柄かなりダーティな行動が目立ち、不法侵入や盗撮・盗聴など本来ならば違法な行為に手を染めることがかなり多く、また場合によっては脅迫や拷問を行うことも厭わない。

極めつきには、基本的に向こうから仕掛けてくるので正当防衛に相当するとは言え、日常的に戦闘行為(ケンカ)=暴行を行っており、いわゆる「叩けば埃が出る身」である(『JUDGE EYES』では真犯人と知らずに守ろうとする一般人を、続編『LOST JUDGMENT』では相手側から襲い掛かってきたと言え、ただの高校生を薙ぎ倒すという過去シリーズの主人公サイドが遂にやらなかった禁忌を平然とやってのけてしまった)。


こうした自己矛盾は、『JUDGE EYES』では検事として対決する泉田の陰険な手段や証拠の故意の無視(隠匿)に訴えてでも有罪を狙う姿勢と対照され、『LOST JUDGMENT』では彼と対立する誠稜高校の人々や、「便利屋」の肩書で探偵同様の活動をする桑名仁との邂逅を経て、八神自身の持つ正義の不完全性として描かれてゆく。


総合すると、良くも悪くも「真実」という大義名分と目的の為ならば、道徳的、社会的正義を逸脱したどんな手段も取ることをいとわない人間であり、一歩間違えれば敵対者と同様に身勝手かつ強行的な正義を振り翳して暴走してしまいかねない危うさのある人物と言える。

八神が桐生とは違って単独行動をあまり行わず、相棒の海藤や杉浦、九十九、東、源田法律事務所の仲間たちと行動を共にしがちなのは、こうした暴走しがちな一面を自分でも自覚しており、自分にブレーキをかけてくれる存在を求めているからなのかもしれない。


余談

中の人ネタ?

直近のシリーズ作品である『龍が如く7』に登場した足立宏一(演:大塚明夫)、ナンバ(演:安田顕)と同じく、本項の八神も演者の木村拓哉のエピソードを連想させる描写が作中いくつか見られる。

  • 日本語での愛称は「ター坊」だが、英語版では「隆之(Takayuki)」に由来して「Tak(タク)」と呼ばれている。
  • ジャッジアイズのサイドケース(サブイベント)の一つ「ワイフのバースデー」では、街中で唐突に航空機パイロットの制服に着替えさせられ「今すぐにでも飛行機を飛ばせそう!」とおだてられて「そう?」と満更でもない様子。そして直後に話していた相手が八神にトラブルを押し付けて逃げると「ちょ、待てよ!」。2003年1月にパイロットの役で主演したドラマ「GOOD LUCK!!」を意識したネタと思われる。
    • 上記の「ちょ、待てよ」は音声無しだが、飛び去ったカツラや変態を追うなどコメディ要素の強いサイドケース中のチェイス中は音声付きで「ちょ、待てよ!」と叫んでくれる。なおこちらは文字で再現すると「ちょ・・・待てよ!」という具合に、タメは長めで、苛立たしげに発するのが八神流(必死に走りながらのシーンの台詞なので)。
  • 松金組事務所に潜入するため組員の一人・田代の一張羅を着用することになるが、彼の上着の背中には青いイナズママークが描かれている。
  • 神奈川県警の渡辺基祐との行動中、第三者から八神が「刑事」と勘違いされたことを渡辺に「ジーパン」とからかって呼ばれるが、八神は「光栄です。」と満更でもない様子を見せている。(木村は予てより松田優作のファンであることを公言している。)
  • ロストジャッジメントにて潜入することになる誠稜高校で、ダンス部部員たちの前でいきなりお手本のダンスを見せることになった際は、八神本人ですら「ダンスは素人なんだが……」と躊躇っていたにもかかわらず、なぜかプロ級のパフォーマンスを披露してまたたく間に女子高生部員たちの信頼を得てしまう。厳密な「八神隆之」のキャラクター設定だけを考えるとあり得なさすぎるご都合主義展開なのだが、これも木村拓哉がSMAPのメンバーとして披露してきた歌やダンスの芸能活動を長年観続けたプレイヤーたちの理解に訴える演出であろう。

カツラ疑惑

上述のカツラチェイス等で絡むカツラの持ち主、徳永が自分のカツラを別人(かなりコワモテ)のカツラと取り違えられてしまい尾行するストーリーがあるが、カツラの取り違えを主張する八神とカツラではないとしらばっくれる人物とで喧嘩になり、鎮圧後、本来のカツラを見せた時、殺気立っていたのが一転「そうかお前も同志だったのか、それならそうと言ってくれれば良かったのに」と友好的になられ、カツラ(茶髪)と八神の髪の色(黒)が違うのを見て「色を日によって変える、その発想はなかった」と妙に上機嫌になり本来のカツラを交換してもらう事になる。


当然八神は地毛なのだが徳永ともどもカツラと疑われることとなり心外そうにしていた。


関連イラスト

八神ジャッジアイズ_八神さん

審眼まとめジャッジアイズ


関連タグ

ジャッジアイズ ロストジャッジメント 神室町

探偵 弁護士 カンフー 元ヤン

海藤正治 杉浦文也 東徹 星野一生

源田龍造 城崎さおり 新谷正道

藤井真冬 綾部和也 九十九誠一


久利生公平…木村拓哉が演じた主人公。同じ法曹の立場や型破りな経歴設定という共通点はあるがあちらは検察官。ドラマの再放送では今作と連想する者もいて少し話題となった。


日車寛見少年漫画に登場する法に絶望した弁護士のキャラクター、裁判で無罪を勝ち取って一転、一切の新証拠なしで有罪にされた(有罪ありきの裁判だった)事と、つい先日まで無罪にしてもらえたこと、信じてもらえたことを喜んでいた筈の被告が、理不尽な判決を下した検事や裁判官ではなく弁護士の日車をまるで「裏切り者、嘘吐き」と詰るかのような目で見てきた事で法の全てに対する不信と怒りを爆発させ、その時の裁判官と検事を殺害してしまう。ある意味八神のifといえる。


成歩堂龍一別会社のゲームに登場する八神の父親や源田の言とは正反対の「検察が有罪の証拠を揃えたかどうか」ではなく「真実を追い求める弁護士」、事実彼は一度「自分に弁護を依頼した真犯人(厳密には殺し屋に依頼しただけだが委託殺人なので罪は罪)」の弁護を行い、それが判明した場合自身の敗訴を厭わず有罪を求刑している(最低限の弁護士の仕事として「殺人は」無罪として求刑する事もでき、その場合被告は直前に殺し屋への裏切りが判明している為、報復の恐怖から被告人自ら有罪を懇願し始める)。もしかしたら八神の理想の弁護士は彼のような「何があっても被告人を信じ抜き、真相を明らかにする」存在なのかもしれない。また彼には「自身が無罪にした被告が出所後事件を起こし収監された」経験はないが、彼の先祖には真実を明らかに出来なかった結果、「事件の真犯人を無罪にしてしまった」経験がある(直後、その真犯人は黒幕の手により焼死させられているが)。余談だが、『JUDGE EYES』にて、八神(と星野)が「異議あり!」と、ポーズ込みで発するシーンがあったりする。

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