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事実婚の編集履歴

2023-03-20 17:28:46 バージョン

事実婚

じじつこん

法律上は婚姻関係にないが、結婚しているのと差異がない状態の恋人関係のこと。

概要

事実婚とは、法的な婚姻関係にはないが、実際には結婚していることと差異がない状態の恋人関係をさす。


一般的に結婚とは、法律上婚姻関係となる二人が、両親(ないし、それに相当する保護者や親族)・両者の同意の下で婚姻届に署名し、提出することで成立するものである(法律婚)。しかし近年ではこうした形式的な婚姻関係に縛られない関係として、本形式が注目されている。

勘違いされやすいが、何らかの形で事実婚を証明さえできれば必ずしも同居している必要はない。結婚式および披露宴を行うのも自由である(法律婚をしても別居を選んだり式を挙げない夫婦がいるのと同じである)。


メリットとしては法的な婚姻関係にないことで、両者別姓でいられること、法的な拘束力が弱いこと、互いの同意があれば比較的に自由にいられることであろう。

例えば、研究者など姓を変更すると、事務手続きなどの面で『旧姓の自分と今の自分が同一人物である』と認識させるのが困難な職業もある。また、同じ職場で働いている場合に周囲が混乱する(特に学校の教員など)、芸名ペンネーム等屋号の変更がややこしくなるなど、職業上の問題を避けるために事実婚を選ぶケースも見られる。

また、「周囲に結婚したことが知られにくい」というメリットもある。例えば親や元の配偶者から虐待を受けて離れたが書類上絶縁できず、戸籍を動かさないまま=相手に結婚したことを知られないまま関係を結びたいというケースが挙げられる。


日本においては夫婦別姓論者が自分の主張を敢行するために事実婚を選んだり、現状では法的な婚姻関係の証明ができない同性愛者が事実婚という形をとったりする場合もある。同性愛者の事実婚の場合、法的には養子縁組という形を取ることも多い。

このほか、一度結婚を経験した者が、姓の変更等の手続きや再び離縁した時の煩雑さを嫌って事実婚に留める場合も多い。年配者同士だと、育児の問題もないため入籍を急ぐ必要もなく、事実婚状態をなんとなく長く続けている者も少なくないが、この場合は心境の変化や介護財産相続等の都合で入籍を選ぶ場合もある。また、個人的なこだわりや政治的思想のために入籍しない、という人もいる。


先述の同性愛カップルの例と同じく、法的な婚姻関係が取れない事情がある者が事実婚を選ぶ場合もある。

例えば当初実の親子と思っていた間柄の同士に血縁関係がないことが発覚した場合も、一度法的に「親子」となった場合は婚姻ができない。

その他三親等内は法的な婚姻関係が取れないため、成人同士の場合なら近親婚は事実婚の形しかない(片方が18歳未満の未成年の場合は合意の有無関係なく監護者性交等罪に引っかかるため事実婚も不可能である)。

この他、既に結婚していて、何らかの事情で夫婦の関係が希薄となっている人が、新たに恋人と家庭を築きたいものの、子供の存在や手続上の都合で離婚せずにいる、という場合もある。


無論、対外的に関係を証明しにくい故のデメリットも多く、法的婚姻関係を結ぶことで得られる既婚者への法的な援助や支援(扶養控除や遺産相続権など)を受けることができないこと、婚姻関係のない男女の間で子供(非嫡出子=いわゆる私生児)が生まれた際に、両者どちらの姓で出生を登録すべきかの問題、などが挙げられる。


日本と比較すると海外では事実婚をするカップルが多い。これは、日本と違い婚姻手続きのために金銭を支払わなければならなかったり、離婚する際の手続きが煩雑だったり、離婚のために必要な審議に日数がかかるなどの事情により、結婚をためらう人が多いことが原因と見られている。また、宗教上一度結婚すると離婚ができない為事実婚の状態が長く続く地域などもある。

イタリアなどローマカトリック教会の影響の強い国では、宗教的な概念から離婚調停のためにも様々な審査が必要で、むしろ結婚するより離婚する方が手間がかかるということさえある。

特にフランスでは政府が人口・経済政策の一環として、(異性・同性のカップルを問わず)事実婚関係を法的婚姻関係とほぼ同等に扱う『PACS』という制度を導入しており、多くのカップルに利用されている。


また、犯罪や何かから逃亡するために偽装結婚して戸籍上の配偶者が別にいる場合もある。


事実婚を公表している著名人

  • 福島瑞穂(政治家、弁護士)/海渡雄一(弁護士)
    • 夫婦別姓論者のため事実婚。娘の海渡双葉(弁護士)は「海渡」姓の方が個人的な好みという理由でそちらを選択している。
  • 神原元(左派活動家、弁護士。レイシストをしばき隊メンバーで同団体の顧問)/土井香苗(弁護士、左派活動家。ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表)
    • 理由は未公表だが事実婚。
  • 鶴保庸介(政治家)/野田聖子(政治家)
    • 結婚式までは行ったが、野田の姓を維持するため入籍しないままでおりその後別離。野田は現在の夫とは入籍して夫が改姓している。
  • 後藤久美子/ジャン・アレジ(F1レーサー)上記のフランスの事情。
  • 大塚英志(評論家、編集者、漫画原作者)/白倉由美(漫画家、ラジオプロデューサー、作家)
    • 双方のメンタルや性格的な理由から入籍していないことが大塚の著書で公表されている。
  • 西原理恵子(漫画家)/鴨志田穣(カメラマン)
    • 一度は入籍した仲だが鴨志田のアルコール依存症により離婚。その後鴨志田のアルコール依存症の克服と末期ガンの罹患により、入籍しないまま事実婚の形で復縁し彼の死去まで共に過ごした。
  • 西原理恵子/高須克弥(美容外科医)
    • 双方が以前の配偶者と死別して育児もすでに落ち着いており、互いに自立した関係を望むため入籍を望んでいない。
  • しみけんAV男優)/はあちゅう(ブロガー、フリーライター)
    • 現在は離別。
  • 才賀紀左衛門格闘家)/絵莉(ブロガー、インスタグラマー)
  • 加賀まりこ女優)/演出家
  • SHELLYタレント)/テレビカメラマン
  • 道端ジェシカタレント、モデル)/米国人プロデューサー
  • 萬田久子(女優)/会社経営者
    • 現在は死別。
  • 椎名林檎(歌手)/児玉裕一(映像作家)
  • 杉森茜(女優)/一ノ瀬文香(タレント)
    • 女性同士の同性婚であるため、現在の法律では事実婚しか選択肢がなかった。のちに破局。
  • 尾辻かな子(政治家)/木村真紀(社会運動家)
    • 上記の杉森・一ノ瀬と同様の事情。こちらも現在は破局。
  • 東小雪(元宝塚歌劇団・タレント)/増原裕子(社会運動家)
    • 上記の杉森・一ノ瀬と同様の事情。こちらも現在は破局。
  • 勝間和代(評論家)/増原裕子(社会運動家)
  • 映像ディレクター/水谷さるころ(漫画家)
    • 「法律婚が性に合わなかった」という理由で離婚して事実婚になったことを公表。
  • パレスチナ人活動家/重信房子日本赤軍テロリスト)
    • 重信は戸籍上同じ日本赤軍のメンバー奥平剛士と夫婦であるがこれは出国のための偽装結婚であり、事実上の夫はパレスチナ人の方。このため娘の重信メイ(ジャーナリスト)の本名も「奥平メイ」である。
  • 中野淳(NHKアナウンサー)/伊是名夏子(コラムニスト、社民党常任理事)
    • 当初は事実婚で、長男の出産に伴い入籍。その後、伊是名の政治的思想により戸籍上離婚し、事実婚の関係に戻った。
  • 一般人/石垣のりこ(政治家)
    • 一旦離婚して事実婚の形で復縁。
  • ACE(ラッパー)/charlu(ラッパー)
    • 理由は不明だが戸籍上は結婚したことがないとACEが公言している。その後ACEの金銭問題やDVモラハラにより離別し、charluが楽曲やMCバトルdisったり子供の養育費をもらっていないことを暴露するなど険悪な関係となっている。
  • 野田秀樹(劇作家)/大竹しのぶ(女優)
    • 現在は別離済みで、野田の方がトークなどで「元内縁の夫」とネタにしている。
  • RYKEY(ラッパー)/紅蘭(女優、タレント。草刈正雄の娘)
    • 紅蘭の弟(元ズットズレテルズのドガットカット)が若くして亡くなったため、「草刈」の姓を残したかった紅蘭の意向により事実婚。RYKEYが暴力事件を起こしたことなどで離別。
  • ELLY三代目JSOULBROTHERS)/MEGBABY(モデル、インスタグラマー)
    • 理由は未公表だが、双方の話し合いにより事実婚を選択。
  • 火野正平(男優)/一般女性
    • 火野は当初別の女性と結婚し、子供も生まれたがその後離縁している。前妻にあたる女性の要望もあって、籍を抜かないまま現在の妻にあたる女性と事実婚関係に至った。なお、現在の妻との間の子供は「認知」という形になっている。
  • コムアイ(元水曜日のカンパネラ)/太田光海(映画監督)
    • 双方の主義(夫婦別姓推進主義等)により籍を入れないことにしたと公表。

フィクション上の事実婚夫婦

事実上の近親婚描写としてフィクションではよく使われる。



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