概要
糸杉柾宏による漫画作品。「チャンピオンREDいちご」に連載された、近親相姦を主軸に同性愛、露出癖、浮気などの性のタブーをテーマとした作品。裏表紙には禁忌とされることに対する疑問の台詞が煽り文句として書かれている。
作者の糸杉は元はエロ漫画家(今も似たようなもんだが)で、これ以前にも金髪ショタと黒髪の姉が登場する近親相姦ネタの読切漫画「お姉ちゃんのお願い」を執筆している。というかたぶんこれがプロトタイプ。
大胆な性描写(あの河原木志穂が「さすがに気持ち悪い」と漏らした程)にもかかわらず、成人マークがついていなかったが、2011年(平成23年)4月14日、東京都と出版倫理協議会・出版倫理懇親会との会合において、規制対象になることがほのめかされたため、物語は急ピッチで打ち切りとなり、最終巻の6巻は初版のみで事実上の絶版となった。ただし作者のコメント曰く、問題視されたのは性描写そのものではなく題材が近親相姦であった事の方であったとのこと。そりゃそうか。
糸杉はいまだに本作に未練があるらしく、朝日新聞が表現規制問題について触れた際には「(打ち切りは)私にとって死刑宣告に等しいものだった」と吐露している。
ただし、OVA版はフツーに販売されており、年齢制限なども一切ない(それはそれでいいのだろうか…)ためレンタルビデオ屋などで簡単に視聴可能で、2018年にマンガ図書館Zで電子書籍化された際にも一般向けカテゴリに位置付けられて配信されている。
作品解説
あらすじ
気弱な美少年、葵ソラは母親と姉のアキ、双子の妹のナミの4人家族。
姉のアキをいつしか異性として意識するようになっていた矢先、同じ想いを抱いていたアキに誘惑され一線を越える。
同級生の澄弥可奈や、可奈に屈折した愛情を抱くナミをはじめ、クラスメート等の女子達ともなし崩しに関係を持つはめになり「いけないこと」が何なのかあやふやになっていくソラ。
しかしそんな中長らく姿を消していた父親の登場により、実は葵家の3姉弟は近親相姦のはての子だったという葵家の秘密が明かされ、ソラとアキとの関係も断たれる。ソラの決断は…
登場人物
葵家
名前は不明。実母の双子の妹。仕事が忙しく留守がちで、アキとソラの関係に長らく気づかなかった。
姉の事故死後、アキの願いもあり実母の死をソラ、ナミに悟らせないように亡き姉とすり替わる形で3人の養母となっていた。
結婚もせず仕事一筋に生きてきたため最初は姉の心情を理解できなかったが、3人を引き取って以降は子供達との生活で心境の変化が起きており、自身の正体をソラ・ナミに知られる日が来るのを覚悟しつつも恐れる心情にもなっている。結果的に面倒ごとを引き受ける羽目になった弟のことは彼自身の苦しみも理解しているため恨んではいない。
- 「葵家の母親(実母)」
名前は不明。養母の双子の姉にあたり、姉妹は区別がつかないほど顔がそっくり。その下の実弟との間にアキら3人の子をもうけたが弟が後述の事情で去ったため一人で子供達を育てていた。その後交通事故で死亡、妹が彼女と掏り替る形で三人の子を引き取った。
- 「葵家の父親」
名前は不明。アキと同じ黒髪。無愛想で薄情に見える態度で、突如終盤現れたためソラやナミには嫌われている。
実は彼らの実母・養母達の実弟。長姉と結ばれアキら3児をもうけたものの、周囲からの風当たりは厳しく、姉や子を守るため長らく姿を消していた。 強引に見える態度は何でも自分1人で背負い込もうとする性格の裏返しであり、姉との関係により周囲から疎外されてきたため、同じ思いをさせたくないという親心からアキとソラの関係を知った際に二人を強引に引き離し、今までの罪滅ぼしの意識もありアキを遠方の名門校に入れた。登場時は既に末期の病であったためやがて入院の身となり「家族ごっこがしたかったのは自分の方」とつぶやいていた。それから長く持たず病死したが、その葬儀に参列したのはアキら3人の子と次姉(葵家の養母)のみであった。
その他の登場人物
ソラの級友で、ナミの親友の少女。眼鏡を掛けたおとなしい少女で、常に丁寧語で話す。アキ以上の爆乳。
ソラの友人。ピンク髪をポニーテールにした美少女だがとんでもないビッチで露出ヘキのあるインモラリスト。
アニメ版
初代アニメ
1巻の1話と3話をモチーフにしたアニメ。単行本3巻の初版の付録として付属。勿論皆様の一番見たいであろうシーンもバッチリ描かれている。あと、キャラデザがいかにもアニメチックなデザインになっており、アキの胸が必要以上にデカい。
OVA『夢の中』
声優は変更されているが、初代アニメの続編として制作された。全2巻であり、初代アニメでは触れられなかった暗部を描き出している。内容としては単行本第2巻まで。勿論これも(ry。
さらに、ナミが可奈に対する思いをソラに聞き出した際に「鈍感総理大臣!」と、OVA発売時の時事ネタを示唆したブラックな台詞がある。
担当CV
以下、左が初代、右が『夢の中』のCV。