概要
1964年生まれ、高知県出身。
高校を退学になった後に大検を受けて美大受験を志し、そのかたわらカット描きの売り込みをはじめる。
武蔵野美術大学在学中から成人向け雑誌等のカットイラストを描いていたが1988年『ちくろ幼稚園』(ヤングサンデー掲載)でデビュー。
独身時代はギャンブルネタの作品も多く手がけていた。
その後漫画にとどまらず、エッセイやTVのコメンテーターなどでも活躍。
戦場カメラマンの鴨志田穣と結婚し2児をもうけるが、彼のアルコール依存症が元で離婚、しかしその後も彼のサポートを続け、依存症を克服した彼と未入籍状態ながら復縁したものの間もなく死別する。
これらの経験から依存症についてのコメントもメディアでたびたび行っている。
幼少期から家庭環境的に浮き沈みの激しい生活を送ってきた経験から、女性も経済的に自立すべきという主張を強く持つ。
近年は美容外科医院チェーン・高須クリニックの理事長であり、タレント活動も行う医師・高須克弥との交際を公にしている。その交際をネタにした作品や2人での仕事もあり、公私とも事実上のパートナーとなっている。
作風
ラフに描き殴ったような画風で、時に毒舌なレポートやエッセイ風の作品も多いが、叙情的なもの、人情を描いたものも多い。
あらゆる作品で家族を、比較的肯定的に描く。
「人間の屑をどう描くか」というスタンスに、イエス・キリストとの類似性を指摘する説もある。
実娘との関係
2022年5月、西原の実の娘である鴨志田ひよ(『毎日かあさん』では「ふみ」、西原のエッセイなどでは「ぴよ美」として登場)が、これまで非公開であったTwitterアカウントとブログを公開。
ブログ(Twitterアカウント公開より1〜2年ほど前に投稿された記事)では「母(西原)から精神的・身体的な虐待を受けていた」「いじめなどが原因で不登校になった」「母からは暴言を吐かれ、『ブスだから』という理由で整形を強要された」「リストカットなど自傷行為をしており、精神科への通院もした」など、西原を「毒親」であると告発する内容が娘側の視点から綴られており、「お母さんは、私が泣いて嫌がっても作品に描いた」「なぜ書いて欲しくないと言ったのに、私の個人情報を世間へ向けて書き続けたのか」と、自身の容姿や本名、心の病さえ漫画のネタにされ、長年にわたり苦しんできたことや、兄(西原からすれば息子)は溺愛されていたのに自分は全く違う扱いを受けたことなどが主張されていた。なお、息子の方も言葉は少ないが西原に対して意味深な事を言った事もある他に、高須と母の交際はあまりよく思ってなかった様子。
なお、父である鴨志田穣のことは慕っており、鴨志田姓を名乗っているのも父への愛情からであることを語っている。
この告発はTwitterなどで大きな反響を呼び、各ネットメディアでも取り上げられた(また、5ちゃんねるなどの掲示板では鴨志田ひよが個人で活動を始めた時期からある程度状況を認識しているユーザーがいたが、あくまで静観という形に留まっていたという証言がある)。この反響に関しても「毎日かあさん」あたりからの読者の反応と昔からの読者の反応とおおよそ二分化されており、前者ではやはりショックを受けた者も多かった一方で後者は「あの西原の性格だったらありえないわけではない」「最近の作風で隠してきた本性がようやく表に出てきたな」といったような冷静な意見もあった。
さらに、西原と親交があった作家の生島マリカも本件に反応し、西原から当時中学三年生であった娘を「反抗期が酷いのでしばらく面倒を見てやってほしい」と預けられ、概ね上記のような親子関係であったと認め、娘の通院にも付き添ったことなどを自身のTwitterに書き連ねている。さらに、この告発を行った自身に対しなんらかの圧力があったこと(具体的には、ある作家との対談が中止となったことなど)を公言している。
なお、ブログには西原とは少なくとも二年程会話すらしていないことが綴られていたほか、西原自身も2017年8月に当時16歳の娘から「お母さんなんてキライ」と言われた日から口をきかずに半年の月日が経過していると述べている。その以外にも娘の「反抗期」はそれとなくネタにしており、『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(2017年6月2日出版)は「“反抗期”で何を言っても耳を貸さない娘のため」に書いたものであるとしていた。
西原は本件に関して現在のところは沈黙を貫いている。
この事態に関連して田中圭一の漫画家の子息へのインタビュー漫画「ペンと箸」では基本漫画家本人は不在で子息に聞くという体裁なのだが、ペンと箸第5話 西原理恵子の回では西原が同席の中で行われた様子。何故西原が同席したのかは不明だが、暴露の一件で一部からは「子供達(特に娘)が余計な事を言わないように監視目的で同席していたんでは?」と疑われている。
代表作
ヤングサンデー(小学館)にて1988年から1994年まで掲載された。かわいらしい絵柄とは全くそぐわない毒まみれな内容は多くの読者を震え上がらせた。
- ぼくんち
1995年から1998年までビッグコミックスピリッツ(小学館)にて掲載された。一見素朴、しかし実はとんでもない魔窟と化した田舎で、ひとりの少年が、たくましくも心優しく、そしてまっすぐに生きていく様子を描く。連載中に文藝春秋漫画賞を受賞した。さらに映画化もされている(主人公の姉を観月ありさが演じた)。
- この世でいちばん大事な「カネ」の話
タイトル通り金にまつわる自伝エッセイ、なのだが、実は元々の版元が経営破綻したばっかりにこの本の印税がもらえなくなってしまったことがある。また、山田優主演・タイトルを「崖っぷちのエリー~この世でいちばん大事な「カネ」の話」に変えた上でテレビドラマ化され、朝日放送ホスト・テレビ朝日系列24局で2010年7月から9月まで放送された。ただし全10回の予定が視聴率が悪かったばっかりに9回で打ち切られてしまった。最終回には西原もエキストラとして遊びに来ている。
- りえさん手帳
「毎日かあさん」終了から3ヶ月のブランクを経て、2017年10月から毎日新聞月曜日朝刊(新聞休刊日の場合は前日の日曜日)に掲載されている漫画エッセイ。いかにもおばさんな風体のりえさんという女性が大暴れする。
二次創作
pixivでは彼女の絵のタッチなどを真似たアニメキャラなどのダブルパロディイラストがちらほらアップされている。
関連タグ
吉沢やすみ:長年明かされてなかった私生活においての漫画家として致命的な状態かつ機能不全家族状態が実娘から暴露された漫画家。