「まあまあそんなこと言わずに 姉さんはしのぶの笑った顔が好きだなあ」
「きっかけさえあれば人の心は花開くから大丈夫」
CV:茅野愛衣
概要
胡蝶しのぶの姉。
鬼殺隊の一員だったが、鬼の手に掛かり殉職した。享年17歳(生きていれば、冨岡義勇・不死川実弥・伊黒小芭内と同い年)。
作中では既に故人である為に、基本的には伝聞や回想でのみの登場となっている。
また、しのぶが常に身に着けている蝶の羽を象った羽織とカナヲの髪飾りは、生前の彼女の形見である。
人物
花の呼吸の使い手であった女性剣士。長い髪に、頭の左右に桃色の蝶の髪飾りをつけた美女。
とても朗らかで、おっとりした天然で心優しい女性だったらしい。竈門炭治郎と同様に「鬼は哀れで悲しい存在である」と考えて、今際の際ですら哀れんでいたとの事である。ある種の聖人的な気質の持ち主。しのぶが常に笑顔を絶やさずに「鬼とも仲良く」という夢を(あくまで表面上は)掲げているのも、彼女の意志を引き継ぐ為である(生前の彼女の言動をなぞろうとしている節もある)。
一方でカナエを始め、周囲の大切な人達を鬼に奪われ続けたしのぶは、境遇は同じでも姉とは対照的に最早消える事の無い怒りと憎しみを鬼に対して抱えており、故にこのカナエの相反した理想は、皮肉な事に結果としてしのぶを苦しめる事となってしまった。
生前は柱だった事が、168話の不死川実弥の回想で判明した。称号は「花柱」。
華奢ではあるが、しのぶとは違い上背があった為に彼女よりも腕力があり、優れた剣士になり得たらしい。
アニメ第25話によると、しのぶの物と鍔の形状が似た日輪刀を使用していた模様(当然、彼女の日輪刀は普通の日本刀型である)。
後に花の呼吸を継ぐ事になった栗花落カナヲを妹と共に引き取り、心を閉ざし一人では何も決められないカナヲに銅貨で行動を決める方法を与えた本人。提案した際にしのぶには難色を示されたのだが、「そんなに重く考えなくていいじゃない カナヲは可愛いもの!」と理屈になっていない答えを返していた。
勿論、ただ優しいだけではなく、鬼殺隊の柱の名に違わぬ確かな強さと厳しさも持っており、しのぶやカナヲ達を始め自らの大切な人を傷つけようとする者には容赦しない。
姉妹で出かけた縁日で、かつて自分を売ろうとした人買いに遭遇し再び攫われそうになったカナヲと、それを止めに入ったしのぶ達の前に遅れて現れ、近くの露店にあった担ぎ棒を借りて易々とフルボッコにした上で「今度カナヲやしのぶ達の前に現れたら容赦しない」と厳しく断じて撃退させたことが、ドラマCD「胡蝶三姉妹の夕べ」にて明らかにされた。
(当然というべきか、妹達を傷つけたことに余程怒りを覚えていたらしく、人買いの男をボッコボコにしている時はいつもののほほんとした調子だったが、最後に追い払う際に発した台詞は普段の穏やかな口調の彼女からは想像も付かないほどドスの効いた低い声であった。)
過去
幼少期に両親を鬼に目の前で殺されて、危うい所を悲鳴嶼行冥に助けられた。その後は「自分達と同じ思いを他の人にはさせない」という決意を胸に、妹・しのぶと共に鬼殺隊へと入隊する。
ただし、彼女個人は「人だけでなく鬼も救いたい」という思いも持っていた。炭治郎ですら鬼を救いたいという動機で入隊はしていない事を考えれば、いかに彼女の考え方が異端であるかが分かるだろう(実際に悲鳴嶼からも「本気で言っているなら正気とは思えない」と評されている)。
その後は、二人で悲鳴嶼の元を訪れて彼に鬼殺隊に入る事を望んで食い下がり、彼女達を追い返す為に課された試練をしのぶと共に突破した事で悲鳴嶼に認められ、彼から紹介された育手の下で別々に修業を行った。二人は最終選別で再会し、無事選別を突破して鬼殺隊に入隊した。
妹のしのぶとの絆は非常に深く、命を落とす直前に妹には「鬼殺隊を辞めて、普通の女の子の幸せを手に入れてお婆さんになるまで生きて欲しい」という本音を言い遺している。また、蝶屋敷のカナヲを初めとした少女達からも実の姉のように慕われていたらしく、彼女達が身に着けている蝶の髪飾りは全てカナエから貰った家族の証である。
キメツ学園
17巻でキメツ学園での設定が明かされた。学園では生物教師と華道部の顧問を務めている。キメツ学園の卒業生であり、在学中の3年間はずっと学園の三大美女に選ばれていた。
その美しさとおっとりとした人柄の成せる業か男女問わず人気がえげつないらしく、彼女を悪く言っていた人も実際に話すとデレデレになるとの事である。
同じ教師で数学担当の不死川実弥とよく話していて、彼女のファンの間で彼の殺害計画が練られたそうだが、諸事情によりあえなく立ち消えた。
霊能力があるようで、御札を壁に投げつけたり「臨・兵・闘・者……」と何かを唱えている所を目撃されている。外伝小説では宇髄らを連れて学校に出没するとある妖怪達を除霊した。
本編では炭治郎と面識はなかったが、こちらでは対面を果たしている。
「キメツ学園!」では第一話より登場。やらかした教師や生徒のフォローに回ることがある。高等部に現れる怪異を倒せる御札の製作者(現在はコピー機で複製している)
余談
公式ファンブック鬼殺隊最終見聞録・弐によると、悲鳴嶼からみて実弥は「カナエが好きらしい」と推測されている。悲鳴嶼は年長者故観察眼に長けており、実弥も恋愛方面はかなり鈍い為自身の気持ちに気づいていない可能性もあるが、実際の所は不明。
一方カナエは実弥のぶっきらぼうで誤解されやすく、行動するまでが速すぎる部分を心配していた。
関連イラスト
関連タグ
妹
主人(鬼殺隊当主)
産屋敷耀哉(97代目当主)
柱(生存当時)
関連・類似キャラクター
- アリス・シンセシス・サーティ…中の人繋がりで花に縁がある女性剣士。ただし性格や口調はカナエとは異なっており、どちらかと言うとこちらの彼女の方が(こちらも活発な性格ではあるが口調はカナエと同じ)カナエに近いかもしれない。因みに作中では出会っていないので関わりがないが、しのぶと中の人が同じヒロインも同作で登場している。さらには主題歌の歌手も同じであり、アニプレックスが関与している共通点もある。
- 保登モカ…中の人繋がりでおっとりとした姉キャラ。こちらの妹もまた彼女に強く影響している。なお、しのぶの中の人は別のキャラクターで、カナヲの中の人はまたもや別のキャラクターを演じている。
- 店長(ジャヒー様はくじけない!)…中の人繋がりでおっとりした姉キャラ。こちらも普段は温厚な性格であるが、怒らせると怖い。
ネタバレ注意
以下、終盤の内容を含む為、原作未読者注意
無限城でようやく姉の仇と相対し、それまで心に押し込めていた憤怒と憎悪を剥き出しに毒の刃を振るうも重傷を負わされ心が折れかけたしのぶの前に現れ、「しっかりしなさい 泣くことは許しません」「しのぶならちゃんとやれる 頑張って」と叱咤激励した(これが幽霊かしのぶの幻覚かは定かではない)。
童磨戦終結後は、魂となってしのぶと共にカナヲを労った後、天国で両親との再会を果たした。
最終回では彼女としのぶに容姿が良く似た姉妹が二人で「鶺鴒女学院」という女子高に通っている。