プロフィール
来歴
高校は野球部に所属。
立命館大学のプロレス研究会(いわゆる学プロ)から3度目の入団テスト受験で新日本プロレスに入団。
(大学時代は掛け持ちで体育会レスリング部にも参加していた。)
1999年にデビュー。一時、鈴木健三や佐々木健介と『スウィング・ロウズ(SWING-LOWS)』を結成しタッグを組んだ事もある。
後にWWEへ渡る中邑真輔とは、同世代のライバル同士として売り出されていた。後輩でありながら自分に無いものを多く持っている中邑は、棚橋にとって羨望の的であり大いに対抗意識を燃やしたようだが、一方で「中邑の方は、言うほど僕を意識してはいなかったのではないか」とも語っている。
順調に知名度を上げつつあった矢先の2002年、現夫人と二股をかけていた浮気相手だったタレントの女性に痴話喧嘩のもつれから刺されて重傷を負う。強靭な肉体が幸いして命はとりとめたものの半年の欠場を余儀なくされ、父親が新日上層部に頭を下げて詫びる事態に至った。
この件で調子に乗っていた自分を反省した棚橋は再起のチャンスを与えた新日への恩返しを誓い、プロレスを盛り上げるため、自らのパフォーマンスにも磨きをかけていくことになる。
この件もあって、プロレス低迷期には精力的に全国を巡り、広報活動を展開。平成後期のプロレス人気の復活は、彼の尽力によるところも大きいと言われる。
2010年代後半以降は自身の怪我や新世代の台頭により低迷する時期も増加したが、その度に引退説を払拭するようなファイトを展開してはタイトル奪取を成し遂げており、新日本プロレス本隊、ひいては団体のエースの名に恥じない戦いを見せている。
タイトル関連
2006年の札幌大会で悲願のIWGPヘビー級王座を初載冠。5度目の戴冠時は、2012年1月4日の同大会で鈴木みのるを破ってV11を達成し、永田裕志が有していた最多防衛数を塗り替えた。同年2月に当時新鋭だったオカダ・カズチカに破れV12は逃したが、2021年にIWGP世界ヘビー級王座が新設されるまで、歴代最多戴冠回数8回を記録した(連続防衛数および通算防衛記録は、オカダが更新している)。
得意技
コーナーポストからのフライングボディプレスの「ハイフライフロー」や、首にドラゴンスクリューをかけるような技である「ツイスト・アンド・シャウト」、旋回式フライング・ネックブリーカー・ドロップの「スリング・ブレイド」が得意技。どの技にも状況に応じて変化を加える『バージョン違い』がある。
他にも、フライング・フォーアーム、トゥエルブ・シックス、テキサスクローバーホールド等を使用する。特にテキサスクローバーホールドはステップオーバー後の相手への体重の掛かり方がえげつない。
ジャーマン・スープレックスは出身地の岐阜から『金華山ジャーマン』の別名がある。
ドラゴン・スープレックス・ホールド、ドラゴン式張り手(普通の張り手よりもモーションが素早い)、ドラゴンスクリュー、ドラゴン・ロケット、ドラゴン・スリーパーなど元々は藤波辰爾が使用していた技(ドラゴン殺法)も使う。
プロレス暗黒期には、「プロレス=危険で怖い競技」というイメージを払拭しようとしており、堅実な技を試合運びで魅せていく藤波スタイルは、まさにうってつけであったとのこと。
人物像
- 上記の通り、自らを「新日本のエース」「100年に1人の逸材」と称しており、試合後には「会場の皆さん、愛してまーす!」と叫ぶなど、ともすればナルシスティックとも言えるパフォーマンスを売りにしている。
- 一方本人は、団体王者としてはやや低めな身長に劣等意識を抱いてもいた。元は「太陽の天才児」というキャッチコピーが使われていたが、そうした理由から、子供っぽさを感じるキャッチコピーに抵抗を感じたため、「100年に1人の逸材」という自称を考えついたという。
- 自称、「生まれてから一度も疲れたことがない男」。現実には多忙も祟って、体にいくつも古傷を抱えているのだが、この言葉とファンの声援を胸に、何度も立ち上がりリングへ舞い戻っている。ちなみに、彼に対して『お疲れ様です』と言うと、『ありがとうございます……でも、疲れてません。生まれてから一度も疲れたこと無いです』と答えてくれる。
- 立命館大学卒業というインテリレスラーでもあり、クイズ番組への出演も珍しくない。当初は中退してでも新日本に入団しようとしていたが、長州力から「大学は卒業しておけ」と止められたため、現在に学歴が活きることになったという。
2019年からはCBCの夕方ワイドニュース・情報番組『チャント!』の金曜レギュラーとして『週末 愛してまーす!!』のコーナーを担当。
プロレス低迷期時代の経験から、「広報の成果は三年後にあらわれる」「三年後に人気を衰えさせないためにも、まだまだテレビ出演はやめられない」と考えており、未だに一日4時間睡眠という、多忙なスケジュールで動いているとのこと。
- 人前で喋ることが多い一方、微妙に滑舌が悪いという弱点も抱えている。マイクパフォーマンス中に噛んでしまうことも珍しくなく、特に後述した映画出演の際には、徹底して滑舌を矯正されることになった。
- その他上述したような高学歴の割に、意外と天然ボケな一面もあり、コミカルな役割が回ってくることもままある。
- 2020年にクリス・ジェリコと対戦した際、彼からの挑戦状への意趣返し的な動画を撮影したのだが、二回りほどクオリティの低い悪ふざけレベルの動画になっていた。こんなものを東京ドームの大舞台で流して、笑って許してもらえるというのも、ある意味で彼が築いてきた人徳の証なのかもしれない。
決め台詞
「(○○)の皆さん、愛してま〜す」
「俺の進化が止まんねぇ〜」
「まぁ俺のカッコ良さは反則だけど」
「さぁ、お前の罪を数えろ!」
「○○にキター!!」
俳優として
テレビで顔が売れていることも手伝ってか、ドラマや映画に俳優として出演することもある。
前述した仮面ライダーシリーズにおいても、仮面ライダーGIRLSの曲や仮面ライダーウィザードの主題歌のPVに自ら出演したこともあった。それ以外の特撮では、牙狼シリーズにてゴウキ役として黄金騎士ガロに変身したこともあり、地味に歴代最古の牙狼となっている。
そして2016年の劇場版作品『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』にて、念願の「仮面ライダー」作品への出演を果たすことに。
これはプロレスファンを増やしたいという意図にも合うものであったらしく、下手をすれば一度も見る機会がない子供達が、プロレスを知る最初のきっかけになればと考え、オファーを受けることになった。
演じた役柄は、敵の首魁Dr.パックマンの仲間である来瀬荘司/ロボルバグスター。
2018年9月には、遂に自身の主演映画が作られることになる。
板橋雅弘原作・吉田尚令作画の、同名の絵本を原作とした「パパはわるものチャンピオン」にて、主人公・大村孝志を演じることが報じられた。
「チャンピオンになれば映画にも出られる。プロレスをそういう夢のある仕事としてアピールしたい」と、本人は語っている。
奇しくも2018年の棚橋は、手足の大きな負傷によって、映画の孝志と同じく体力的な壁にぶち当たることになった。
あるいは、映画でオカダと戦う棚橋の姿には、現実のレスリングどんたくでの姿と被る部分も見られるのかもしれない。
関連タグ
新日本プロレス プロレスラー さぁ、お前の罪を数えろ! 牙狼<GARO>~阿修羅~
カードファイト!!ヴァンガード:彼をオマージュしたカード「逸材 ライジング・ノヴァ」が存在する他、彼自身のカードも存在、後にアニメにも登場。
- タイガーマスクW:2016年秋アニメで放送される、こちらの作品にも本人役として出演する。なお、キャストに関しては棚橋本人ではなく鈴村健一が担当する。
- レイザーラモン:お笑いコンビ。棚橋にとってレイザーラモンRGは大学プロレス研究会の先輩。レイザーラモンHGは学生時代のライバルで同学年(同志社プロレス同盟所属)。
- ラース・アレクサンダーソン:鉄拳と新日のコラボにて棚橋弘至コスを模したラースの衣装が配信され、棚橋も期間限定でヘアスタイルとリングコスをラースに似たものに変更している。ちなみにこの衣装を着けるとラースの攻撃技に棚橋の得意技『スリングブレイド』が追加される。