概要
漫画『鋼の錬金術師』の日本における実写映画。
全3作。
第1作
アニメの展開が第2期の映画『嘆きの丘の聖なる星』で一段落してから、実に6年後に公開された初の実写化作品。
物語はほぼ完全なオリジナルであり、全体の流れを大まかに言えば原作第1話のリオールの話からホムンクルス・ラストを倒す辺りまでの話を、多数改変して短縮したエピソードである。一作に物語を纏める為に全体的な物語や設定の改変も多く、各キャラクターの設定も一部変更されている。また、アニメ第1作の設定も一部使用されている。
キャスト
エドワード・エルリック - 山田涼介(幼少期:髙橋來)
アルフォンス・エルリック - 水石亜飛夢(モーションアクター兼声優、幼少期:星流)
リザ・ホークアイ - 蓮佛美沙子
グレイシア・ヒューズ - 原田夏希
ニーナ・タッカー - 横山芽生
トリシャ・エルリック - 平田薫
評価
一言でまとめると、かなり悪い。
演者と原作キャラのミスマッチ感や、各エピソードや設定の変更による突っ込みどころの続出、また一部の演者の演技の酷さ(特に批判を集めたのがウィンリィ役の本田翼。元々彼女には演技力に関する指摘が以前から多かった。)などから、人気漫画実写化作品としては久々に現れた地雷として、原作ファンからは烈火の如く叩かれて一部炎上した。
ストーリーは単独映画として尺に収める為の改変が激しく継ぎ接ぎな部分も多いので、原作未読勢が初見で話に着いていくのは難しく(原作ファンですら一部置いてけぼりにされる程である)、その為に純粋に一本の映画作品として見に来た映画ファンからも批判が続出した。
ただし、一部演者のファンからは好意的な意見も寄せられており、特にグラトニー役の内山信二氏と、エンヴィー役の本郷奏多氏については、原作ファンからも評価は高い。
作者自身も「B級映画好き」を公言するだけに、「これはこれで楽しめた」と一定の評価を示している。
しかし最終的には映芸の季刊誌「映画芸術」にて、2017年の日本映画ワースト10の第5位に選ばれてしまった。
犬達の悲喜こもごも
また、実写化が決定し、ポスタービジュアルが発表された際に絶賛されたブラックハヤテ号が映画本編に出てこなかった事にも批判が出た。
タッカー家の愛犬アレキサンダーは横山芽生演じるニーナと共に「とても可愛い」「一番良い実写化」と評判を得ている。
なお、例のキメラの出来はショウ・タッカーと実写化スタッフに本気の殺意が沸く出来であることは記載しておく。
第2,3作
原作20周年記念プロジェクトの一環として、前編『復讐者スカー』が2022年5月20日、後編『最後の錬成』が6月24日に二部作連続公開された。
曰く「原作最終話まで描かれる」とのことだが、上記のようにストーリーや設定が大幅に改変されていることもあって、ネット上では早くも不安の声が優勢を占めていた。
なお、結果は前作と同様大惨敗。2作合計で興行収入約5億円という散々な結果で終わってしまった。
ストーリーは1本でキリの良い所まで完結させなければならず改変を余儀なくされた第1作とは違い、基本的に原作通りで進行するがそのスピードはRTAがごとくほぼダイジェストであり、それでも前編『復讐者スカー』は1作目では存在ごとカットされたスカーを中心とする事でまだ初見の方にも理解しやすかったが後編『最後の錬成』はもはや原作を片手に見ないとストーリーの理解が困難なレベルである。
追加キャスト
メイ・チャン - ロン・モンロウ
マイルズ - 平岡祐太
バッカニア - 丸山智己
イズミ・カーティス - 遼河はるひ
サラ・ロックベル - 奥貫薫
キング・ブラッドレイ - 舘ひろし(特別出演)
ヴァン・ホーエンハイム / お父様 - 内野聖陽(一人二役)
奴隷23号 / お父様(完全体) - 山田涼介(一人三役)
ノックス - 杉本哲太
ブラッドレイ夫人 - 堀内敬子
クセルクセス王 - 品川徹