概要
1989年3月14日から同年12月19日。日本テレビ系列にて放映。総集編含めて全44話。
日本でのトランスフォーマーシリーズのTVアニメ5作目にあたり、日本独自展開としては『ヘッドマスターズ』『超神マスターフォース』につづく3作目となる。シリーズでは平成に入って初めての作品、かつ日本テレビで放送された最後の作品である。
原点回帰を図りエネルギー争奪戦を主軸とした一方、総司令官とは別にメインキャラクターが位置づけられた前2作(それぞれクロームドームと剛秀太が該当)と異なり、スターセイバーが完全な主役を担う。とはいえ、秀太に相当するキャラ(南風ジャン)も存在しており、スターセイバーを通して生きていくために大切なことを学んでいく、といった展開となっている。
ヒーロー然としたサイバトロン戦士をはじめ、日本のロボットアニメらしい作風から今でも根強い人気がある。上記のセイバーとジャンとの関係も人気の要因となっており、それらが後に勇者シリーズの原型となったことでも知られる。
『勝利』の意味
本作では『勝利』とは一体何を指すのか、と言う課題を挙げている。
例えばダイノキングが闘いに敗れ火口へと落ちそうになった際に、スターセイバーが手を差し伸べ助ける、といったエピソードがある。
これは『相手を倒すだけが勝利ではない』というスタッフのメッセージであり、本編ではそのことを深く掘り下げることで『真の勝利』の在り方を描こうとしたのである。
よって、本作では珍しく戦死者が少なく、最終回でもデストロンを壊滅させるのではなく、和解による結末を迎えている(コミカライズ版ではそれが顕著となっている)。
ストーリー
マスターフォース戦争終結後、完全な超ロボット生命体へと変化したゴッドジンライと邪悪なオーバーロードの戦いは、舞台を宇宙に移していた。
サイバトロン本部では、再び力を付け始めるデストロンの脅威に対抗すべく、平和を愛する様々な惑星の生命体と共に「宇宙平和連合」を結成してV惑星にその本部を置き、宇宙防衛軍の総司令官にサイバトロン最強の戦士であるスターセイバーを任命した。
一方、デストロン内部ではスターセイバーの宿敵であるデストロン戦士デスザラスが新たな破壊大帝に就任し、かつてスターセイバーによって暗黒星雲に封印された自らの要塞を復活させるため、地球のエネルギーを強奪しようと動き始めていた。
登場人物
記事のない一部キャラクターは割愛。
サイバトロン戦士
- ブレインマスター
- その他
デストロン軍団
主題歌
オープニングテーマ
「トランスフォーマーV(ビクトリー)」
作詞 - 藤公之介 / 作曲 - 渡辺宙明 / 編曲 - 石田勝範 / 歌 - 茅弘二、森の木児童合唱団
エンディングテーマ
「サイバトロンばんざい」
作詞 - 藤公之介 / 作曲 - 渡辺宙明 / 編曲 - 石田勝範 / 歌 - こおろぎ'73、森の木児童合唱団
余談
- 本作の中盤に、初代アニメでおなじみのパーセプターとホイルジャックが登場するのだが、製作スタッフが初代の存在を忘れてしまったのか全くの別人と化してしまっていた。
- アニメではゴッドジンライが死亡してしまい、ビクトリーレオに転生しているが、コミック版では別人に変更されて死んでいない。
- デスザラスはシリーズにおいてガルバトロン以来の久しぶりの破壊大帝となる(メガトロンからカウントすれば実質三代目)。アニメ版では終始悪役であったがコミカライズ版では憎めない一面があり、スターセイバーとも最終的に和解する。
- 本作の人間キャラである南風ジャンは、アニメ版の回想シーンで両親を恐竜戦隊の攻撃で亡くしていることがスターセイバーによって語られているが本人は終始知ることはなかった。ちなみにコミカライズ版ではパティという姉がいる。
- トランスフォーマーVは1989年内に終了したが、当初は1990年1.2月頃まで放送する案もあった。但し総集編であったが…。
- 本作の89年内終了の影響でビクトリーレオが割りを食ってしまった。
- 2021年7月、ユニクロンの玩具を生み出したハズブロのクラウドファンディング企画「HasLab」で本作に関わる企画のスタートが告知されており、注文が集まっている。
- 本作の玩具のいくつかは、後年になり勇者シリーズで流用される(グレートショット=シャドウ丸、デスザラス=レッドガイスト、ギャラクシーシャトル=サンダーダグオン)
関連イラスト
関連動画
結月ゆかりと学ぶトランスフォーマーV スターセイバー&ビクトリーレオ編
結月ゆかりと学ぶトランスフォーマーV レスキュー部隊編
結月ゆかりと学ぶトランスフォーマーV デスザラス編
関連タグ
超神マスターフォース→ビクトリー→Z(ゾーン)orビーストウォーズ