ピーチ姫救出大作戦!
ぴーちひめきゅうしゅつだいさくせん
あらすじ
ある夜マリオはゲームに熱中していたが、突如テレビの画面が消えたかと思うと、その中から突然、誰かに助けを求めるピーチ姫(と彼女を追うカメ達)が飛び出して来た。
姫に会ったマリオは一目惚れし、彼女を守ってあげることを決意する。
しかし、同じくテレビ画面から後を追ってやって来たカメ一族のクッパ大王が現れ、マリオは勇気を振り絞って立ち向かうもあっけなく倒され、ピーチ姫もさらわれてしまい、テレビの中へと消えていった。
その後テレビの画面はゲームオーバーと表示されるだけでどうすることも出来ず終わった。この時、ピーチはマリオのもとに大事なペンダントを落としたようだ。マリオは「可愛い人だった」と呟きながらペンダントを握りしめていた…
作品概要
『スーパーマリオブラザーズ』を原作とした、1986年7月20日に公開された映画。
時代が時代なだけあり、現在とは設定が全く異なるので、今見るとツッコミどころ満載だろう。
当時は永谷園のコラボ商品が出ていたこともあってか、あからさまな商品宣伝シーンも見受けられる。
こういった内容からファンの間では半ば黒歴史に扱われてしまっている。しかし、これを皮切りに上記の通り永谷園のコラボ食品やスーパーマリオワールドを元にしたOVA作品等、様々なグッズ化やCM放映が進められたり、さらにファイアーエムブレム紋章の謎のOVA発売や後に国民的アニメとなるアニメポケットモンスターをはじめ、未だに根強い人気を持つアニメ星のカービィ、F-ZEROファルコン伝説等が放送され始めたり、劇場版どうぶつの森が上映されたり、同じくマリオファミリーであるワリオの声を日本の声優である大塚周夫氏が彼が出るCMに演じる様になった。
この作品が上映された事を機にゲーム以外のメディア化が拡がっていき、この作品が残した計り知れない影響は紛れもない事実であり、一概に黒歴史とは言えない作品である。
そして本作の上映から30年以上経った2023年、本作を受け継ぐ新たなスーパーマリオのアニメ映画である『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が上映された。
余談だが、『任天堂のアニメ=テレビ東京』のイメージが強いのだが、本作は日本テレビと思われる(ビデオ発売がVAPの為)。
登場人物
EDのクレジット順に記載。
CV:古谷徹
今作の主人公。25歳ぐらい、150cm、70kg。
原作と異なり配管工ではなく、「GROCERY」という食料雑貨店で働いている。一人称は基本的に「私」。
ピーチ姫の様な好きな人のために体を張る一途なところや、かなりオトボケものでわかりやすい罠にあっさり引っかかるなど、少し頼りないところはあるが、ピンチな状況を機転の良さや持ち前の強運で乗り越えたりするほど凄いやつでもある。ピーチ姫とハル王子が婚約者と知った時は1度はショックで失神したが彼女の幸せを優先しハル王子に花を持たせる男の中の男でもある。
今作でマリオの声を担当した古谷氏は、90年代前半までの多くのメディアでも同役を務めた。
CV:水島裕
もう一人の主人公。23歳ぐらい、158cm、62kg。つまりマリオとは双子ではない。
マリオと共に雑貨で働く弟で、マリオのことを「アニキ」や「マリオ」と呼んでいる。一人称は「俺」。
がめつく少し自己中(簡単に言えばワリオっぽい性格)なところがあるが、なんだかんだで仲良し兄弟である。
そして何よりもこの物語の最大の功労者である。
今作のルイージの服の色は、本来の白(水色)や緑ではなく、何故か青を採用している。
また、シャツの色は本編では黄色、それ以外では赤と統一されていない。
デザインは異なるものの、「マリオより背が高くやや細い」という外観の違いは、後の本編にも取り入れられている。
ただし、それがゲーム中で反映されるようになるのはずっと先の話。
今作でルイージの声を担当した水島氏は、てれびっこ『スーパーマリオワールド マリオとヨッシーの冒険ランド』でも同役を務めた。
CV:堀絢子
パックンフラワーを育てている敵。一人称は「わし」。
マリオ達をパックンフラワーの餌にすべくパイポ投げつけたり、トゲゾーを操ってマリオ達を襲った。
メインキャラクターでない癖に、クレジットは3番目。
- ミス・エンドレス
CV:堀絢子
今作オリジナルのモブキャラのお婆さん。
ケーキやアップルパイを作るのが趣味で、よく買い物しに行く為か、ルイージに名前を覚えられるほどの常連客。
ケーキの材料を買いに来たが、(昨夜のピーチ姫の事で)気が気じゃないマリオに注文してた物とは明らかに違うものを出され、カンカンに怒って帰った。
最後に、彼女は物語に関わらない癖してまさかのオチ担当である。
なお、後の映画にも物語に関わらないモブキャラの癖してオチ担当のキャラ(リンク先ネタバレ注意)が出てきたのは偶然か意識したのか不明。
- キビダンゴ
CV:千葉繁
今作オリジナルキャラ。
マリオ達の旅の仲間で、ハナチャンの様な見た目をしている犬。
基本的に鳴き声を鳴くだけで喋れないが、旅の途中でマリオ達をサポートする頼もしい存在。
- ハル王子
CV:菊池正美
今作のオリジナルキャラでキビダンゴの本来の姿。
フラワー国の王子で実はピーチ姫の婚約者であった為結果的にマリオは失恋をしてしまうことになった。(だが当のマリオはピーチ姫が幸せであれば何よりと紳士的で優しい言葉を返した。)
冒険の中でマリオ達のサポートを行っていたとは言え、最終的においしい所を持っていく事になった…。
後のマリオ作品であるスーパーマリオブラザーズワンダーにもフラワー王国が登場するのだが関係性は(現時点では)不明である。
本山一城の「ヨッシーのロードハンティング編」及びスーパーマリオくん9巻の「クリスタルキノコアドベンチャー編」にも彼を意識したと思われるキャラが登場している。さすがにピーチ姫とは恋人にはならない。
- きのこ仙人
CV:宮内幸平
今作オリジナルキャラ。(イラスト中央の白髭の濃い老人)
序盤と終盤に登場する仙人。一人称は「わし」。
マリオ兄弟をキノコ王国に招き入れた張本人であり、クッパ大王の魔の手から救うように頼んだ。旅立つ前に3つの「パワール」と言われるキーアイテムを入手するようにアドバイスをしたり、報酬で自由に金貨を持って帰っていいときちんと大事なことを伝えたあと枯れたキノコに戻った。
最後の最後に意味深な言葉を残して物語を〆た。
本山一城版スーパーマリオでは何度か「〇〇仙人」というキャラクターが登場している。
またスーパーマリオRPGにも物知りなカエル仙人が登場している。
CV:キートン山田
クリボーが引き連れた用心棒。ブロスだが本作では1人だけ。「ケホー」と鳴くだけで喋らない。
金鉱に偽装した牢屋に収容されたマリオ達の牢番を務める。原作同様、金槌を投げつけて攻撃をする。
クッパ城では聖歌隊として登場するが、「ケホー」と歌うのでシュール。
ピーチ姫の侍女。助けてもらったマリオに「パワール」を渡した。
女性であることを強調するためか、背が高く原作とは似ても似つかない姿である。パンフレットなどでは原作に準じたデザインで描かれているのだが…
クッパの忠実な部下の2人組。
原作では雑魚キャラやかませ犬になりがちの彼らだが、今作では旅の途中のマリオ達を苦しめる策士として登場する。クッパ城では何故か腕が生えている。
CV:中野れい子(親)、ベリーズ(子供)
巣を作って暮らしている巨大な親と、今作オリジナルの雛たち。クッパの手下ではない。
- カメ達
CV:水鳥鉄夫、佐藤正治、千葉繁、菊池正美、キートン山田、他
ノコノコによく似た、今作オリジナルのクッパの手下たち。いわゆる雑魚キャラ。
- 司祭
CV:八奈見乗児
今作オリジナルのクッパの手下の司祭。
結婚の儀式の為かマラカスを振る癖がある。
CV:山瀬まみ
今作のメインヒロイン。16歳、160cm、41kg。一人称は「私」。
クッパ大王に結婚を迫られマリオの元に逃げ果せたが、結果的にさらわれてしまった。
少しお転婆でわがままだが、マリオがピンチな時は自ら犠牲になって助けようとするなど、優しい一面も見られる。
声を担当する山瀬女史は、あくまで本職がアイドル及びタレントのゲスト声優であり、演技が常に棒読みの為、「棒読み姫」と呼ばれてしまう始末。
CV:和田アキ子
今作のメインヴィラン。一人称は「わし」(ピーチ姫の前だと「私」)。
ピーチ姫と結婚する為、数多くの部下を引き入れ、ピーチ姫をさらい、キノコ王国を襲って住人達をコインや雲に変えた。さらに魔法も得意としており、前述の通り相手を変化させる他に、クマのぬいぐるみ等いろんな姿に変身することも得意としている。
見た目や言動に反して、ピーチ姫の前には礼儀正しく接しており「ピーチちゃん」と呼んでいる。もちろん悪の大王らしく、敵や作戦に失敗した部下に怒りを見せたりもしてる。
冒頭で指一本だけでマリオを倒すなど実力も高い。
声を担当する声優はあの和田アキ子であり、イラストにも描かれている例の下ネタを思い出した人は多いのであろう。
また「ピーチ姫に恋している」という設定はその後の本家からメディアミックスまで幅広く使われており、クッパのキャラクター像に影響を与えたのは想像に難くない。
表記ゆれ
関連タグ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー:2023年に公開された約37年振りのアニメ映画。