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「レンズビーム!」(第13話)

CV:梅津秀行

概要

マリアカメラ次元虫を寄生させることで生み出した次元獣

カメラが丸ごと頭部になった漆黒の外見をしており、額のストロボに「CAMERA」と書かれ、目も黄色と緑のオッドアイとなっているが、人目を引くのは口元。鋭い牙を覗かせた大きな口からカメラのレンズを出している姿は何ともグロテスクである。加えて顎に当たる部分には三脚の意匠が見受けられ、左肩からもリモートスイッチのコードが伸びているのも特徴。

その能力は自身のカメラから放つ光線よって被写体を消滅させるものであり、犠牲者は透明になって消えた後、マリアのアルバムの中の写真に幽閉されてしまう。元に戻すためには当然ながらカメラジゲンを倒すしかない。

能力の性質上、10年後の戦隊に登場するカメラオルグと良く似ているが、こちらは犠牲者に待つ運命が肉体の消滅による死であるため、幾分マシといえよう。

人語はほとんど喋らないが、「レンズビーム」「フラッシュビーム」といった技名はちゃんと叫ぶ。ちなみに前者は相手を写真に閉じ込める用、後者は攻撃や破壊用の技である。

尚、戦闘では左手の爪から弾丸を放つ他、フィルムで相手を拘束するというカメラの怪人らしい技もちゃんと使う。

活躍

第13話「愛の迷路

某所でモデルの女性のグラビア撮影をしているカメラマンのカメラから生み出されると、早速モデルの女性を撮影し、マリアのアルバムに幽閉する。

その後も遊園地や結婚式場に現れ、犠牲者を増やして行くカメラジゲン。

「見て。カメラジゲンは人間共を写真の中に幽閉することができるのよ。ジェットマンもやがて、このアルバムを飾ることになる。覚えているでしょうね? 以前の約束を。ジェットマンを倒した者が我々の頂点に立つ」

その様子を観戦しながらそう勝ち誇るマリアに対し、グレイ「フン、まだ分からんのかマリア? 例えジェットマンを倒したとしても、お前の運命は私の手の中にある」と牽制。

動揺するマリアをよそに、グレイは慣れない手つきでピアノを演奏する。その様子を見たトランから、「変な奴だよな、ロボットの癖に音楽を愛するなんてさ」と揶揄されたことでグレイが怒ってピアノから離れると、今度は逆にマリアがピアノに引き寄せられる。そして、慣れた手付きで曲を奏でるのだった。

すれ違う恋の渦中に在るの元へ、マリアがグリナム兵を率いて襲い掛かると、彼女達に遅れてカメラジゲンも参戦。逃げる2人を追い詰めるが、事前にクロスチェンジャーで仲間に知らせていたため、残りの3人がジェットマシンでその場に急行。間一髪の所で間に合い、そのまま戦闘を開始する。レッドホークに促され、その場から逃げようとする凱と香。だが、マリアのネクロッドのムチで香は縛り上げられ、そのままカメラジゲンのレンズビームでアルバムの中に閉じ込められてしまった。

「私の思い出となれ、ジェットマン!」

1人目を始末したマリアは、そう言って残る4人もカメラジゲンの毒牙に掛けようとするのだった。

第14話「愛の必殺砲(バズーカ)」

マリアに率いられ、カメラジゲンは遊園地ウェイトレステニスに興じる少女と、次々と新たな犠牲者を写真の中へ閉じ込めていく。その様子をマリアが高笑いしていると、そこへ凱がバイクで駆けつけて来る。

「バイラム!香を…、香を元に戻せ!」と叫ぶ凱に対し、「ほう?それが人に物を頼む態度か?」とマリアが返すと、凱はマリアの前に跪き、香を元に戻してもらおうと土下座して懇願。

だが、マリアは凱を蹴り飛ばして踏みつけ、「まだまだ頭が高いわ。お前に礼儀という物を教えてやる!」と高笑いするばかりだった。

そこへ竜達3人が駆けつけて来ると、マリアは「フン、面白い。香を元に戻したければ、レッドホークの首を差し出せ!」と凱に命令。葛藤しながらも前回の香とのことを思い出した凱は、止む無く竜に襲い掛かる。

だが、「よせ、凱! 俺を倒しても、バイラムが約束を守ると思うのか!?」と竜に説得されて凱は襲うのを止める。そこへカメラジゲンがフラッシュビームを浴びせ掛け、4人を退散させるのだった。

4人の撤退後、カメラジゲンはフラッシュビームで街を破壊して回る。

そこへ三度ジェットマンが駆けつけて交戦になると、左手の爪からの弾丸で迎撃し、レンズビームを放とうとする。4人がバードブラスターで跳ね返そうとすると、そこへグレイが現れて加勢し、それに乗じてカメラジゲンはフラッシュビームを発射。アコ雷太をアルバムに閉じ込めてしまう。

小田切長官の指示で竜と凱が撤退すると、マリアは「何故…、何故私に手を貸した……?グレイ!」と相手を問い詰める。それに対するグレイの答えはこうだった。

「…マリア、お前のピアノは素晴らしかった」

そんな2人の様子を、トランとラディゲバイロックで訝しげに眺めるのだった……。

その後、スカイキャンプの工場でジェットストライーをより強力なファイヤーバズーカに改造しようとする竜と凱だったが、モニターやタイヤのホイールからマリアは映像を映し出し、香を写真ごと燃やす様子を見せつける。小田切長官の制止も虚しく、挑発に乗ってしまった凱はそのまま飛び出してしまった。

バイクで採石場までやって来た凱を、カメラジゲンはマリアやグリナム兵と共に痛めつけ、絶体絶命の大ピンチに陥れる。そんな中でも試行錯誤を繰り返しながら、竜は1人ファイヤーバズーカの完成を急ぐ。

やがて、カメラジゲンは自らの銃撃で凱を負傷させ、とうとうレンズビームで彼をアルバムに取り込んでしまった。だが、そこへ新兵器であるファイヤーバズーカを携え、竜が登場。

マリアに仲間の取り込まれたアルバムを人質にされるも、竜は「香、凱、雷太、アコ。皆の命、俺が預かった!一か八か…俺1人で、ファイヤーバズーカの衝撃に耐えられるか…!?」とファイヤーバズーカを1人構えてチャンスを窺う。

そしてカメラジゲンがレンズビームを発射すると同時に、遂にファイヤーバズーカが火を吹いた。その衝撃に竜は吹っ飛ばされ、カメラジゲンを守るべく間に入ったグレイも吹っ飛ばされる。そしてマリアのアルバムも吹っ飛び、その拍子にアルバムに閉じ込められた仲間や一般人達は元に戻った。

一般人達を逃がすと、5人はジェットマンに変身。レッドホークがグリナム兵を、ホワイトスワンブルースワローがマリアをそれぞれ相手取る中、カメラジゲンはブラックコンドルイエローオウルの合体技であるコンドル・オウルタワーリングアタックで追い詰められ、そのまま5人が発射するファイヤーバズーカを受けて倒される。

直後に次元虫の力で巨大化するカメラジゲンだったが、巨大戦ではイカロスハーケンと交戦した末、ジェットフェニックスを叩き込まれて爆散した。

カメラジゲンの敗北後、グレイは吹き飛ばされた右腕を装着し、気を失っているマリアを抱き上げてその場を去るのだった……。

余談

モチーフはカメラ

戦うトレンディドラマとして名高い『鳥人戦隊ジェットマン』。カメラジゲンの登場したこの前後編のエピソードは、まさしくその路線を明確に決定づけたと言えよう。

カメラジゲンの登場した回の内、第14話は必殺武器であるファイヤーバズーカの初登場回となった。

声を演じた梅津氏は第11話でもジハンキジゲンの声を演じており、第28話のドライヤージゲンの声も兼任している。

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