「LOVE…愛、愛の戦士だよ。そんな剣じゃ、傷つけられないぜ?」
「良い色だ……青春の挫折の色だ!たまんないなぁ~!!」
データ
身長 | 229.0cm |
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体重 | 130.0kg |
生体コネクタ | 右の首筋 |
頭文字デザイン | 上下唇と舌(筆記体のL) |
特色/力 | 虚構を真実と思い込ませる言葉の針「ライニードル」の発射、巨大な口を模した杖のような武器から放つ強力なエネルギー光弾 |
登場話 | 第23話『唇にLを/シンガーソングライダー』〜第24話『唇にLを/嘘つきはおまえだ』 |
概要
「電波塔の道化師」を名乗る何者かが「嘘つき」の記憶を内包した「ライアーメモリ」を使用して変身したドーパント。
「Liar」は「嘘をつく人」という意味を持ち、見た目や能力もちなんだものである。
また、変身した何者かは人を騙す事に長けていたものの同時に自分も嘘に騙されやすい人間だったというダブルミーニング付きである。
「嘘」を由来とする物事を組み合わせたような全体像を持ち、仮面風味の顔に尖った長い鼻を持ち(嘘を吐くと鼻が伸びるピノキオのイメージからと思われる)、銅の装甲に青白い体色で両足に血管が浮かんだ姿と専用の武器として舌を出した口を模した杖「ライスピークス」も持っているのが特徴のドーパント。
また全身に拷問器具のような棘や針を無数に生やしたような姿も特徴(「嘘をついたら舌を抜かれる」「嘘ついたら針千本」など嘘つきへの罰がモチーフとなっている模様)で何故か股間部が赤いパンツ風味で真ん中に丸い部分がありその中心にくぼみと思しき穴が開いているという謎の際どさも持ち合わせている。
杖からエネルギー弾を飛ばす攻撃の他、敵に刺すことで脳に作用しその嘘を少なくとも一定期間は信じ込ませてしまう能力を持つ無数の針を口から発射することが可能で「嘘ついたら針千本」の表現通りの技である。
この針はドーパントの名の通り、口から言った嘘を変形させたものである。そして物理的に針を刺すという能力故に「精神干渉”波”」に先天的な耐性を持ち、テラー・ドーパントやオールド・ドーパントの能力ですら跳ね除けて見せた照井竜や同様の耐性を持つフィリップさえも対抗できない(なお、他にはナイトメアも似たような能力(精神干渉ではない)である故に成功している)。
但し、マネー・ドーパント等のように能力特化型である故に本体の戦闘力は低めである。
正体
(ネタバレ注意!)
その正体は路上詩人の沢田さちお(演:モロ師岡)。
劇中では売れないミュージシャンであるジミー中田を騙していた。
調査をする内に、このドーパントが涙を集めるのに使った紙はただの白紙ではなく和紙であることが判明。
「夢を叶える」と唆し後述の能力を悪用して夢を目指す人間を騙し金を巻き上げる詐欺紛いの犯罪で私腹を肥やしている。
しかしそれよりタチが悪いのは、このメモリ使用者は金銭が払えなくなった所で真実を明かし、絶望させて流した涙を小さく切った白紙に染み込ませてコレクションするというかなり悪趣味な性癖持ちの外道。エリック・カートマンかお前は。
また、和紙の数から相当数の人間が被害に遭っている事が窺える(フィリップの見立てによれば、沢田本人も夢に敗れた過去があった事が犯行の動機なのではないかとのこと)
フィリップからも「屈折した愉快犯」と言われるほどの悪辣さだが、犯人をあぶり出す翔太郎達の作戦に自らが騙された時は憤慨していた。
お得意の嘘を信じ込ませる針を封殺されてしまい、必死に抵抗するも最終的にWのジョーカーエクストリームを受けてメモリブレイク、あえなく御用となった。
皮肉にも、メモリブレイク後に泣き崩れたことによる自分の悔し涙が染み込んだ紙が彼の最後のコレクションとなるという、まさしく「嘘をついたら舌を抜かれる」という言葉に相応しい因果応報の末路を迎えた。
ついた嘘
「ジミーの歌は最高、それ以外はてんで駄目(フーティック・アイドル審査員に対して)」
:一番音痴なジミーを勝ち残らせてしまう
「そんな剣では私を傷付けられない!(アクセルに対して)」
:全ての攻撃を外してしまう(これは本人も無意識の内に攻撃を空振りしたことになる)
「私のメモリがバラバラに!(アクセルに対して)」
:酢昆布の箱を破壊し、それをメモリだと思い込む(翔太郎らに指摘されて気付いた)
「赤い仮面ライダーはドーパントだ(ダブルに対して)」
:共闘していたアクセルに攻撃を仕掛ける
「実は自分の正体は狸なんだ(鳴海亜樹子に対して)」
:近くにあった狸の置物をスリッパで叩きまくる
『AtoZで爆笑26連発』で「映画に出てくる「L」のドーパントが外にいる」
:井坂深紅郎の診療所を訪れるが、例によってスキンシップの餌食となった為に井坂についた嘘。嬉々として外に飛び出すもすぐに騙されたことに気付いた。
…が、井坂は死角だったので気付いていなかったが、その場には本当にルナ・ドーパント(L)がいたので能力のように嘘を本当だと思い込ませていない、所謂「嘘から出たまこと」という謎現象を起こしている。
その他の活躍
『MOVIE大戦アルティメイタム』
ライダーリングで召喚された仮面ライダーオーズのオーズバッシュで一閃され爆散した。
『ロストヒーローズ2』
前作では登場しなかったがパペティアー・ドーパントやユートピア・ドーパントも並びに今作に初登場した。(後者はボスキャラ)
余談
第23話から第24話に掛けて、Wの主題歌を歌う上木彩矢女史とTakuya氏が本人役で、アニキこと水木一郎氏が大貫一朗太役として出演している。なお、水木氏は2022年12月6日に亡くなったため、これが唯一の仮面ライダーシリーズ出演となった。
それに合わせて23,24話の主題歌の映像もサビから本人達が出るという特別仕様になっている。
Wとの戦闘中に「赤い仮面ライダーはドーパントだ」という嘘をWに植え付け、Wとアクセルの同士討ちを誘発したが、そもそもW世界の仮面ライダーはドーパントと同等の存在であるため、あながち嘘ではないと言えるであろう。
第24話で園咲若菜に変装したフィリップに蹴り倒されるシーンがあるが、このシーンのみフィリップ役の菅田将暉ではなく若菜役の飛鳥凛が吹き替えている。
これは菅田氏より飛鳥氏の方が足が上がったためである。
ちなみに当話の収録後、菅田氏は「(女装が今後)癖になっちゃったりして」というスタッフの冗談に「もう二度と女装はしませんよ~」と返したそうだが……後年女装男子役を演じることになるのはまた別の話である。
さらに余談だが、続編漫画(後にアニメ化された)「風都探偵」の「閉ざされたk(アニメ版第9話)」にてフィリップが再び女装をする羽目になり、「ひとつ、弁解させてほしい。なぜかよく女装を押し付けられるが、ぼく本人にそういう趣味はない」と弁解している(なお、この回のCMに入るアイキャッチを見てみれば女装させた人物は明らかに翔太郎と思われた)。
また、この前に当たる第7話では「仮面をつける風習」というルールがあった為か翔太郎とフィリップは仮面をつけたが、この時に2人が被った仮面は明らかに原典で2人がつけた仮面シンガーの物と言う前述のオマージュ要素がいくつか挿入されている。
演じるモロ師岡氏は過去に『仮面ライダーカブト』で若林龍宏と彼に擬態したフォルミカアルビュスワームを演じた他、後に『仮面ライダーゴースト』で五十嵐健次郎を演じている。