概要
2005年1月に初代モデルが発売。
車名の由来は、「音符」と「メモ書き・雑記帳」を意味する英語からとられた。
駆動方式はFF又はそれをベースにした4WDで、モデルや仕様によって設定できる変速機の組み合わせが異なる。
初代(E11)
当時コンパクトカーとして日本で初めて年間販売台数1位を獲得したホンダのフィットなどを意識して企画され、当時のマーチにも使われていたBプラットフォームをベースに開発。
当初は1,500cc直列4気筒のHR15DE型エンジンの4速AT・CVTが設定されていたが、後に1,600cc直列4気筒のHR16DE型と5速MTを組み合わせたスポーティ仕様が追加された。なおHR型エンジンはいずれも提携先のルノーとの共同開発である。
パーキングブレーキは足踏み式である。
初代にもかかわらず型式がE10とならなかったのは、チェリーですでに使われていたからである。
2代目(E12)
(画像は後期型NISMO S e-POWER仕様)
2012年9月に、国内向けのティーダと統合する形で登場。
日本と欧州仕様車の搭載エンジンが1,200cc直列3気筒のHR12型(HR16型から1気筒落とした形の、いわゆる「モジュラーエンジン」)に小型化される。
中でも当時トレンド化していた直噴技術+ミラーサイクル技術+ダウンサイジング過給(しかも現代では珍しいスーパーチャージャー)を兼ね備えたHR12DDR型エンジン(DIG-S)を搭載するグレードは、同クラスのカタログ値で最高水準となるJC08燃費25,2km/Lの低燃費と、1.5L自然吸気エンジン並のトルクを両立した。ちなみに税制が500cc刻みの日本では1.5Lと同じ税額のままだが、欧州の税制は400cc刻みなのでHR12DDRの方が得となる。
北米仕様車は「ヴァーサ・ノート」の車名で販売され、こちらは直4・1,600ccのHR16DE型エンジンが搭載される。
2016年11月にマイナーチェンジし、新たにハイブリッド仕様のe-POWERが追加された。
e-POWERは、原理的にはガソリンエンジンで発電した電力だけでモーター駆動する「シリーズ式ハイブリッド」システムである。これを搭載したNISMOグレードも同時に発売された。
このシステムによる付加価値もあったためか、結果として2018年には普通乗用車の年間販売台数第1位を記録した。
変速機はコンベンショナルモデルは5速MTとCVT、e-POWER車ではモーター直結の構造なので搭載されていない。
パーキングブレーキはハンドブレーキ式となった。
3代目(E13)
2020年11月24日に日本専売車として3代目モデルが発表された。
この代はガソリングレードが廃止され、e-POWER専売車となる。
エンジンは先代の1,200cc直列3気筒のHR12DE型がキャリーオーバーされるが、より発電用に特化した設計に刷新された上、低速域での静粛性に配慮された制御が追加されている。
プラットフォームがルノーと共同開発した「CMF-B」と呼ばれる新世代型に変更され、走りの質感が大幅に向上。シャシーがしっかりしたことで、モーターの出力も先代の109ps/254Nmから116ps/280Nmに高めることができた。
またデザインもヤリス(トヨタ)・フィット(ホンダ)のような国産コンパクトカーよりは、208(プジョー)・C3(シトロエン)に近いフランス車チックなものになっている。
安全運転支援機能のプロパイロットが、カーナビとも連携できるようになっている。
全てe-POWER仕様のため変速機は非搭載。
パーキングブレーキは今度は小さなスイッチ型ボタンで操作する、いわゆる電動パーキングブレーキである。
同年7月に日産のコーポレートアイデンティティ(CI)のマークが刷新されてから市販車で初めて新しいものが採用され、リアについてはバラ文字のNISSANエンブレムとなっている。
2021年10月にオーテックがチューンする、クロスオーバーグレードが設定された。
2021年6月15日にE12に設定されていたノートメダリストの後継車種として、全幅を拡張した上級派生モデルとなるノートオーラが発表された。同年8月17日から販売されている。先代ノートでは設定のあった「NISMO」は、オーラでも設定されている。
ただし車名別販売台数など統計上では同じ「ノート」として扱われる。日本カー・オブ・ザ・イヤーとRJCカー・オブ・ザ・イヤーを同時受賞したのもノート/ノートオーラとしてであった。
日産はこの頃同クラスのマーチ・ジュークを海外専売車とするなど、ラインナップを絞りに絞っており、非RV系車種は軽自動車からスカイラインまでの間をノート/ノートオーラだけでカバーしているような状態であった(例えばトヨタはヤリス・アクア・カローラ3兄弟・GR86・プリウスが存在)。その分国産コンパクトでは珍しいレベルの作り込みと豪華装備が奢られ、前述のダブル受賞に繋がった。
2023年11月にビッグマイナーチェンジが行われ、6代セレナ同様のデジタルVモーションに顔つきが変わった。