演:乃上貴翔
概要
オカルト雑誌の編集者。第14話で間辺譲の書いた恐竜に関する記事を否定し、もっと刺激的な原稿を、ウソを書くことを強要するなど編集者としてはとても真っ当な人物とは言えない。また、山下結逢の元カレだったことも発覚。第23話では彼女に対して横柄な態度を取っていたことから、彼氏としても真っ当とは言えない。
第46話では、人々の記憶が呼び覚まされたことで動画配信サイトで「超常体験チャンネル」というチャンネルを開設し、ケミーや錬金術師の真相を追及するようになる。
しかしそのやり口は
・イタズラに視聴者の不安を煽るかのような動画配信を面白半分で行う
・宝太郎とりんねの後をつけて錬金アカデミーの場所を特定して動画配信のネタのために一緒に配信をしているだろう仲間と(おそらくは無断で)乗り込み、宝太郎達に強引なインタビューを行う
などやってることは完全にコレである。
彼の行なっている動画配信が以前から行なっていることなのか、騒動に便乗して始めたのかは不明だが、自ら作ったチャンネル名を「超常現象チャンネル」と間違って呼んでいたあたり後者の可能性が高い。また、錬金アカデミーに乗り込んだ際に自分たちを強引に追い出そうとしたミナトに「暴力」と難癖をつけてきたが、そもそも彼らのやっていること自体完全な不法侵入(しかも赤の他人を尾行してきたため迷惑防止条例違反の可能性もある)であり、「どの口が言ってるのか」と言う話である。
第49話では、暴徒たちを先導して登場。アノマロカリスマルガム(ケミー因子)の出現を機に人々に溜まっていた鬱憤を利用し、ケミーと錬金術師の排除を目論み、彼らを追跡していた。
いつの間にか人々を引き連れる立場となった、妙なカリスマ性の高さが判明してしまったことより視聴者から「才能の無駄遣い」とネタにされているも、実際は“人々から注目され持ち上げられたい”という虚栄心に動かされて不安に苛まれていた人々を煽り、害意の無い相手を迫害する愚行に加担させただけとも考えられる。
たっちゃんの数少ない、過去の登場シーンを振り返り読み取ると、“表向きは人当たりの良い言動を取れて、良心ある人も含めた周りとそれなりに縁を結べる”、“しかしつきあいを深めると「もっと自分を持ち上げて欲しい」との甘えが出て他人との軋轢(良心を傷つけるなど)や職場に対するモチベーションの低下などが発生し、それが原因で周りとの不和が生じ結んだ縁が絶たれてしまう”という流れで愚行を犯すパターンができてしまっていると思われ、そうした自分の問題点に気づかず惰性で生きてきたことで上述の甘えが拗れ、無意識に虚栄心を求め周りを傷つける悪癖もとい弱点を抱えた人間になってしまった様子。
もちろん、たっちゃんの愚かさ・弱さは彼自身の責任であって他人には関係の無いものであった。
だが物語終盤の彼は、虚栄心に飢える自分を満たそうとする欲に流された上で、元々縁が無かった無数の他人を自分のエゴを満たすための愚行の共犯者へと引き込んで貶める、卑劣としか呼べぬ行いを犯してしまったといえよう。
最終話では、上記のカリスマ性も全く役に立たずドレットルーパー軍式に民間人共々襲われそうになったが、錆丸と蓮華に救われ、蓮華から一喝されてしまう。
その結果、ケミーと錬金術師に対する見方をある程度改善させ、民間人の避難の活路を作り出すため近くにいたヤクザの男とその舎弟と共に2人に協力したが、巨大化したドレットルーパー軍式の光線で黄金化してしまった。
その後の描写は無いものの、宝太郎が新たな錬金術の境地へと到達し、黄金や軍式軍団を素体に新たな地球を錬成したため、他の民間人共々黄金化が解除されたと思われる。
上記の件で更生したのか…と思いきや、数ヶ月後のエピローグでは、「キッチンいちのせは錬金術師達の隠れ家」などのチャンネル配信を懲りずに続けており、全く反省していないことが判明。しかし、キッチンいちのせに客として訪れていたリスナー(演じたのはBACK-ONとFLOWのメンバー)曰く「必死すぎて逆にリアリティーがない」と全く信用されてない様子だった。
人々を先導して混乱を仰いでいた行いも、最終的にはケミーが地球上に消え、風化していき都市伝説と化した現在は誰からも相手されなくなるという、配信者としては残酷な末路と言える。
余談
上記のように彼自身、自らのチャンネル名を間違えているのだが、実際は台本の表記ミスであるところを劇中では彼が間違ったということにしている。結果的に「彼自身オカルトなどに全く興味がなく、その為オカルト雑誌の編集者という仕事もやりがいも誇りもなく単に惰性で行なっている」と言う彼の人間性を表すのに一役買うこととなった。
演者の乃上氏は本作を以て俳優業を引退している。
関連タグ
蛭川光彦:別会社の作品における似たような人物で、こちらは自分の弱さを持て余した上で“ヒーローがいるから現れる侵略者に殺されるかもしれない”という恐怖と被害妄想に苛まれた節もあり、その末に世論を操作してヒーローを迫害する愚行を地球人全員を巻き込んで行おうとした。奇しくも、初登場回『コノミの宝物』の脚本を担当したのは『ガッチャード』第14話を担当した長谷川圭一氏。言ってしまえば親元が一緒である。(なお、たっちゃんに関してはもう一人の名付け親がいる。)
その末路もどちらも周囲からの信用を失って相手にされなくなる(蛭川は劇中では描写されなかったものの)因果応報と言えるものであったが、一時的ながらある程度の改善が見受けられたたっちゃんに対し、蛭川の場合は改心も反省もするそぶりすらなかった。