2013年7月6日公開の映画『それいけ!アンパンマン』シリーズ通算第25作。
前作での東日本大震災からの「復興」に続き、今作では「希望」をテーマにしている。
お笑い芸人・サンドウィッチマンと、本仮屋ユイカが声のゲスト出演をしている。
サンドウィッチマンは、東日本大震災に関してのエピソードがいくつかある。
やなせ先生は本作公開から3か月後の10月13日に逝去。本作がやなせ先生の生前最後の劇場版作品となった。
おはなし
雲の上に住んでいる小さなゾウの男の子、パオのお話。パオは、鼻から大きなハンカチを出し空の掃除をするザジおじさんのところで、毎日自分もハンカチを出す練習をしている。でも、一生懸命やっているのに、なかなかうまくいかない。
ほかに自分にできることはないかと、アンパンマンワールドにやってきたパオ。しかし、パン作りも牛乳配達も、みんなに期待された“きらきら希望サーカス”での芸も、何もかも失敗だらけ。パオは自信と希望を失くして、心を閉ざしてしまう…。(この後どーなるかは、自分で観よう。)
登場キャラクター、メカ
・ミミ先生
・カバオ
・ウサコ
ゲストキャラクター
バイキンサーカス団
・ばいきんまん・・・団長
・ドキンちゃん・・・踊り子
・ホラーマン・・・芸達者なピエロ
・もぐりん
・スゴイゾウ(声:伊達みきお)…サーカス団のNewスター。カラフルなボールを発射する。
・パオ
・かびるんるん・・・観客
キラキラ希望サーカス団
・だいこん役者・・・団長
・やなせうさぎ(数人)
・ピエロくん
・びっくりビクちゃん
・あんにんちゃん(あんちゃん、にんちゃん)
・カステラ男爵
・ドン・キ・ホタテ
・スパイス王子&マスタード男爵
・フラワー姫
・フラワーさん(チューリップさん、ゆりさん、水仙さん、アネモネさん)
・ジョーカー
・フォーカード四銃士(スペード銃士、ハート銃士、ダイヤ銃士、クラブ銃士
・水玉の精
・Tシャツくん
・サフィ
・トラやライオンなどの動物たち
特色
①パオやザジズゼゾウが、ハンカチで汚れた空を綺麗に拭いていく描写が放射能で汚れた土壌を地道に除染する作業に重なるなど、やなせたかしの「いろんなむずかしい問題がありますが、希望をめざして進んでいこう」という思いが込められている。
②第1作『キラキラ星の涙』から第24作『よみがえれ バナナ島』まで24年間エンディング曲は「勇気りんりん」を起用していたが、今作は初めて映画テーマ曲がエンディング曲にも起用された。
③「復興」がテーマの前作と異なり、定番となっている、ばいきんまんの悪戯をアンパンマンが止めるシーンがOPで再び見られる。
④アンパンマンの特徴ともいえる、汚染された街や仲間達を元通りにしようとする民衆の姿が必要だという描写が本作ではさらに強調して存在している。先生も、「怪獣との闘いで壊された街を復元しようと立ちあがる普通の人々がヒーローであり、正義なのです」と語っている。
⑤恒例となっている強制変身や固めによって、主要キャラクターが残されて壁を乗り越えるシーンが今作でも見られる(前作はなかった)。今作では、汚染によって固められてしまい、絶体絶命の危機に陥る。
⑥ばいきんまん達は後半の事件には(原因を作ったものの)ほとんど関与していない。
⑦回想のシーンで、幼少時のアンパンマン、ロールパンナが登場する。パオに聴かせるシーンである。ロールパンナの映画登場は妖精リンリンのひみつ以来5年ぶりだが、今回は台詞なし。