概要
マレスペロと名乗る青年と、ケイオス・バートランドが率いる軍隊。従来のようなフェストゥムの群れだけでなく、ソルダートと呼ばれる改造兵士を動員することでファフナー部隊を構成、人類のように高度な戦術展開を可能とする。
フェストゥムの圧倒的な物量と作戦展開によって人類軍や新国連と拮抗している。
また、竜宮島を再現した人工島で人に擬態したフェストゥムを生活させており、人間と同等の感情を獲得しようと考えていた。
メンバー
マレスペロ
かつて第三アルヴィス・海神島のコアだった存在。コアだった時の名は「ワダツミノミコト」。プロメテウスミールを同化したミール変異体として覚醒し、ダーウィン基地にて人類に反旗を翻した。
『EXODUS』にて、アザゼル型フェストゥム・ベイグラントを破壊された後は人類から隠れながら群れを拡大させており、第五次蒼穹作戦の折にロケットで宇宙へと上がった際にその手を離れていたゴルディアス結晶を取り戻す。以降はベノンを結成、偽の竜宮島を建造し、自身は青年としての肉体を手に入れてベノンを率いる。
ゴルディアス結晶の力により赤い月を起点として絶対停止領域を発生させ、効果範囲内の生命体を弱体化させることができるようになった。また人間を同化することで生み出したソルダートを利用した艦隊やファフナー部隊を構成しており、圧倒的な物量で制圧する戦法を取る。
さらに自身も手に入れた肉体でファフナーに搭乗することが可能となった。
憎しみの理由すら忘れたと言われていたが、今もなお故郷と家族を奪った新国連、ひいては人類への憎悪は絶えることなく、説得を試みる美羽に対して「僕は対話すら許されなかった!」とその絶望を露わにした。
当初の思惑ではアルタイルを、対話の為に同化した美羽ごとケイオスと共に同化、そのコアとなることで憎しみに染め上げ人類を殲滅するはずだった。しかし美羽は総士の説得によって自身を犠牲にせずにアルタイルと対話し、人類とフェストゥム双方に分け隔てなく祝福をもたらす為にその力を獲得する。その結果自身が手にするはずだった力を奪われ、更にはその内に秘めていた悲しみに同情を寄せられ激昂、フェンリルで美羽を道連れに自爆しようとするも総士の介入によって逃げられてしまう。肉体を失ってなおも憎しみで染め上げた赤い月に怨嗟の表情を浮かべ宇宙空間で独り全てを呪わんとするも、フェストゥム達の協力で再び美羽はマレスペロと邂逅し彼を抱きしめある真実を告げる。それは彼が海神島のコアだった頃、守ろうとしていた島民たちが新国連の軍隊によって命を奪われる最後の瞬間まで彼に感謝していたという想いだった。
彼女にその存在を肯定されたマレスペロは涙し、ようやく自身と世界を蝕み続けてきた憎しみから解放され、新たに生まれ変わると言う祝福を受け入れることができた。
無数のフェストゥム達と共に生まれ変わった彼が竜宮島の目指してきた相互理解と共存をもたらすか、あるいは再び人類の敵となるか、それは残された者たちの選択次第である。しかしファフナーにおける最凶の敵にして最大の被害者でもあった彼は最後に確かに救われたのだった。
乗機はファフナー・トローンズ・モデル陸戦機 サンダルフォン。通常のトローンズ・モデルと異なり、ドミニオンズ・モデルの装備であるベヨネットを装備する。また、コアのマレスペロがパイロットであるため、竜宮島のファフナー同様にSDPを使用できる。
ケイオス・バートランド
CV:岡本信彦
ベノン総帥を務める青年。パペットMB7型のジョナサン・ミツヒロ・バートランドから派生した、マイスター型と呼ばれる上級フェストゥムで、「祝福」と称して、捕縛した人間をソルダートと呼ばれる改造兵士にすることが出来る。容姿はミツヒロと変わらないものの記憶が消されており、感情も希薄。普段は母艦オリンポスの玉座でベノンの指揮を執っているが、第六次蒼穹作戦を実行したアルヴィスを迎撃するべく、再ザルヴァートル化によって変質したマークレゾンに搭乗した。
マリス・エクセルシア
CV:斉藤壮馬
元シュリーナガルのエスペラントにして人類の裏切り者。
偽の竜宮島では竜宮島中学校の副会長を務め、皆城総士の友人として日々を過ごしていた。
アルヴィスを滅ぼそうと行動するが、美羽や総士には思うところがあるようで…。
乗機はファフナー・エインヘリアル・モデル マークツヴァイ改《グリムリーパー》。
なお、回想において海神島から脱島した際にシナジェティックスーツを着用しておらず、スーツを着用したファフナーパイロット候補生2人を同行させていたことでマリスにはファフナーに搭乗する適性が無かった可能性があり、ベノンに加わった後にソルダートと同様のシリコンシーツを纏う点、空戦仕様ではないグリムリーパーが単独飛行を行使していることから、マレスペロやケイオスによる何かしらの祝福を受けている可能性が高い。
セレノア
CV:ゆかな
美羽の記憶から日野弓子の姿を模倣したフェストゥム。
その正体はベイグラントに同化されたアザゼルF型種・クロウラーの再現体。
後方でフェストゥムの群れを操作したり、転送フィールドでファフナーやフェストゥムの援軍を送るベノン軍の参謀のような立ち位置だが、必要に応じてクロウラーへ変身して自らも戦場で戦う。
偽の竜宮島では総士・乙姫の母親を演じていた。
レガート
CV:最上嗣生
美羽の記憶から日野道生の姿を模倣したフェストゥム。しかし美羽は生前の道生と会ったことが無いためか、声は別人のもの。偽の竜宮島では総士・乙姫の父親を演じ、漁師として働いていた。
マレスペロからはペルセウス隊を率いる役割を与えられている。
乗機はファフナー・エインヘリアル・モデル マークアイン改《スペクター》。マリスが海神島を脱島した際に持ち込んだ機体をそのまま譲り受けた。ファフナー搭乗時にはソルダート同様シリコンのメットとスーツを纏う。
フロロ
CV:仲西環
美羽の記憶から皆城乙姫の姿を模倣したフェストゥム。
その正体はベイグラントに同化されたアザゼル型A型種・ウォーカーの再現体。
第五次蒼穹作戦の際に一騎からグリムリーパーを奪取する。
その後、偽の竜宮島では総士の妹、道生・弓子の娘を演じていた。島での生活を過ごしていく内に
人間らしい感情を獲得していき、いつしか家族としての情も感じていたが、島に現れた真壁一騎に総士を奪還されたことで家族を奪われたフロロは激昂し、マークツェン改《アキレス》で脱島した一騎を追撃する。ウォーカーとしての身体をアキレスのSDPで撃破され、疲弊したまま乙姫の状態で総士の前に現れたところを一騎に同化される。
今際の際に「お兄…ちゃん…」と遺し、総士の目の前で消滅させられてしまったことで、一騎と総士の間に確執を生んでしまう原因となった。
ソルダート
ケイオス・バートランドによって生み出された、人間を基にした改造兵士。常にシリコンのメットとスーツを着用しており、感情を持たない存在。
ポセイドン艦隊やペルセウス隊に配備されており、死を恐れない性質からフェンリルによる自爆なども厭わない。
ソルダートにされた時点で元となった人間は死んでしまい、二度と元に戻ることは出来ないという。
保有戦力
マークレゾン
新国連主導の下建造された、第三のファフナー・ザルヴァートル・モデル。
ダーウィン基地がクロウラーに襲撃された混乱に乗じて、ワダツミノミコトによって導かれたジョナサン・ミツヒロ・バートランドが搭乗した。第四次蒼穹作戦の折にミツヒロと共に宇宙へ放逐されてしまうが、6年後の第六次蒼穹作戦の際に大気圏外から再ザルヴァートル化を遂げた状態で帰還する。
ポセイドン艦隊
ベノン軍が保有する艦隊。乗員はソルダートで構成されている。フェストゥムの群れとの連携による圧倒的な物量を誇るが、人類の戦法を模倣した結果、艦隊の移動に時間がかかってしまうなど欠点も生まれてしまった。
ペルセウス隊
レガートが率いる、ソルダートで構成されたベノン所属のファフナー部隊。レガートのスペクターを除く全てのファフナーがペルセウス中隊同様のスカイブルーで塗装されているものの、新国連のエンブレムがベノン仕様のものとなっている。
マレスペロのサンダルフォンや、スペクター、グリムリーパーといったアルヴィス製の機体を除けば劇中に搭乗した所属機は全て空戦機のみ。ただし、後期OPにはパワーズ・モデルの陸戦機オリンピア・エンジェルスが確認できる。