※この記事は『SSSS.GRIDMAN』第10回のネタバレを含みます。
「私もグリッドマンと話してみたかったな…」
概要
グリッドマンとの連戦連敗、お気に入りの怪獣の瞬殺、あらゆるものが理想的な夢の世界での拒絶。新条アカネの精神は何もかもが思い通りにいかないストレスから日に日に歪んでいき、いつ精神崩壊してもおかしくない状況だった。
町中をナナシが暴れる中茫然自失の状態で雨の中をさまよっていたところ、たまたま響裕太と内海将が絢JUNK SHOPに駆け込み、グリッドマンに変身する様子を目の当たりにしてしまう。
さらには、自分が見捨てたはずの一緒に朝ごはんを食べてくれる怪獣が敵側からの愛情を受けてヒーローに目覚めた事がダメ押しとなり、裕太達の前にストッキングを脱ぎ捨て、割れた眼鏡をかけた本来の姿で現れる。
アカネ「そういうことだったんだ」
六花「アカネ…!」
アカネ「響くんがグリッドマンだと思ってたけどちょっと違ってたんだね
これでグリッドマンに変身してたんだ
わかるわけないじゃん…こんな中古のパソコンが必要だなんて」
将「神様にも…わからないことがあるのかよ?」
アカネ「あるよ
じゃあ内海くんは自分が今までに捨てたものまで全部把握してるの?そういう人がいらなくなったものが集まるお店でしょ?ここ」
裕太「新条さんはあの宇宙人に利用されてるだけなんじゃないの?だから…」
その瞬間、ヤンデレ少女さながらにアカネのカッターナイフが無残に裕太の胴体を突き刺す。
その後冒頭のセリフを囁くアカネはどこか哀しげであった……
なお、次の第11回のOPでは落下したカッターナイフが赤い血で染まった物に変更されている。
まさかの風評被害
御覧の通り、上記の展開は何一つ笑う要素の無いシリアスかつ衝撃的なものである。
……だが、SSSS.GRIDMANと同時期に『あかねさす少女』というアニメが放映されており、偶然にも(新条)アカネ・刺す少女というネタが成立してしまったのである。
ちなみに、同じく18年秋アニメの「ひもてはうす」でもほぼ同時期に放送された11話のサブタイが「茜さす」だったため、「あかねさす」「アカネ刺す」「茜さす」で三重でダブってしまったことも話題になった。
余談
別に“アカネを刺す少女”という意味ではない。
なお、特撮版『電光超人グリッドマン』33話にも、藤堂武史がカッターナイフでとある人物を刺し殺そうとするシーンが存在した。
特撮版では未遂に終わったが、今作ではそのカッターナイフとまったく同じものをアカネが所持していたことや殊更OPでもそれが強調されていたことから嫌な予感がしていた視聴者も少なくなかったようだ。
この展開は本気で殺意を抱きつつもすんでのところで踏み留まった武史(相手が驚くでも怯えるでもなく笑いかけてきた上にいきなり子供の姿に変わった事に戸惑ったのもあるだろうが)、たとえ衝動的であったとしても実際に凶行に及んでしまったアカネを対比させるような演出となっている。
ただ、武史の方は良くも悪くも性懲りのない性格(というかその33話以降も別に改心なんかしてはなかった)で、少なくともカーンデジファーに見捨てられるまではほとんど弱音を吐いたり自信を喪失したりしなかったのに対し、アカネは数回の挫折と敗北であらゆる気力を失いかけて憔悴気味になったりと、物語の中では彼よりも遥かに精神的に脆弱なキャラクターとして描かれており、この時点でその心は武史以上に追い込まれていたものと思われる。
製作スタッフのインタビューには「アカネは武史よりヤバい」と評する声もあったようだが、それは「武史よりも救い難い悪党」という意味ではなく「武史よりも不安定で危険な人物」という意味合いだったのかもしれない。