概要
1966年7月9日にテレビシリーズの放送に先駆け、杉並公会堂で行われたイベント『ウルトラマン子ども大会』を公開録画中継した番組(VTR収録)。
『ウルトラQ』の「あけてくれ!」が、「怪獣が登場しないうえに内容が難解すぎる」という理由で本放送が見送られ、『ウルトラマン』の放送開始が7月10日に前倒しになったにもかかわらず第1話「ウルトラ作戦第一号」の完成フィルム納品が7月10日に間に合わない可能性が出てきたために、TBSプロデューサーの栫井巍が1週間の時間稼ぎにと急遽企画した。
実際に第1話のフィルムがTBSに納品されたのは7月13日であり、当初の予定どおり『ウルトラマン』は7月17日からのスタートとなった。
番組はイベントの中継に、完成していた第3話のハイライトシーンが加えられての放送となった。
マスターテープは残っていないが、モノクロのキネコフィルムが現存している。
本番組はカラー放送されたという説があるが、新聞のラテ欄等の検証がされた結果元からモノクロであったとみられている。フロア担当ディレクターの樋口祐三も「カラー放送だったらカラーの中継車を出さなければならないし、そこまでやる番組でもなかった」とカラー放送には否定的な発言をしている。
イベント中のハプニング
前述のように本作はイベントの中継に第3話のハイライトシーンを組み合わせて放送した形になっているが、実はイベント中には多数のハプニングがあった。
- モンスター博士が怪獣を生み出す実験で試しに呼び出した豚(本物)が暴走して舞台上を走り回る。
- 前方の視界が悪くウルトラマンが段差につまずいてしまう。
- 実相寺の証言では「宙づりになった」とされている。
- 映像でも実際につまずいたように見える場面が一瞬確認でき、その場面で客席の子供に笑われている。
- アントラーの胴体が前後逆になっている。
このほかにも第3話のハイライトシーンの映像が流れる前と後で客席のざわつきが明らかに違うなどハプニングの痕跡が確認できる。
これらの事件からディレクターとして中継車から指揮した実相寺昭雄は独断で自分の名前をエンドクレジットから外してしまったという。
しかしこれらのハプニングは編集でカットされ、放送は30.6%の高視聴率を記録したという。
ちなみに実相寺はもちろん樋口も編集には関与しておらず、樋口も「誰がやったんだろう」と語っている。
登場怪獣
出演
スタッフ
脚本:金城哲夫