概要
その以前から用いられてきた「エログロ」(=煽情的で猟奇的)に「ナンセンス」(=シュールでアナーキー)を組み合わせた合成語。
1930年代(昭和初期)に成立し、第二次世界大戦による中断をはさみながらも戦前・戦後にかけて小説や映画、そのほか芸術関連で一大ムーブメントとなった。
どんなジャンルかって?
気になる人は『ドグラ・マグラ』や『痴人の愛』、江戸川乱歩全集や団鬼六の作品なんかに目を通してみて下さい。読んでみなって、トぶぞ。
…実際、あまりに情緒や倫理的にヤバイ内容で戦前・戦中に発禁処分をくらった作品が多数である。
あの手塚治虫も近親相姦を題材にした『奇子』等の該当作品を創作している。
このジャンル・ムーブメントの全盛期は社会的にも奇怪な経緯をたどった阿部定事件や帝銀事件、劇場型犯罪として知られる三億円事件やグリコ・森永事件、はては極左暴力集団が引き起こした山岳ベース事件やあさま山荘事件といった現在でも伝説的に語られる事件が頻発しており、エログロナンセンスは良くも悪くも当時の時代感を投影していたと評されることも多い。
ガロ系、OVA、エロゲー、アダルトビデオ・ホラー映画、深夜アニメ等にその命脈は受け継がれているといえる。これらのジャンルは21世紀以降、はっきりと明暗が分かれ、SNSの発展やサブスクリプションなどの多様な配信サービスが普及すると、オタク層に付随する深夜アニメなどのコンテンツは大衆化し大きな躍進を見せ、他にもR-18同人や倫理観がぶっ飛んでいる作品が多いお絵かきサイトなどもマニアの中で盛況を博す一方、かつてサブカル中のサブカルとして知られたガロ系がこの流れに乗れていないことを悲しむ往年のファンも多い。
関連タグ
- ガロ系⋯60年代流行った漫画雑誌「ガロ」の系統。