概要
ストーリー内容は基本的に原作者である吉崎の草案を劇場用に改変したものである。
公開時期は3月の春が恒例であるが、第5作のみ2月の冬公開となった。
作品の特徴
ストーリー
ストーリー展開としては、いつもの1話完結方式で他のエピソードに影響がないほのぼのギャグストーリーではなく、物語の鍵となるアイテムやアクシデントが多く登場するシリアスストーリーとなり、なおかつ特定組織やキャラクターの過去エピソードが何かの形で影響・進行することが多くなるのが基本。
本編との違いとしては舞台が日本ではなく世界規模となっており、基本的にメインキャラクターは「原因不明の異常を探索する」という目的でその地に向い、敵と対峙する形でゲストキャラと対面する。そして物語のクライマックスでケロロ小隊とそのパートナーとなる地球人がお互いに助け合い、ゲストキャラを助けるというハッピーエンドで終わるのがお約束である。
そのために「宇宙人と地球人が協力する」という場面が多くあり、どの劇場版アニメ作品よりも相対する立場の"絆"を描いている側面が強くある。
キャラ面
登場キャラクターこそ本編のメインキャラクターの面々とゲストキャラに固定されるため他劇場アニメ作品と比べると少なく見えるが、ケロロは「主人公」「責任感のあるリーダー」・ギロロは「冷静担当」「ネタ枠」・冬樹は「宇宙外交官」・夏美は「地球最終防衛ライン」といった感じのそれぞれに見合ったポジションが全員に存在し、それが各キャラごとに上手い具合に行き渡たってどこかの場面で誰かが絶対に目立つような演出が取られている。
物語を盛り上げるゲストキャラはそんな個性的なメインキャラに引けを取らない「悪堕ち」枠として登場する。その特徴こそ作品によってそれぞれ個性はあるが、全シリーズに共通する点としては地球侵略と地球防衛の両方の障害となる第三勢力のキャラであり、地球人ではないこと。
これがケロロ軍曹ならではのゲストキャラの特徴と言える点であり、いわゆる人種差別に対する描写が少ないキャラが多く、これが本シリーズのゲストキャラの最大の特徴となっている。
本編との繋がり
基本的に原作とは直接繋がらず、テレビアニメ版と繋がる設定になっている。
代表的な例でいえば、劇場版長編4作目に登場したフェリシタシオン・ドゥ・ドラクーンは何度かTV本編にも登場しているほか、第356話「ケロロ小隊 真ドラゴンウォーリアーズ であります」では全作品の出来事が写った写真アルバムが登場しているなどである。
本シリーズが劇場版というものであるため『テレビアニメ本編の番外エピソード』という扱いであるが、本シリーズが(初期の頃こそテレビアニメ版と繋がらない部分が存在していたものの)テレビアニメ本編と直接的に繋がっていることから、テレビシリーズで登場する一部ゲストキャラは本シリーズと何かしらの形で繋がることが多くあり、本シリーズ内で過去のアニメエピソードや劇場版シリーズの設定を言及する場面もあったりする。
特に作品最大の謎とされている「"古代ケロン"の歴史」は本シリーズで初出されることが多く、これらについては普通に劇場版過去作も一部関わってくるため、ケロロ軍曹という作品全体を深く知りたい人にとっては切っても切れない重要なシリーズになる。
これらのことから一般的なギャグアニメ原作の劇場版作品のような過去の劇場版知識が一切必要でないフォーマットというわけでもなく、第一作からすでに物語が地続きとなっているような描写も多数存在し、過去作を見ている人ならば最新作を見るとより面白さが増す作品にもなっている。
一覧
- 『超劇場版ケロロ軍曹』【1】
2006年3月11日公開。ケロロ軍曹の劇場用長編映画第1作。
同時上映『まじめにふまじめ かいけつゾロリ なぞのお宝大さくせん』
2007年3月17日公開。
同時上映『ちびケロ ケロボールの秘密!?』
2008年3月1日公開。
同時上映『武者ケロ お披露目!戦国ラン星大バトル!!』
2009年3月7日公開。
同時上映『ケロ0 出発だよ! 全員集合!!』
2010年2月27日公開。劇場版5周年記念作品になっている。
同時上映『超電影版 SDガンダム三国伝 Brave Battle Warriors』
パラレルワールド
本作には別次元となるパラレルワールドがいくつか存在する。
根本的なストーリー設定が変わっていない場合、
- 第一作 ⇒ 演習だヨ!全員集合
- 第二作 ⇒ 深海の迷子たち
- 第三作 ⇒ 天空大冒険であります!
- 第四作 ⇒ 撃侵ドラゴンウォリアーズであります!
- 第五作 ⇒ 冬樹の石像/激闘!!絶海之孤島大決戦!!
という風に、1,3,4はゲーム版として、2,5は漫画版として展開されている。基本的に単発で終了する(アニメとも原作とも繋がらない)設定だが、2の漫画版は現段階で原作本編で直接言及されていないものの、5の漫画版は『ケロロンボール編』にて後日談が描かれていたりと、漫画版はその後も原作本編と繋がる可能性が考えられる。
他にも小説版等も存在するが、ここでは割愛する。
原作では
上記のように、この手のストーリーやゲストキャラクター(特に1作目から3作目)はテレビアニメ版を基準に作られているので、原作とは一切繋がらない。
そのため劇場版のキャラクターを原作に出す場合はストーリーやキャラクター設定を大きく変更して原作に逆輸入する必要があるため、基本的には上記の2,5作のようなパラレルワールドが展開される。エピソードによっては一部のゲストキャラクターが一切登場せず物語が進行するというケースも存在する。
ただし1の漫画版である「KILULU DISPOSAL」のように前日譚となる外伝が原作単行本のおまけとして描かれていることもあり、その場合は本シリーズと繋がっているとみなされている(基本的にはケロロたちが主人公でない場合が多い)。