「ゴー…」
「ゴーーーーーーーー…オーーーーーーーー」
概要
クリア編にて登場した魔物の子の一人。
アニメ版はファウード編で終了したため登場せず、CMやゲーム等にも出演していないためCVは今のところ無し。
本の持ち主はミール(詳細は「本の持ち主」の項目を参照)。
公式からプロフィールは公開されていないため、人間換算年齢や好物等は一切不明。
本の色のみ、作者ブログ「雷句誠の今日この頃。」にて「エボニー」だと明かされている。
原作終盤における敵としての強さもさることながら、以下で述べるような様々な描写から「何らかの突然変異で生まれた魔物、もしくは絶滅危惧種の類なのでは?」とその出自についての謎も話題となった魔物である(※公式設定としてそのように解説されてはおらず、現状ではあくまでファンの想像に留まっている)。
人物(?)像
容姿
一言で表すならば「二本足で立つ、腹筋が逞しく割れた全長数メートル以上のカブトムシ」めいた異質な外見をしている。
頭部には丸みを帯びた太く長い1本角を生やし、背中には半透明の薄い羽根も生えている等々、やはり全体的に昆虫を思わせる要素が多い。
他、両足の脛辺りには3本の棘が生えており、両手は掃除機の吸引口を思わせるような特殊な形状となっている。
体色に関しては全体として紺、腹筋や二の腕は白、肩周りや羽の周囲は金色となっている。
性格
そもそも「ゴー……」「ゴッ」「ゴーオー」等の無機質な鳴き声しか発せず、一切きちんとした言葉を喋らないため、初登場の時点では性格や思想について不明な点が多かった。
もっとも、これは恐らくゴームの年齢が幼く、ウマゴンやロップス等と同様に「人間や魔物の言葉を理解してはいるが喋れない」状態だからだと思われる。
ウマゴンやヨポポ等の「まだ幼いので喋れない」設定のある魔物が4歳なので、ゴームも同じく4歳前後なのだろうか?
また、本の持ち主であるミールからも「難しい話ってわかんないんじゃないかな?」と評されている通り、作中全体を通しても思考力に優れている描写は(お世辞にも)一切無く、ある種の幼稚な印象が強いのは否めない。
しかし、クリア編を経てキャンチョメと友達になり、温もりを知ってからはクリアへの反逆を決意し、最終的には重傷を負ってまで抵抗し続けていた姿も踏まえると、「まだ幼いが故に物事の善悪や重大さを理屈で判断できていなかっただけ」「良くも悪くも己の感情に素直」な面があるのだと思われる。
異質な生態的特徴
見た目だけでも他の魔物と比べてどこか奇妙な印象を受けるが、多くのファンから「何らかの突然変異で生まれた魔物」と考察されるのも納得なほどの描写が数多く存在する。
具体的には以下のような描写となっている。
- ファウードやバオウについて知っているほどの博識な魔物であるアースからも「あの魔物は見たことがありませぬ」「あんな… 不気味な…」と異質さを強調するような台詞を述べられる。
- 原作303話ではクリアもゴームに対して「物心ついた時から親もなく、これといった友人もいない」と述べている。
- 人間型はもちろん、獣型の魔物でも当然見受けられる耳や口、鼻に該当する器官が一切見受けられない(目がどこなのかもハッキリしていないのだが、頭部にある黄色い菱形の箇所がほぼ間違いなく目だと思われる)。
- 原作303話の回想シーンでは雑草を、少年サンデーコミックス版31巻の裏表紙ではラーメンを頭部ではなく両手にある吸引口のような箇所から吸い込んで食べている。
- 原作最終話や劇場版『101番目の魔物』等々で魔界に住む魔物達が描かれる際にも、ゴームと似たような外見の魔物や、多少なり似通った要素を持つような魔物が一体も存在しない。
- 術の項目で述べるように、「異様に名前の長い呪文」や「他の魔物と共通した系統や等級を示す語が付かない呪文」を複数修得している。
実力
「原作最終章における敵側の幹部クラス」的な立ち位置での登場なのもあり、作中全体を通しても上位の実力を持つ強者。
修得している呪文に強力な威力や性能を誇るものが多く、戦闘開始から間も無い時点で強力な呪文を躊躇なく撃ち、火力で相手を圧倒するような戦闘スタイルを取る。
事実、公式情報との比較からディオガ級複数相当だと断言できる上級呪文すら修得しているため、純粋な火力であればファウード編に登場した大多数の強者達をも遥かに凌いでいる。
術以外の圧倒的な強み
魔本とは関係の無いゴーム自身の能力として、両手から黒い靄のようなワープゲートを出現させ、一瞬で長距離の移動が可能。
ゲートの生成には多少の時間がかかるようだが、以下に挙げるような破格の技能となっており、「呪文に頼らない移動手段」としてはゼオンのマントに匹敵もしくは上回るほどの作中最優である。
- 一度ゲートさえ完成させてしまえば国を跨ぐ程の距離も即座に移動可能。
- 長距離だけでなく、目前で逃走した相手を追跡する際の短距離移動にも利用可能。
- 屋内と屋外も壁などを無視して自由に行き来可能。
- ただ移動するのではなく「別空間を作る」能力の性質上、空間の中で味方の保護も可能。
- 展開時間に制限は無いと思われ、数ヶ月単位で別空間を展開し続けることすら可能。
- ゲート内部にいる時は他の魔物から魔力感知されもしない。当然、外から攻撃を受けることも一切無い。
呪文抜きの肉体強度に関しても、アースがゴウ・ソルドで強化した剣の連撃を何発も受け止めても掠り傷すら負わない程の頑強さを誇っている。
つまり、素のフィジカルだけでもゴウ級をほぼ無傷で受け流すことが可能。昆虫のような見た目から察するに皮膚が非常に硬いのだろうか?
また、クリアとの対決後には身体の8割近くを失うほどの重傷を負っても何とか生命を保っているので、動物型の魔物の中でもトップクラスのバイタリティを持つと思われる。
弱み
一方、ミールも「難しい話ってわかんないんじゃないかな?」と小馬鹿にしている通りなのか、原作終盤まで生き残った実力者にしては(酷評すれば戦いに参加した100人全員の中でも)戦闘における洞察力・思考力に関して些か難があるのは否めない。
事実、以下のように戦闘における判断力が高くない描写が散見される。
- アース戦ではジンガムル・ディオボロスを下級呪文の幻で回避されたことに全く気付かず、勝利を確信して大喜びする。隣でミールは冷静に看破していたので、自身の本の持ち主の反応にすら目を向けていなかったということになる。
- ブラゴvsクリア戦にガッシュとアシュロンが割って入った際には、アシュロンが自身に狙いを定めていることに全く気付かず棒立ちし、危うくディオガ級を無防備で食らいそうになる(これに関してはミールも気付いていなかったので、純粋にアシュロンが優れていた面も大きい)。
- シン・ポルク自体が超強力な術であるとはいえ、キャンチョメ戦ではワープゲートの生成や自力での飛行を1度妨害されただけで、再び同じ手段を試す素振りすら見せなくなってしまった。
- ワープゲートの生成はともかくとして、羽に関しては「羽が欠損した幻」を見せられているだけなので、もしゴームが再び飛ぼうとすれば羽を自由に動かせる=負傷が嘘だと気付き、精神的に持ち直せる可能性も充分にあった。
また、ゴームが魔力感知を行える範囲はたった半径5kmであり、これはブラゴやアシュロン、修行後のガッシュ等の強者はもちろん、原作20話で退場したフェインにすら劣っている。
いかんせん早期にクリアと出会ってしまったため、強者であるにもかかわらず充分な戦闘経験を積めなかったことがネックだと言える。
本気の本気で戦った場合
だが、洞察力・思考力の未熟さはそもそもゴームが幼く「王を決める戦い」に対して高いモチベーションを持っていなかったからでもあり、本気で覚悟を決めた時の戦闘力に関しては良い意味で未知数でもある。
事実、クリアへの離反を決意して戦いを挑んだ際には、作中最強の魔物であるクリアを単独でロッキー山脈へ置き去りにし、ミールと共に生き延びて逃走を成功させるほどの底力を見せた。
ゴーム自身は重傷を負ってしまったし、クリアが繭形態だったという大きなハンデもあったものの、消滅の力を持つクリアを相手にミールを五体満足で守り切った点は大いに評価すべきだろう。
よって、本気の本気で戦った時には優れた戦術理解力やハイスピードでの戦闘も実行可能になると思われる。
総評
思考力や魔力感知能力に未熟さがあるのは否めないが、術とワープゲートの性能が非常に優れている以上、『総合的な戦闘力』に限って見れば充分に作中でも上位である。
何より「火力で相手を捻じ伏せる」戦闘スタイル と「搦め手や時間稼ぎで正面戦闘を避ける相手を逃さない」ワープゲートの性能 は抜群に噛み合っており、対峙した相手に正面からの戦いを強要できるのは大きな強みである。
それこそアシュロンやクリア等の作中トップクラスの魔物や、キャンチョメのシン・ポルクのような余程の初見殺しが相手でもなければ、小難しい思考など関係なく火力で捻じ伏せられるのがゴームの強みであるのは変わらない。
「呪文の撃ち合いに強いから強い」という、強さの指標として非常にシンプルなのがゴームらしく、彼(?)の魅力なのかもしれない。
術
公式から術属性は発表されていないため、現状では不明。
他の魔物と属性が被っているようにも見えないため、現状では「黒いエネルギー波」としか表現できないような独特の術が多い。
ただ、以下の2点から考えた場合、おそらく「蝕み」や「腐食」といった属性である可能性が高いだろう。
- 1:エリーがディオボロス・ザ・ランダミートについて、ガッシュと清麿に「黒いカビみたいな塊が、剣の術を腐らせた」とメールで説明している。
- 2:術を人体に命中させて重傷を負わせたり、周囲の大地を消し飛ばす際には「ジュオオオ」とまるで対象を融解しているかのような効果音で表現されている。
もし仮に「腐食」であれば、どことなく「昆虫」めいた外見とイメージが合致しているようにも思える。
ディオボロス
両手から黒いエネルギー波を飛ばす術。
恐らく第一の術だが殺傷力は高いようで、一撃でルーパーの両足から大量出血させるほど。
また、仮にもギガノ級であるギガノ・ジョボイドでも完全には消し切れていなかった(ただし、パピプリオもやや振り向きにくい体勢から放った事情もある)ので、初級術にしては非常に高い性能を誇ると見て間違いないだろう。
ギガノ・ディオボロス
同じく両手から黒いエネルギー波を飛ばす術。
見た目は通常のディオボロスと特に変わらないようだが、ギガノ級なだけあってサイズは増しており、ゴームの全長程の大きさになっている。
ボージルド・ディオボロス
黒い同心円状の盾を空中に出現させる術。
パピプリオのディオガ級であるディオガ・ジョボイドを難なく防ぎ切っており、防御を専門としない魔物が覚える防御術の中ではトップクラスの防御力を誇ると思われる。
バークレイド・ディオボロス
「よけるのは簡単だけど~」
「しゃくだから真っ向ぶっつぶしちゃおーね、ゴーム」
独特な「モロモロモロ」の効果音を伴う光線を相手の術に浴びせ、ゆっくりと捻じ曲げた後にミールが「ショック!!」と合図して破壊する。
この術のみ、なぜか他の術とは異なり、黒いエネルギー波ではなく不思議な色をした光線を発射している。
とはいえ性能は非常に高く、アースのディオガ級たるギャン・バギャム・ソルドンを数秒で容易く破壊するほどの対処力を誇る。
ウィー・ムー・ウォー・ジンガムル・ディオボロス
「あいつは敵。敵は倒す」
「実にシンプルなこの一つを実行するだけよん」
「じゃあ、ちょこちょこっと本気出していきましょうか?」
両手を交差してから前方へ突き出し、多数の小さな棘が生えた数メートル以上もの大きさを誇る巨大な球体のエネルギーを発射する。
尚、「ウィー・ムー・ウォー」の部分は作者ブログ「雷句誠の今日この頃。」にて術名の一部だと明言されているため、掛け声ではない。
●威力について
実は作中において他の上級呪文とぶつかった場面が1度も無いため、正確な威力は不明(1度目はアースのボルセンで回避され、2度目はキャンチョメのフォウ・スプポルクで強制中断させられている)。
もっとも、キャンチョメ戦でギガノ・ディオボロスを使用した後のミールが「さっきの弱い術とは比べ物にならない術よ」と発言しているし、術の迫力やゴームの実力を踏まえれば間違いなくディオガ級相当だろう。
ディオボロス・ザ・ランダミート
「ダメ~~~~負けちゃう~~!!」
「ってのは~~~~ウソぴょん」
「あたしのゴームをなめてんじゃないわよ。『黒い部屋(ブラック・ルーム)は深くて、恐ろしい』ってね」
「全てを闇へと誘いな!!!」
空中に四角い箱のような物体を出現させ、その周囲に命中したものを腐敗させる黒い球体や立方体を無数に展開する術(あるいは箱から生み出している?)。
ファウード編で登場した大多数の上級呪文を軽く上回る威力と範囲制圧力を併せ持っており、ファンからは「超ディオガ級」に分類されているほどの超強力な術。
超ディオガ級の詳細は「術(金色のガッシュ!!)」の記事を参照。
●威力について
作中の描写と公式情報を合わせて考えた場合、ディオボロス・ザ・ランダミートは並のディオガ級5つ以上もの圧倒的な強さだと解釈できる。
理由は以下の通り。
- 1:アース戦にて、ディオボロス・ザ・ランダミートはヴァルセレ・オズ・マール・ソルドンと1対1でぶつかった上で圧勝し、アースとエリーにトドメをさす余力すら残している。
- 2:作者ブログ「雷句誠の今日この頃。」にて「ヴァルセレ・オズ・マール・ソルドンはゴームと戦った時点ではディオガ級3~4はあったと思います」と解説されている。
本の持ち主
ミール
ゴームの本(エボニー)の持ち主。
公式からプロフィールが明かされていないため、年齢や国籍等は一切不明。
羊毛のようにボリュームのある髪や大きく膨らんだスカート、スレンダーな体型が特徴的な女性。
今作に登場する女性キャラの中でも肌の露出が多く、スカートから伸びる美脚やドレスから出ている両肩に大人特有の色気を感じさせる。
作者ブログ「雷句誠の今日この頃。」では「ミールの髪の毛は金髪です。少し銀に近いような『見た目も軽~い』金色ですね」と髪色についてのみ回答されている。
普段は「~ぴょん」等の可愛らしい語尾や「ダメ~~~~~」「ってのは~~~~~」等の間延びした口調で喋るものの、戦闘時にはたとえ相手が体調不良を起こそうとも、格下だろうとも躊躇なく叩きのめす(リアリスト故に)冷酷な面を見せる。
●出自について
少年サンデーコミックス版31巻の中扉ではゴームとの出会いも描かれており、ゴームは何やら豪華な屋敷の中で何人もの黒スーツを蹴散らし、ミールだけを抱えて連れ去った模様(中扉は公式ファンブック「金色のガッシュ!!20周年ありがとうなのだ!ブック」に全て収録されているため、現在でも確認可能)。
戦闘時の性格や終盤での口調を踏まえると、恐らく「名家のお嬢様」のような高貴で優雅な生まれではなく、ギャ〇グやマ〇ィアの1人娘といった裏社会に関係した家柄だと思われる。
活躍
初登場は原作280話(クリア編冒頭)。
クリア編における敵側の幹部的なポジションを担っている。
クリアに協力している具体的な理由は明かされていないが、ゴームやミールの言動を見る限り、過去に圧倒的な実力差によって痛みや恐怖を与えられ、半強制的に協力させられているような立場だと思われる。
クリアからは協力の見返りとして「お前には生き残らせたい家族もいないから残してやる」という形で、クリアが魔界の王となった後の生存を保証されている(もっとも、魔界の魔物すべてを魔界の王となったクリアが消し、クリア自身も自死した後の完全な孤独の身の状態での生存だが)。
原作281話でアースとエリーの部屋にワープで現れ、彼らに戦いを挑む。
エリーが発作による急激な体調不良を起こす等の大きなハンデはありつつも、作中でもかなりの実力者であるアース達を終始圧倒し、あっさりと本を燃やしてどこかへと去っていった。
次の登場は原作30巻。シェリーとブラゴの前にクリアと共に現れる。
アシュロンが参戦してからはクリアの指示を受けて一時撤退しており、アシュロンの一撃によってクリアが致命傷を負った際には再びゲートから姿を現してクリアを保護。クリアの再生が済むまでの10ヶ月間、ワープ空間内部にてクリアを守護を指示される。
しかし、7ヶ月後には流石にストレスが溜まってしまい、発散のために魔物狩りに出かけ、イタリアのミラノでパピプリオを待ち伏せて襲撃。
しばらくはパピプリオとルーパーを痛め付けていたが、事態を察知したキャンチョメが加勢に駆けつけ状況は逆転。キャンチョメの術に翻弄され、シン・ポルクによって精神崩壊寸前の大ダメージを負わされる。
しかし、フォルゴレが仲裁に入りキャンチョメを説得し、いくら悪者とはいえゴームとミールに過剰に攻撃をしてしまった事実をキャンチョメが自覚し戦いは終わった。
優しい心を取り戻したキャンチョメは謝罪の意と、ゴームを「倒す」のではなく「和解する」道を選び、蝶や鳥の集まる花畑の世界を術で作り出しゴームと和解。
「魔界に帰ったら友達になろう」と約束を交わし、戦いで生じた瓦礫に鳥の絵を描いてゴームにプレゼントした。
その後、クリアのザレフェドーラによってキャンチョメは魔界へと送還されてしまうが、キャンチョメとの戦いと和解を経てクリアの行いに思うところが生じ、「キャンチョメも一緒に生き残らせてほしい」とクリアに懇願。
当然のように断られるも、パートナーであるミールを説得し、彼女と共にクリアに戦いを挑むも力及ばず敗北。
それでもゴームなりに奮闘した模様で、クリアとヴィノーをロッキー山脈への置き去りに成功。
最終的には左腕と下半身を丸ごと失う重傷を負い、最後に力を振り絞ったワープゲートでミールをガッシュと清麿の元へ送り届け、本を燃やしてもらった。
尚、ゴームがクリアに対して奮闘する原作303話のサブタイトルは「ゴームの友達」であり、本人の心情が感じられるものとなっている。
最初はミールもゴームを厳しい言葉で咎めていたが、ガッシュ達に呟いた言葉からはゴームの説得に応じた理由が「ゴームの成長を認めた」「ゴームが心からの気持ちを伝えたのを見て、ミール自身も恐怖の克服ができた」等と好意的な解釈ができる。
総じて、仮にも作中終盤まで生き残っているペアなだけに、ミールとゴームも心のどこかではきちんと絆を育んでいた真実が示唆される最後となっている。
原作最終回で魔界の様子が描かれた際には、パピプリオとも仲良くしているらしく、キャンチョメとパピプリオの2人を肩に乗せて学校に通っていた。
同じく最終回の「魔物からの手紙を読む本の持ち主達」のシーンでも、ミールはどこか嬉しそうな笑みを浮かべて手紙を眺めている。
「王を決める戦い」ではクリアに傷付けられたりと苦しい経験をしたものの、かつては天涯孤独であったゴームにとって「友達」ができた現在はとても幸せなものになっているに違いない。
余談
モデルについて
連載終了後、作者ブログ「雷句誠の今日この頃。」にて「ゴームのデザインモチーフとなったのはウルトラマンに登場する怪獣のゼットン。アース戦の流れもウルトラマンVSゼットン戦をオマージュしたもの」だと回答されている(該当ページはこちら。外部リンク)。
レインの術名との比較
レインとゴームの術は、どちらも術名に「ディオ」が含まれている場合が多いため、作中の描写と合わせて「レインとゴームはどちらも『特別変異』だから術名に必ず『ディオ』が付く」と解釈されもする。
だが、結論から述べるとその解釈は誤解である可能性が高い。
現に作中の描写を個別に検証すると、以下のような差異が見受けられる。
●ゴームの場合
- 作中で披露した全ての術名に「ディオボロス」が入り、かつ「ディオ~ボロス」のように離れていない。
- 更に、等級を表すギガノを冠する術ですら「ディオ」の部分が外れたり変化していない。
つまり、ゴームの「ディオ」はディオ級(=等級)を示す語ではなく、「ディオボロス」の6文字がセットでゴームにとっての固有名詞(=属性を表す語)だと見なして間違いない。
●レインの場合
- 防御呪文である「アーガス・アボロド」では「アボロ」のみが残り「ディオ」の部分が消えている。
- つまり、レインが使用する全ての術に「ディオ」が付くわけではない。防御呪文である「ボージルド・ディオボロス」でも「ディオボロス」がセットで残るゴームとは対照的である。
よって、レインは「アボロディオ」の6文字セットで固有名詞なのではなく、「アボロ」の3文字のみが固有名詞だと見て間違いない。
レイン本人の記事でも触れているように、そもそもとして「レインが特別変異」などと作中や公式情報で明示された書籍や場面は1度も無い。ネット上で偶に書き込まれている「特別変異」の表現はあくまで一部のファンの考察である。
細かく分解すれば別に術名が似ているわけでもないし、術名を根拠として両者を同類だと見なすには説得力に欠ける面も大きい。
金色のガッシュ!!2にて(ネタバレ注意!)
現状では本人は未登場だが、第16話の描写で生存が確定した。
同話におけるティオのイメージ図で姿が描かれているが、恐らく読者への説明も兼ねた表現であり、成長した姿のシルエットそのものではないと思われる。
ティオ曰く「ある場所に隠れながら、魔界の各地に移動用の穴(ワープゲート)を作ってくれている」らしく、ワープゲートによってガッシュ達の移動を助けてくれた。
清麿も「味方になるとここまで頼もしいとは」と述べているように、魔物達の避難誘導や保護が目下の課題となっている戦況を踏まえても、今作では非常に頼もしい味方として描かれていくと予想される。
しかも今作では、年月に伴い技量が増したとも解釈できる描写すらある。具体的には以下の通り。
- 数十メートル以上はある巨大な救助船を容易く包み込める程の巨大な穴を生成する。
- ゴーム自身がその場にいなくてもゲートの開閉が行われている。つまり、遠隔で自在にゲートを操作することすら可能となっている。
- 前作では必ず自身の両腕からゲートの出入口を生成していた。ティオの「ある場所に隠れながら~」や「この船には乗っていない」などの台詞から、ゴームが異空間内にいないのは確定。
関連イラスト
関連タグ
クリア・ノート:作中で(半強制的に)組んでいた相手。
キャンチョメ/パピプリオ:クリア編を経て友達になった魔物達。
バーゴ:「いかついビジュアルとは裏腹に性格や言動が子どもっぽい」「キャンチョメと1vs1で戦い、術の効果を正確に見抜けなかったのが敗因となる」などの共通点を持つ魔物。
同作者作品の関連キャラクター
- クローバー(どうぶつの国):作者の雷句先生がガッシュ連載終了後に連載していた作品『どうぶつの国』に登場するキメラにして〈バベル3〉の一角。複数の昆虫を参照して作られたキメラであり、「巨大な昆虫のような禍々しい外見」や、並の動物を視認されずに一瞬で殺害可能なほどの「圧倒的な戦闘力」等が共通している。