概要
スターリン主義はStalinism( スターリイズム )とも呼ばれ、共産党一党独裁を肯定する政治体制を指す。
ソビエト連邦( СССР.USSR )とソ連共産党を立ち上げたレーニンの後継者として、スターリンが書記長として活躍した時代に定められた共産党・ソビエト政府、連邦国家の体制を批判する立場からの通称である。
【特徴】
- 『赤い皇帝』権威を持つ党首である書記長を頂点とした一糸乱れぬ『地上最強の労働者党』としてガチガチの共産党員の官僚的共産党員のピラミッド体制。
- 共産党およびそのトップに歯向かう人間は子供や老人であろうと粛清という立場を貫く。
- ソ連一国共産主義の元、全世界を一つに束ねるため、まずソ連邦・共産党の統制化におく努力をする、そのためには犠牲はいとわないが、基本的には平和共存を標榜する。
- 全世界を一つに束ねる前に、諸外国すべての共産党をソ連共産党のコントロール化に置く
- この世すべての存在を『五カ年計画』で達成する
- この世すべての存在の事象は共産党・ソ連邦の共産主義のみがコントロールする力を持つ
他
超える思想の有無
この思想はスターリン亡き後、「共産国家は独裁国家なのか?」という素朴な疑問を払拭するべく、後任の党首がスターリンを超える理念改造を試みたが、スターリンを否定すること自体が下手をすると共産党自体の否定になりかねないという根本的な問題が解決を見なかった( ただし、ゴルバチョフの超絶な善良さを発揮した時代のソ連共産党がぶっ壊れなかったら、別次元のニュータイプ的共産党な超越的政党になっていたかも知れないが、なんとなく人間では無理だったのかもしれない…… )
思想の保有
これらの思想は当時の社会主義諸国および共産党に広く支持された。
現在の共産党組織では、中国共産党・ベトナム共産党・キューバ共産党などが多からずスターリン主義を保持していると思われる。ただしこれらの政党に関してはさらに指導者の思想等を取り入れ、別のものに分類される場合がある。
またアメリカ共産党もこの思想を保持しているものと思われる。
朝鮮労働党は、2013年に最高統治規範に共産主義が存在しないため、破棄したものとも独裁の維持のためこの思想をいまだに所有しているともいわれる。
一方、ユーゴスラビアはこの思想に反対し、さらに西欧の過半数の共産党は1970年代のユーロコミュニズムの影響もありこれらの思想を破棄している。また東欧の各政権与党であった政党の大多数は社会民主主義政党に鞍替えするか、消滅した。
日本共産党はスターリン主義を肯定する立場ではないとした。
【補足】
- スターリン主義は共産党組織でなくても組織能力を誇る政党や団体・企業でも起こりえるとされた
- トロツキズム信奉者がこの名称をつけた、すなわち蔑称に当たる
- スターリン、およびソ連の政権およびコミンテルン系譜の世界各国の共産党はこの思想をマルクス・レーニン主義と呼んだ
関連項目
【参考文献】