概要
『Fate/Grand Order』第1.5部の亜種特異点Ⅲ『屍山血河舞台 下総国』で登場。
妖術師に仕える英霊剣豪七騎のうちの一人であり、英霊剣豪の中でも最強の実力を誇る。キャスター・リンボと双璧を成す妖術師の側近のひとり。
普段はフードで顔を隠しているが、その状態でも宝蔵院胤舜を完封する程の技量を持つ。
「エンピレオ」とは、イタリアの詩人「ダンテ・アリギエーリ」の叙事詩『神曲』天国篇において天国の最上層「第十天 至高天」を指す単語。
ちなみに『神曲』は「地獄篇 Inferno」「煉獄篇 Purgatorio」「天国篇 Paradiso」の三部から構成されている。
人物
人を解体する術に長けていると評されており、本人もそれを認めている。
妖術師の命令には忠実だが、キャスター・リンボの外道っぷりをあまり快く思っていない。
能力
※真名に対する大きなヒントになりかねない情報は記さない。
スキル
宿業 一切両断 | 通常攻撃時に強化状態を解除 |
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精神異常無効 | 精神異常を受けない(解除無効) |
心堅石穿 | 自身の攻撃力をアップ(5T)(解除無効) |
無念無想 | 通常攻撃への耐性を100%アップ(永続・解除無効)、味方全体のNP獲得量アップ(永続・解除無効) |
ゲームでは英霊剣豪七番勝負の中で七番目に戦う。
通常攻撃時に強化状態を解除する特殊スキル「宿業 一切両断」が常時付与されているため、こちらのバフは片っ端から台無しにされる。加えて、「精神異常無効」により魅了が通じないため、男性セイバーキラーとして有名なエウリュアレはその強みが半減されてしまう。
更にギルガメッシュなどのサーヴァント特攻すら入らないので注意。
また、ゲージを二本割ると通常攻撃への耐性を100%アップを常時付与する『無念無想』が発動し、宝具以外の攻撃が殆ど通らなくなる。一方で、同時にこちらへ解除不可のNP獲得アップ状態を付与してくれる。
以上のことから、バフ頼みの長期戦ではなく、手持ちのアーチャーの宝具による瞬間火力で短期決戦に持ち込むのがオススメ。
関連タグ
以下、ネタバレ注意! |
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正体
我が名は柳生但馬守宗矩。
至高天(エンピレオ)の名を冠する宿業を有した最後の英霊剣豪なり。
実はサーヴァントではなく、英霊剣豪の中では唯一物語の舞台となった日本に住んでいた生身の人間・柳生但馬守宗矩。
「汎人類史」においては一介の英霊として昇華されている彼は、生身の人間でありながらサーヴァントに劣らぬ実力と、英霊剣豪に選ばれる深い業を持つ人物であった。
本章の舞台である『異界の下総』でも、彼は国に仕える剣豪として正道の生涯を全うする筈だった。
それが大きく狂ったのは、他ならぬ宮本武蔵との出会いであった。
かつて武蔵は鯉口で誘いながらも、相手が剣神に達した剣豪だった為に命のやり取りになってしまうと判断し、「弱い者いじめだ」と喚きながら切り合うことなく別の世界に逃げ出した。
「……消えたか。剣術だけではなく妖術にまで精通しているとは」
「手応えはあったが、頭蓋を割るには至らなんだ。……我が秘伝を受け、二度までも生き延びる―――新免武蔵守藤原玄信。その名、決して忘れぬぞ」
しかし宗矩の方は、本気で殺すつもりで放った技を二度も防ぎ切った武蔵の剣技に魅了され、この瞬間から強い剣豪との命を賭した本気の戦いに生まれる愉悦を知り、それに深く取り憑かれてしまった。
やがてこの一念に支配された彼には、もはや家光公への忠義も、守るべき民衆も、天下人のみに見せるべき江戸柳生もどうでもよくなってしまい、そこにいたのは皮を脱ぎ捨てた剣鬼であった。
本人はそのことを一切後悔しておらず、むしろ自分を変えてくれたその出会いに感謝すらしている。
やがて妖術師と出会い、自分が出会った宮本武蔵が再びこの世界に現われると聞かされた宗矩はただ歓喜し、武蔵の敵になり本気の彼女と戦うためだけに妖術師の配下になり、徳川の世を地獄へ変えるために動くようになった。
その半年後、再会した宮本武蔵に味方として近付き、表向きは化生退治の味方として、彼女が他の英霊剣豪を倒して成長するのを待っていた
そして劇中終盤にて「セイバー・エンピレオ」としての素性を晒し、敵対する。
「また武蔵と戦いたい」。たったそれだけのことのために全てを捨てて悪鬼羅刹と化し、妖術師一味に与して自分たちを騙していた宗矩を、武蔵だけは怒りこそ抱きつつもどうしても責めることはできなかった。
それは自分との出会いが宗矩を変節させた直接の原因であったこと以上に、彼女自身もまた「剣客の業」、即ち、強さの果てを目指して強い者と互いに命を賭けた極限の境地で剣を交えることの愉悦に取り憑かれた一人であり、彼の求めるものをどうしようもなく理解できてしまうからであった。
生前、宗矩は武蔵の存在を「武蔵は西軍の者」「徳川の敵」という旨の言葉で非難したという逸話がある。
生前の宗矩は武蔵と激突する事はなかったし、相手をする事もなかったが、実のところ、気には留めていたのだと、FGOでは定められている。故に、彼女が自らの世界の「宮本武蔵」とは別人だと知りながら『英霊剣豪七番勝負』では武蔵との対決にこだわったのだ。
ちなみに、カルデアに召喚された宗矩は異界の下総の彼ではなく正史の柳生宗矩であるため、異界の下総の記憶を持ち合わせてはいない。ただしカルデアでの記録は確認しており、自分が剣鬼に落ちるとはよっぽどの縁があったのだろうと感想を述べている。
また、真剣勝負に狂った異界の下総の彼とは違い最後まで己の剣と向き合い続けたため、正史の宗矩は本記事のエンピレオとは比較にならない域に達している模様(この点は胤舜も同様である)。
関連イラスト
関連人物
自身に眠っていた“鬼”を覚醒させた張本人。
劇中、ある理由から隻眼になっていたが、その出で立ちは奇しくも息子・三厳に似ていたとのこと。
武蔵との勝負ののちに、「このような心地で剣を振るっていたとはなぁ」と語っており、今際の際に何故我が子が命を賭した立ち合いに魅了されたかをようやく理解できた。
後に登場した武蔵の関係者にして剣鬼のとある結末。