本記事には『Fate/Samurai Remnant』終盤のネタバレが含まれ、簡単な概要のみに留めてもネタバレの内容を察する場合がある為、苦手な方はブラウザバックをお願いします。
その有りよう、まさに───
闇に溶け去ぬ、望月そのもの。
※本作品関連記事作成・編集にあたっての注意
2023年9月26日に本作のサーヴァントの真名やストーリーの核心に迫る内容についての動画・画像のアップロードについてのガイドラインが表明された(『Fate/サムライレムナント』動画、画像投稿ガイドラインが公開。サーヴァントの真名やストーリーの核心に迫るイベントの発信には「ネタバレあり」の記載を)。
「配信してはならないシーン」は指定されていないものの、サーヴァントの真名やストーリーの核心に迫るイベントの発信には「ネタバレあり」の文言をサムネイルやタイトルに入れるようお願いしている。特に「終章」開始以後の内容や2周目に初めて現われる要素については特に念を押している(x(旧twitter)公式アカウントのツイート、コーエーテクモゲームス公式サイト)。
つまり、現時点に於いて公式的には真名等の情報の無制限の流布を望んでいない状況にあるため、未プレイの方に配慮し良識の範囲内での記事編集を心掛けてください。
概要
Fate/SamuraiRemnantの2周目限定エンドとして事前告知されていた、第三のエンディング。
他二つのエンディングである『一条の光』と『怨讐の焔』は、江戸の世を脅かす盈月の儀を止める為に、主人公宮本伊織とそのサーヴァントであるセイバーが奔走するという、『Fate/staynight』における『Fateルート』や『UBWルート』にも通じたある種王道的な内容であった。
一方此方は、本作の最も核心的な所に踏み込み、一部キャラクターに対する印象も大きく変わる等、ある意味『HFルート』に通じし真のエンディングとも言える展開。
一周目で示唆された要素、その答え合わせとも言える。
関連タグ
斯くて月は盈れども
剣の渇きはみたされず
だから、セイバー
俺はやはり、優しいひとではないんだよ
この先超ネタバレ注意
剣鬼と皇子の決断
2周目に入り、遂に盈月の器に王手をかける伊織。
このままでは盈月の器によって厄災が起き、江戸の八百八町が火の海になってもおかしくない状況であった。
無辜の民が傷付く事を良しとしない伊織は、紅玉の書に器を取り込ませる事で破壊する決断に迫られた。
一周目、それまでの伊織なら、紅玉の書を犠牲にする事に躊躇いつつも、人々の平穏を守る為に破壊を決断した。
しかし、2周目ではここで選択肢が出てくる。
盈月の器を破壊するか否か
ここで「破壊しない」を選択する事で解禁されるトゥルーエンドこそ、『可惜夜に希う』である。
宮本伊織、生まれる時代を間違えたと言われた剣の鬼。
幼い頃、本来殺される筈だったあの日に見た、剣聖の絶技に魅了された男。
死なない限り消える事の無い、剣の道を極める為に誰かを斬りたいと願う至上命令。
故に彼は人を知り、理解する。理解した方が斬りやすい。誰も彼もにも自分は勝つ。
そして今ここで盈月を残し、高みに至るための"敵"が絶えない混沌の世を作る。
長年にわたる理性と道徳の枷を外し、自らの欲の為に世に牙を向くと決めた男に、善を成す皇子・ヤマトタケルが立ちはだかる。
(おまえは、美しい───)
(きみを、哀れむまい───)
(その願いを、叶えてやれたらどれほど良いか)
(その願いを、捨ててくれたらどれほど良いか)
(だが───)
(我らの願い、未来永劫交わるまい)
(おまえに、師匠に、出逢ってしまった)
(私は、私の為すべきを捨てられない。私は、私が奪った数多の命に誓い、善を為す。)
(乱世なき江戸の世であるのに……俺は、剣の頂へ至る道を、再び望んだのだ)
(ゆえに、善を為すものとして)
(すなわち、ただ剣の鬼として)
(きみを斬る、ただきみ自身の為に)
(おまえを斬るより、もはや道はなし)
真の関連タグ
スパークスライナーハイ:似て非なるEND。
関連人物
- 衛宮士郎:幼少期に救われた、剣に関係がある、実は作中で最も歪な人間だった、世界線は異なるが、自分以上に大切にしている妹がいる等、士郎を彷彿とさせる要素も多いが、伊織のそれは先天的であるとマテリアルで示唆されている点で異なる。
- 言峰綺礼(Fate/Zero):実は主人公である伊織こそがこの作品における言峰枠であり、自らの裡に秘めた本質と向き合った姿や英雄王との接点、更には物語序盤の聖杯戦争の説明する描写等から、Fate/Zeroの要素も強い。
- 余談だが、Fate/stay nightの言峰綺礼は十代の頃に自分の本質に気付き、妻の自害後に主の教えに決別している為、『stay night』の作家・奈須きのこからは「『Zero』は『stay night』と条件は同じだけど微妙に違う世界」と言及している。
- 沙条愛歌:伊織と同じくセイバーのマスターだった主人公。こちらも聖杯戦争で自身の歪みに目覚めてしまい最後は…。一方、こちらの英雄王からは嫌悪されている。
- 長尾景虎/上杉謙信:恐らく近い存在。
- セイバー・エンピレオ:酷似した末路を迎えた。
- 伊吹童子(ルーラー)、柳生宗矩(柳生秘剣帖):DLCにて登場した追加キャラクター達。伊織の本質を見抜いており、この結末をある程度予見していた。
願いの果ての、その先
『Fate/Grand Order』とのコラボイベントであり、「盈月の儀」の後日譚『盈月剣風帖』にて、儀で戦い合った一部の者達が特異点と化した江戸で再び戦いに身を投じる事になる。だが、伊織だけは儀に関する記憶を持っていなかった。更に記憶だけで無く、自身の骨子とも云うべき「何か」が抜け落ちていた事に気付いており、地右衛門やライダーからも自分たちの知る宮本伊織とは異なると言われてしまう。
そんな中で伊織は、特異点を修正する為にやって来たカルデアのマスター、ヤマトタケルと共に幾つもの困難を乗り越え漸く事件が解決。特異点を退去する際、伊織は手にした聖杯を前に思いふけることになる。その様子を見て、ヤマトタケルは「あの時と同じ事がまた起きるのではないか」と警戒し不安を抱くも、伊織はあっさりと聖杯をカルデアのマスターに渡してしまった。
儀に関する記憶が無い事に加え、「何か」が抜け落ちていた事に当初は疑問を抱いていたが、戦いを終えた彼はその理由に対する答えに至った。
自分の「願い」は既に叶っている。だからこそ、「それ」は儀の記憶と共に「余分」として置いてきたのだろう。
そして特異点から去った伊織は、虚空へと消えた女剣士の残影の導きに従い、特異点で共闘した一人のマスターの道行きを支える剣になることを選んだのである。