ビースト(X-MEN)
びーすと
MARVELコミックのキャラクターで、ヒーローチーム「X-MEN」の創設メンバーの1人。
本名:ヘンリー・フィリップ・マッコイ(Henry Philip McCoy)。
基本的には愛称のハンク(Hank)で呼ばれており、pixivでも「ハンク・マッコイ」でタグ登録されている作品が相当数ある。
能力
全身が蒼い毛皮で覆われ、鋭い爪と牙を持った獣人のような姿をしており、それに相応しい身体能力と感覚機能を持っている。
しかし、そうした野性的なミュータント能力とは対照的に性格は温和。天才的な科学者であり、生物化学や遺伝学の権威。かなり多才でもあり、芸術のセンスも持ち合わせており、政治活動家としての一面もある。
活躍
1963年7月の『X-Men #1』、つまり記念すべき第1号から登場している古参。
「恵まれし子らの学園」の最初の五人の生徒「ファースト・ファイブ」の1人である。
当初は青い毛皮も無く、体格と体形が若干常人と異なるだけの外見で、野獣=ビーストのごとき身体能力を有しているのみだった(両足の指で物をつかむなどは、この頃からできている。劇中ではミサイルを受け止めるため、足指で木の枝に捕まっている)。
20歳になって学園から卒業後。有名企業の遺伝子研究施設に、研究者として就職。
この時期には、リンダ・ドナルドソンという女性と交際もしている。
彼女と交際を続けたいという考えもあり、自身のミュータント能力を抑制する薬品を開発して自身の身体で試してしまう。しかし失敗し、青い毛皮の肌を持つ姿に恒久的に変身してしまった。
青色の体毛(当初は灰色)に覆われた他、尖った耳、長い犬歯、爪といった、獣人的な現在の姿に変化してしまう。元から有していた身体能力も強化され、壁や天井を走る能力、優れた五感、加速された自己治癒力をも得るに至った。
これらに加え、コントロールが難しい野性的な側面をも精神に有する事になる。
この後に、ブラザーフッドのマスターマインドにより洗脳され、一時期仲間になっていた事もあった。
また、交際していたリンダも共産主義国家のスパイである事が判明し、破局してしまう。
後に洗脳が解け、アベンジャーズに参加。時折X-MENに戻っては手伝うように。
アベンジャーズ脱退後、ディフェンダーズに参加。やがてサイクロップスらから誘われ、ファースト・ファイブが再結成した「Xファクター」の一員になる。
X-MENとしてチームに戻った後、テクノウイルスの研究などに携わる。
しかし、「エイジ・オブ・アポカリプス」の並行世界から逃れてきた「ダークビースト」に一時期捕らわれ、入れ替わられていた事もあった。
- ダークビースト
並行世界「エイジ・オブ・アポカリプス」世界からやってきたビースト=ハンク・マッコイ。
エムクラン・クリスタルを通じ、基本世界【アース616】に逃亡。当初は記憶を失っていた。
【616】のビーストとは外観は同じものの(毛皮は黒である事が唯一の違い)、性格や人物は完全に異なる。生命倫理や良心などを全く持たない邪悪な性格で、自身の研究および遊び半分で、生命を弄ぶ事に喜びを感じていた。
ミュータント能力も本物とほぼ同じ。遺伝子工学に関しても優れた知識と技術を持つが、本物ほど広範囲の知識や技術を有しているわけではない(本物の過去の活躍や、美術や芸術の知識、政治的な思想などは知らないため、はったりで切り抜ける事も多かった)。
【616】に来た時は、劇中の20年前の時代だった。そこでマンハッタンの地下トンネル内に腰を据え、後に「モーロックス」と呼ばれるミュータントたちを産み出している。
のちにこちらの世界のビーストを拉致し監禁。毛皮も黒から青に染めて、X-MENに潜入した後、ビーストに成りすまして行動。オンスロート襲撃の際には、オンスロート側へと寝返った。
オンスロート事件の終了後は本物が帰還したために逃亡し、X-MENから離れてヴィランとして暗躍。ノーマン・オズボーンがダークX-MENを設立した際には、本物のビーストのふりをして参加している。
アニメ
- X-メン:エボリューション
原語版:マイケル・コプサ、日本語版:佐藤晴男
コミックより若い層をターゲットにした内容のため、高校教師という設定で登場。
原語版:ジョージ・ブザ、日本語版:千葉繁 / 佐藤晴男(トゥーン・ディズニー版)
CV:田中秀幸
CV:楠見尚己
実写
旧20世紀FOXが制作したシリーズでは若干設定が異なり、普段は自身が作った能力を抑える薬によって人間の姿をしており、感情が高ぶると変身する。
第1作から登場予定だったが諸事情によりキャンセルされ、ジーン・グレイにポジションが統合された。
人間態をスティーブ・ベーシックがカメオで演じた。
本格登場。ミュータント省長官として政治的な活躍が主。
ハーバード大学を飛び級で卒業した若き天才で、CIAで研究者として働いていた際にチャールズらと出会う。
当初は脚先のみ変異しており、同じく外見のコンプレックスを持っていたレイヴン・ダークホルム / ミスティークと意気投合。彼女の血液から自身の治療薬を作るが失敗し、全身が彼女と同じ青くなってしまった。
引き続きチャールズのサポートを担当。
また老年期も、ラストの改変後のシーンにて登場した。
X-MENのメンバーとして活躍。
青年の姿で終盤、他のX-MENのメンバーたちとカメオ登場。
以下、ネタバレあり
MCUの映画第33作にサプライズ登場。
演者はケルシー・グラマーが続投しているが、吹替は有本欽隆が鬼籍に入ったため、沢木郁也が後任となった。
ミッドクレジットシーン、次元を超えるアイテムの暴走で別の世界へ移動してしまったモニカ・ランボーの前に現れ、モニカを見つけたバイナリー / マリア・ランボーに「チャールズに相談する」と告げた。
原作コミックではドクターだったが、従来の実写映画では特殊メイクの事情でその設定がオミットされていたが、映像技術の進展もあって遂にドクターとしての登場を果たした。
同作に登場するウルヴァリンのいた世界では他のミュータント共々既に死亡していることが語られている(恐らく、『マーベルズ』に登場したビーストとは並行世界の別人であろうと考えられる)。