ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
ぶらっくいんぱくとそしきのてがとどくしゅんかん
「またあのボウヤか… 何者なんだ?」
「探偵よ… 私のお気に入りのね…」
2006年1月9日に番組史上2回目で、現時点では最後の2時間半スペシャルとして放送された、TVアニメ『名探偵コナン』の第425話。
本放送から10年経った2016年にはアニメ放送20周年を記念し、3月19日から4月9日にかけて4本のデジタルリマスター版に再編集したバージョンが放送された。その時のタイトルは『ブラックインパクト(Ⅰ~Ⅳ)』。
偶然知り合った人気女子アナウンサー・水無怜奈が、黒ずくめの組織の新たなメンバー・キールだと判明し、コナンがFBIの面々と協力して組織の暗殺計画を阻止すべく奔走する。
ジョディ・スターリング、ジェイムズ・ブラック、赤井秀一が久々に登場し、前者2人は初めてコナンと共同捜査をする。
小五郎が沖野ヨーコの料理番組にゲスト出演することになり、コナンは蘭と共に収録を見学。その後ヨーコからアナウンサーの水無怜奈を紹介され、彼女がピンポンダッシュの被害に遭っていると相談される。
コナンたちは怜奈の自宅へ向かった。コナンは手がかりを得るためにと、こっそり玄関先に発信器と盗聴器を仕掛ける。怜奈から詳しい事情を聞いた小五郎は、翌朝現行犯で捕まえようと提案し、3人揃って泊まり込むことになった。
その晩、捨てる新聞や雑誌を整理していた怜奈の様子を見たコナンは、ピンポンダッシュの犯人の正体に気づく。そしてその推理通り、翌朝姿を現した犯人は意外な人物で……。
解決後、小五郎たちは怜奈の自宅を出るが、コナンは発信器と盗聴器を回収し忘れたことを思い出す。だが運悪く、その2つは外出した怜奈の靴の裏に付着してしまった。彼女の自宅へ引き返そうとするコナンだったが、聞こえてきた怜奈の携帯のプッシュ音が「七つの子」のメロディであることに気づく。そしてその直後、怜奈はかかってきた電話の相手にこう呼びかけた。
「予定通り10時に落ち合いましょ?ジン…」
冒頭、黒ずくめの組織所有と思われる施設内で、キャンティとコルンが交互に長距離狙撃の訓練をするシーンがある。50ヤード(約46メートル)毎に交代して訓練を行っていたようで、この時は500ヤード(約457メートル)、550ヤード(約503メートル)、600ヤード(約549メートル)はクリアしたものの、2人とも650ヤード(約594メートル)で失敗しており、物語終盤で700ヤード(約640メートル)以上離れた場所からの狙撃を成功させた赤井の凄さを際立たせている。
次に、OPの直前では、暴力団「泥参会」の女幹部・毒島桐子が組の事務所を出るところをベルモットが見ているシーンがある。この場面は再放送版では本放送当時よりやや後の方に編集されて放送された。
また、ピンポンダッシュ事件の捜査中、怜奈の隣の部屋で高木刑事が張り込みをしていたことが判明する……というシーンが追加されている。これに伴い、原作には登場しない高木をはじめ、目暮警部や佐藤刑事、宮本由美といった警視庁の面々が台詞付きで登場している。
実は原作では数少ない第一話を描いた後、そのトリックが成立しないことが判明し内容が軌道修正された長編でもある(作者の青山氏がとある要素について勘違いをしていたため。これ以前のTVSP『集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド』や劇場版第2作『14番目の標的』などでは正しい意味で使用されているため、ど忘れに近いミスだったと思われる)。