ブラック商会変奇郎
ぶらっくしょうかいへんきろう
藤子不二雄Ⓐの漫画作品。
『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)に1976年21号から1977年32号まで掲載された。
一部の単行本(文庫版など)は『シャドウ商会変奇郎』に改題されて刊行されているが、じきに元に戻されている。
前作である『魔太郎がくる!!』から「悪人への報復・仕置」という要素はそのままに悪魔や儀式といった直接的なホラーや、陰湿な要素を抜き去り、よりダークヒーローものとしての側面を強めた作品とされる。
これは前作にドラマ化の話が来た時、メディア側から、そうした要素に対して渋面をされた事が原因であり、つまりは本作は当初よりメディア化に耐えられるであろう企画として、その目標から逆算されて設定が組まれた経緯がある。
その事もあり、1996年には第2話「万引き」が『シャドウ商会変奇郎』のタイトルでドラマ化もされている。
また、『魔太郎』には無かった要素として、悪人の悪事や弱みをつかんで中学生にしては高額な口止め料を要求する「ゆすり(恐喝)」行為をするという要素がある(タイトルの「ブラック商会」とはこれのこと)。
だが中学生である変奇郎のゆすりなど相手にしない悪人に対して、超能力者という正体を表した変奇郎が仕置きを下す、というのが毎回のパターン。
A氏の珍品コレクション(特に世界中にある変わった道具)を元にした話が度々登場し、時にはA氏によって珍品の解説もあった。
A氏没後の2023年には期間限定で小学館『週刊コロコロコミック』に無料掲載されていた。
- 変奇郎(演:森田剛)
骨董品店の一人息子。明友中学校の生徒。普段は冴えない平凡ないち学生で同級生や上級生、犯罪者(話数を重ねるごとに悪行がエスカレートしており、マジモンの殺し屋や呪術師、ナチスおたくのサディストおやじ、自宅にトラバサミを仕掛け招待客をトラップで苦しめるのが大好きな引きこもりなど、完全な極悪人も現れるようになった)からいじめに遭う事が多い。
しかしその正体は魔力を持つ超能力者で、悪人たちの悪行や弱みを握り、請求書を突きつけ恐喝を行うという「裏事業」を行なっている。(中には明らかにそこまでせんでもええやろというくらいの過剰な報復を行ったり、或いは仕返しをする前にアイテムのせいで恐喝相手が勝手に自滅したりすることもあった)。
霊感・超能力に優れており、自家の店にあるアヤしいアイテムを駆使している。
魔力を最大限に発揮して悪人を追い詰める際は仮面・マント・藁人形のような不気味なペンダントを身につけ、制裁を下す際には(同作者の某セールスマンのように)指を指し「ドーン!!」と叫ぶ。
因みにどこまでが苗字でどこまでが名前なのかは不明。
- 変奇左エ門(演:丹波哲郎)
変奇郎の祖父。変奇堂主人。専門の骨董品について該博な知識を有する。しかし本人には変奇郎のような霊感は無いため、店にある多くの霊的アイテムは使う事が出来ない事が多い。パチンコ好きだが弱い。
- 変奇一郎(演:峰竜太)
変奇郎の父、変奇左エ門の息子。変奇堂の経営を継がずに平凡なサラリーマンをしている。変奇堂の地上げを狙う意地悪な専務(演:萩原流行)にいじめられていたが、変奇郎が専務の手癖の悪さを知った事で難を逃れる。
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