概要
第2部6章妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェに登場。
キャラクターデザインは下越。
南部の自由都市ソールズベリーの宿屋兼酒場を切り盛りする妖精で、当初は他の妖精同様にただの人間の真似事として店をやっていただけだった。
しかし、カルデア陣営がこの異聞帯にやってきたのち、メンバーのダ・ヴィンチがここを訪れたことを境に「生きがい」という新しい概念を見つける。
たまたま休憩にやってきたダ・ヴィンチに好感を持った彼は、ダ・ヴィンチを雇うことにする。ちなみに、「ヴィ」が上手く発音できない事から「ダビンチ」と呼んでいる。
もともと妖精はその神秘を操る力によって、料理なども過程を無視して完成品を出してしまえるため、料理をすること自体が必要なかったのだが、ダ・ヴィンチの汎人類史の知識を以って「作ること」を教えられるうちに意識が変わっていった。
人間の文明を真似て畑を作っていた妖精國において、たとえばパンの材料になる小麦粉はあるのだが、「小麦粉を使ってパンを作るという工程」を教わり自分でも覚えていく。その過程から生まれる結果に感銘を受け、学び成長するという妖精には珍しい体験を重ねていく。
そのような貴重な経験、ひいては新たな価値観の人生を歩む道を彼はすっかり志していた。妖精はもともと「目的」を持って生まれてきた存在だが、彼が気づいた「生きがい」とは妖精としての目的とは別個のものである。
同時にいつかカルデアとの別れが来て、ひいてはダ・ヴィンチとも別れることになる未来を不安視しており、さらには「人間でも妖精でもないダ・ヴィンチは、もう長くない」と不穏な独白も残している。これが今後どのように響くのか、マスター達に一抹の不安も与えた……
そして妖精國が、大多数の妖精たちによる気まぐれな生き方が災いして崩壊が避けられない状況になる中、既に妖精たちはモースや悪妖精への変貌も多発する大惨事に陥っていた中で、その別れは訪れた。
彼にとって、輝くような価値を持つ生き方を教えてくれたダ・ヴィンチとの別れによる失意は並大抵のものではなく、モースになりかけていた彼は去っていく彼女の無防備な後ろ姿を前に手にした包丁で今にも刺し殺さんとしていた。
だが、同時に彼はダ・ヴィンチの「限りある時間の中、今を自由に目一杯生きる事こそが『目的』そのもの」かつ､「自由で無くなってしまえば自分の好きな光り輝く存在ではなくなる」ということを理解しており、相手のことを深く尊重する心も蓄えていたことで、一度は全身が闇に包まれながらも闇を払い除け、モースへの変貌を見事耐え抜き、自分が生きる意味を与えてくれた感謝と喜びを、別れの言葉に乗せてダ・ヴィンチを見送ったのだった……
どうしようもない妖精たちに囲まれた妖精國における、数少ない例外をプレイヤーに見せた貴重なシーンである。
なお、ダ・ヴィンチはマイクに「自分と一緒にカルデアに来ないか」と誘っていたが、彼は外の世界は危険だからという理由で断っている。
モース化に打ち勝つほど強い善性を持っていたと云えども、いずれ自分はダ・ヴィンチを害する存在になりうる可能性を薄々感じていたのかもしれない……。
関連タグ
Fate/GrandOrder 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ
ウッドワス：モース化してなお理性を失わなかった妖精。これに当てはまるのはこの二人のみだが、マイクの方はモース化そのものも抑え、耐えきって見せた。またこの二人には「モース化の呪いに打ち克った要因が誰かへの愛」と言う共通点もある。
ギルガメッシュ:マイクが「自由であるからダ・ヴィンチである」と理解していた事について、セイバーを「手に入らないからこそ美しい」と評した彼と比較される事がある。実際手に入ってしまった場合は聖杯の泥を使って「いつまで汚染に耐えられるか」という損耗試験紛いの行為を強要してもいる。尤も英雄王の場合はそう評して尚セイバーを狙っているヴァンダリズム（像などの芸術品や絵画などの美術品、遺跡や神社などの文化遺産等の「価値がある」とされるものを故意に汚破損させる事に悦びを覚える性癖の事、無論貴重品を自身の性癖の為に消費する行いであるため、まず許容されない）紛いの性質も持っているためタチが悪いが。
ミケランジェロ：おそらく名前の元ネタとなったと思われる人物。
