概要
マイマイガ(舞舞蛾)とは、ドクガ科に分類される蛾の一種。学名は「Lymantria dispar」、属名「Lymantria」と種小名「dispar」はそれぞれラテン語で「破壊者」と「分かれる」を意味する。
英語では一般に「gypsy moth」(ジプシーモス)と呼ばれているが、「ジプシーはヨーロッパに居住するロマ民族に対する差別的な呼称でもある」という理由で、2022年に「spongy moth」(スポンジーモス)という新たな名前を提唱された。これは本種の卵塊がスポンジ(海綿)と似ていることに由来する。
成虫は翅を屋根状に畳む。種小名の通り性的二形を示し、オスは茶色で体長は2cm程度、触角は羽毛状に発達。メスは白くて体長4cmまで及ぶ。
幼虫は最大6cmの毛虫で、顔には縦2本の黒斑、背中には2列の青と赤の点が体節ごとに並ぶ。1齢幼虫の頃のみ毒針毛があり、触れると皮膚炎を引き起こす。
日本のみならず、アジアからヨーロッパ、アフリカ、アメリカ大陸までと世界中に広く分布する。北アメリカに人為移入され外来種となっている。
人間との関わり
害虫としてよく知られる蛾である。定期的に大発生してあらゆる植物を食害し、夏の町に蛾吹雪ともいえるような現象を起こすことがある。また大発生の際に1齢幼虫の毒針毛が風に飛散することで、広範囲に皮膚炎を引き起こすこともある。
原産地では様々な天敵によりその大発生は自然に治るようだが、天敵がいない人為移入の個体は前述した被害により生態系を脅かす侵略的外来種として懸念される。
余談
帰ってきたウルトラマンに登場する怪獣キングマイマイはこの蛾がモチーフである。