概要
和名 | ミノウスバ |
---|---|
学名 | Pryeria sinica |
英名 | Euonymus Leaf Notcher |
分類 | 鱗翅目 マダラガ上科 マダラガ科 マダラガ亜科 ミノウスバ属 |
開翅長 | 19~33mm |
前翅長 | 14~16mm |
分布域 | 日本(北海道、本州、四国、九州、対馬)、朝鮮半島、台湾、中国北東部、極東ロシア、サハリン、ワシントンD.C.(移入)、ボルチモア(移入)、スペイン(移入)、ドイツ(移入) |
幼虫の食樹 | ニシキギ科(ニシキギ、マサキ、キフクリンマサキ、マユミ、コマユミ、ツルウメモドキ、テリハツルウメモドキなど) |
越冬態 | 卵 |
成虫の発生期 | 9~12月/年1化性 |
ハロウィンの時期に現れるマダラガ科の蛾。体色も黒色とオレンジ色でどことなくハロウィンっぽい。昼行性。
日本では平地から山地まで広く生息し、住宅地の生垣や公園、神社、雑木林など身近な場所でもよく見られる。
成虫の翅は半透明で、体は黒とオレンジ色のもふもふした毛で覆われている。この毛は防寒対策と考えられている。
姿はマルハナバチ等の蜂に擬態しているとされているが詳細不明。
触角が櫛状なのがオスで、糸状なのはメスである。
危険を感じると腹部を反り上げて威嚇し、その後は木から落ちて死んだ振りをする。
幼虫は黄色と黒の縦縞模様をした寸胴体型の毛虫で、弱い毒棘と体表から分泌するネバネバした臭い匂いがする弱い毒液で天敵から身を守るとされているが、無毒とする場合も。
触るとかぶれる場合があるので素手では触らないようにしよう。
成虫に毒はない。
天敵として本種に専門的に寄生する寄生バチのミノウスバトガリヒメバチやヤドリバエの仲間が知られる。
生態
3月頃に孵化した幼虫はしばらくの間集団生活をした後、単独生活に移る。
時には大発生して葉を食べ尽くすこともあり、害虫として駆除されることも...。
5月半ばになると食樹を離れて葉や石の下などに繭を作り蛹化する。
晩秋になると蛹から羽化し、成虫は日中に食樹の周辺を盛んに飛び回る。
成虫の口吻は退化しており、何も食べない。
メスはフェロモンでオスを呼び、樹上で交尾をした後に枝に産卵する。
この際にメスは尾の毛束を卵にはり付けてる。これはカモフラージュと防寒対策と考えられている。
産卵を終えたメスは体力が続く限りその場に留まり、卵を守る。
ほとんどは雪が降る頃には死んで落ちるが稀に年を越す場合もある。