概要
マルハナバチ(漢字表記:丸花蜂〈※a2,b1〉、円花蜂〈※a1,b1~2,c〉)とは、ミツバチ科 (cf.Wikipwedia) ミツバチ亜科(cf.Wikipwedia|独立のマルハナバチ亜科とする説もあり)マルハナバチ属(学名:Bombus )に分類されるハチ(蜂)。
ハナバチ(花蜂)の一種であり、ミツバチに比べて筋肉もりもりのガテン系。でも、クマバチの親方に比べればひよっこっすよ。
学名 Bombus (ボムブス、ボンブス)は、「ブーンと羽音を立てる」を意味する古代ギリシア語をラテン語形化したもの、と解説されているが、言語学的にはそのままの意味で古代ギリシア語まで遡れるとは思えない。後述する英語 "bumble" が関係している可能性がある。
英語名としては "bumblebee / bumble-bee(バンブルビー)" と "humble bee / humble-bee(ハンブルビー)" があり、これら2語は同じ意味の中英語 "humble-be(ハンブルビー)" から派生している。ここに見える "humble" も "bumble" も「ブーンと羽音を立てる」を意味しており、同じ意味をもつラテン語 "humilis(フミリス)" に由来する。
体色は黄色と黒で構成されている。
ハナバチの例に漏れず、花から餌を採り、集団で生活する。巣の規模は小さい。
1980年代後半にマルハナバチの増殖技術が確立すると、世界中でビニールハウス栽培されているトマトを受粉させるために欠かすことのできない送粉者の代表種になった(※ア)。
トマトの花は、束になった雄蕊(おしべ|cf.Wikipedia)が下向きに突出し、花粉も露出していないという、特殊な形をしているのであるが(※ア)、世界の農業が頼みとしている送粉者の代表格であるミツバチが飛翔力不足でこれに対応できない一方で(※ア)、ミツバチより筋肉量の多いマルハナバチは問題なく対応でき、真下から花に取り付いてぶら下がり、筋肉を震わせて花を揺さぶることで上手に花粉を集めるのである(※ア)。
現代日本では、ビニールハウス栽培されているトマトのほとんどが、マルハナバチによって受粉されている(※ア)。
なお、マルハナバチを利用した受粉方法が産業として確立する以前は、人の手による授粉と、化学合成された植物ホルモン剤による結実に頼っていた(※ア)。
表記揺れ等
tag1は小説を含む全作品が検索対象で、タグ数は完全一致検索で検出される作品の総数を意味する。tag2はイラスト部分検索結果。いずれも検索結果の数字は2024年4月18日のもので、随時更新推奨。
マルハナバチ(tag1,tag2)(作品総数: 25|イラスト部分検索数: 31)… 本項。
丸花蜂(tag1,tag2)(作品総数: 1|イラスト部分検索数: 1)
円花蜂(tag1,tag2)(作品総数: 1|イラスト部分検索数: 1)
バンブルビー(tag1,tag2)(作品総数: 2,322|イラスト部分検索数: 1,737)… ただし、このタグが「マルハナバチ」の意味で使用されている例はほとんど無い。
bumblebee(tag1,tag2)(作品総数: 739|イラスト部分検索数: 977)… このタグが「マルハナバチ」の意味で使用されている例は少ない。
関連イラスト
左から順に解説する(以下同様)。
1. 気合いで飛ぶぜ! まあ、嘘だけどな。 2. セイヨウオオマルハナバチ (cf.Wikipedia)。
3. エゾオオマルハナバチとボタン(牡丹)の花。 4. コマルハナバチ。
4. クロマルハナバチ (cf.Wikipedia)。 5. クロマルハナバチの女王蜂。
6. お尻ふりふり♪
7. デフォルメ版。1枚目のみ。 8. デフォルメ版。
9. bumblebee(バムブルビー / バンブルビー)と hamster(ハムスター)を掛けたダジャレなノリの作品。作者は英語圏の人なので、bumblebee ではなく、別名の humble-bee(ハムブルビー / ハンブルビー)を hamster を紐付けしたと思われる。そうでないと言葉遊びに成り立たないので。
10. トランスフォーマー・シリーズの主要キャラクターであるバンブルビーを擬人化(TF擬人化)した作品の一例。本作は、造形のモチーフになった蜂のマルハナバチに大きく寄せて描いているタイプ。
脚注
出典等
- 辞事典
※a1 「マルハナバチ」 コトバンク > 小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』、平嶋義宏
※a2 「マルハナバチ」 コトバンク > 平凡社『改訂新版 世界大百科事典』
※a3 「マルハナバチ」 コトバンク > ブリタニカ・ジャパン『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』
※a4 「マルハナバチ」 コトバンク > 平凡社『百科事典マイペディア』
※b1 「丸花蜂」 コトバンク > 小学館『精選版 日本国語大辞典』
※b2 「丸花蜂」 コトバンク > 小学館『デジタル大辞泉』
※c 「円花蜂」 コトバンク > 日外アソシエーツ『動植物名よみかた辞典 普及版』
- 書籍
※ア 「トマトが食べられるのはマルハナバチのおかげ」 光畑雅宏『蜂の奇妙な生物学』、技術評論社、2022年8月4日刊、p.82。