概要
『トランスフォーマー』シリーズに登場するキャラクターであり、日本では「リジェ」の名で知られている。
和名の由来は、彼が変形するビークルのF1カー・リジェJS11を運用していた同名のフランスのレーシングチーム(リジェ:Ligier)だと思われる。
ミラージュ(Mirage)の名は英語圏における名称で、蜃気楼などを示す意味で知られているが、彼の名前はレース場や道路などで発生する逃げ水を由来としている。
アニメでは初代作『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』(以下G1)第1話から登場するサイバトロン(オートボット)の諜報員。
故郷セイバートロン星(サイバトロン星)への思いが強く、あまり他人と交流をしない物静かな性格である。
初代TF以降のシリーズにも登場し、名称や外見が大きく変わる蜃気楼の名に相応しいキャラクターであるが、日本において初めてこの名で呼ばれたのはおそらくNetflixで独占配信されているアニメ『ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー』であり、その後に公開された映画『ビースト覚醒』にて広く知られるようになった(アニメ『アニメイテッド』には設定のみで未登場)。
因みにミラージュには「戦前はお金持ちだった」という設定が幾つかの作品で存在している。
日本でその設定が用いられたことは無いが、前述の故郷への強い思いというのは「裕福だったあの頃に戻りたい」という意味が込められているのかもしれない。そんな彼がサイバトロンで戦い続けるのにどの様な理由があるのだろうか。
ビースト覚醒
「woohohooo!最高だったな!オイルが騒ぐってやつだぜ、スゲェ!!」
「ミラージュ様のお出ましだぜベイビ〜♪」
「心配すんな!ちゃんとノアを助けるぜ、約束だ。」
CV:ピート・デイヴィッドソン/吹:藤森慎吾
実写映画第7作目『ビースト覚醒』では、G1版ミラージュを実写風にリファインしたフォルムで登場。
青のストライプが入った銀色のポルシェ964に変形。ポルシェ特有の丸いヘッドライトは肩に来ている様だ。
ただ、劇中ではポルシェだけでなくランボルギーニやF1、果ては明らかに体積の異なるゴミ収集車にも変形している。
これはビークルモードの情報を複数保持しているのか、多段変形が可能な体質なのか、はたまた後述のホログラムの応用なのかは劇中では特に語られていない。
他にもバックで走行しながらパーツを組み替えて前に向き直すというTFならでは?の荒技も披露していた。
武器は両腕から展開するブラスター。玩具のパッケージにはバトルマスクを装着している画像があるが、劇中では使用されなかった。
また、ホログラムで分身を生み出して敵を翻弄する戦闘スタイルを好み、前述したビークルモードに加えてG1版の仲間を彷彿とさせる。
性格はクールなイメージで描かれることの多かった歴代ミラージュから一転して、陽気な三枚目キャラとして描かれており、チャラ男といっても過言では無い。
演者であるデイヴィッドソン氏からは「MASKとバッグス・バニーを組み合わせた奴」と評されている。
日本語版ではチャラ男芸能人筆頭格のオリエンタルラジオ・藤森慎吾氏が演じているため、余計にチャラ男の印象が強い(実際に藤森氏もミラージュのキャラクターについて自分のイメージを合わせてくれたのかと思ったほどで、楽しく演じたとコメントしている)。
俳優のニュースについて触れたり、ノア達の前に現れたプライマルのことを「ドンキーコング」と呼んだりと地球の文化には詳しい模様(その直後にチーターに襲い掛かられて食べないでと言わんばかりにビビり、エンジンオイルを漏らしたのは内緒である)。
作中においては主人公ノア・ディアスの相棒(旧トリロジーにおけるバンブルビーに相当するポジション)となり、彼に自身のパーツの一部(未公開シーンによると尻)から作り出した護身用の多機能ガントレットを提供している。
ペルーに向かう前日にはノアの弟であるクリスと出会い、ノアを守る事を彼に約束する。
この際にボディに彼との通信機を埋め込み、ノアの「ソニック」、クリスの「テイルス」に対応する形で「ナックルズ」というコールサインを彼から授かった(ロボットだからメタルソニックの方が似合っている気がしなくも無いが…)。
テラーコンとの決戦においてはユニクロンを呼び出すトランスワープ装置を止めに走るノア達を消そうとするスカージの足止めを買って出る。
一時はホログラムでスカージを翻弄したものの返り討ちに遭い、最終的にノアを庇ってスカージに撃ち抜かれたことで四肢欠損の重傷を負い死亡したと思われたが、最後の力を振り絞り自らの体をエクセルスーツに再構築し、最後までノアと共に戦い抜いた。
全てが終わった後はエクセルスーツの状態でブルックリンに帰還、ノアと友人のリークの手で集められたポルシェのパーツによって、ツギハギな見た目ながらもトランスフォーマーとしてのボディを取り戻すに至ったことがエピローグで示唆されている。
こうして復活したミラージュだが、よく考えるとノア達は「ポルシェのパーツを使ったガラクタ」を作ったのであり「トランスフォーマーのボディ」を修理していた訳では無いと思われる。
これもミラージュの特殊過ぎる体のお陰なのか、それともノアの技術力がバケモノ級だからなのか……
アニメイテッド
海外で発売されたムック本"Allspark Almanac"2巻に設定が記載されているオートボット戦士。
『アニメイテッド』本編には未登場のキャラクターで、全身図と地球の乗り物をスキャンしたアースモードが掲載されている。
同書での彼の説明文はクリフジャンパーが担当。ネタバレは避けるが、初代アニメ第13話「リジェの裏切り」を知っている人にはニヤリとできる内容である。
外見はG1版ミラージュをカートゥーン調にリファインしたような感じで、アースモードではF1カーに変形するようである。もし第4期の制作が実現していれば、地球で透明化を駆使して戦う彼の勇姿が拝めたかもしれない。
pixivではG1繋がりでクリフジャンパーやハウンド(ミラージュ同様本編未登場&設定のみ)と一緒に描かれる事が多い。