概要
オオツチグモ科Theraphosidae (タランチュラのこと)、の中のTheraphosa属の、いわゆるピンクフットゴライアスと呼ばれる物の仲間である蜘蛛。学名はTheraphosa blondi 、一般にはゴライアスバードイーターの名で知られる。
南アメリカ北部、特にアマゾン熱帯雨林に生息する。
ゴライアスというのは大きい物を指す時に使われる言葉の1つで、聖書に登場する大男ゴリアテから来ている。余談にはなるが似たような言葉に巨人ガルガンチュアから来るガルガンチュアン、ロドス島の巨像から来るコロッサル、ティターン族から来るタイタニック等がある。ギガンテックやジャイアントもギガース族から来た言葉である。
とにかく、そんなゴライアスの名に恥じぬ巨大な蜘蛛である。体重は最大で175g、脚を除く体長も最大13cm程という記録がある。
一方で、バードイーター(鳥を食べる者の意)という名前は誤解を生みがち。確かに飛べない小鳥がそこに居れば食べるかもしれないが、タランチュラは目が悪く鳥の動きを見切ることは難しい。巣穴に篭って獲物が通りかかると飛びつく待ち伏せタイプの蜘蛛であり、通常鳥を捕まえる機会はまず無く基本的に食べるのは大型昆虫や小型の両生類や爬虫類、齧歯類等である。
ちなみに上記にもあるピンクフットゴライアスという名だが、ピンクフットというのはこの仲間の蜘蛛(主にTheraphosa apophysis) が幼いうちは足先がピンク色に見えることから来ている。成長するにつれて足先も茶色へと変わっていく。
体色は主に赤味掛かった薄茶色。全身を毛に覆われており、光の反射で少し輝いて見えるかもしれない。この全身の体毛は刺激毛と呼ばれる物で、新世界タランチュラの殆どを危険から守る為の防御である。危険を感じるとゴライアスバードイーターはまず毛と脚を擦り威嚇音を発するが、敵がそれでも引き下がらない場合は後ろ足を胴に擦り付けこの刺激毛を飛ばしてくる。哺乳類の場合この刺激毛は肌や粘膜を滅茶苦茶に刺激してくる。人間相手でもこの刺激毛はかなり効くので飼う人は注意が必要。
蜘蛛なので当然毒牙を持つが、タランチュラの毒は強くはなくバードイーターもその例外ではない。噛まれても毒の影響はあまり無いが、牙がでかいので噛まれれば痛い。これも注意が必要な点となる。
一応、このゴライアスの毒にはTLTxという成分が含まれている。これは心筋の膜電位を変化させるイオンチャンネルを阻害する…要するに心臓麻痺を起こすというもの。物騒だが量と濃度が低いため人間が重体になったという報告は(今のところ)無い。繰り返すがこの蜘蛛に噛まれて死ぬことは無いと言ってもいい。
死なないからと言って怒らせるようなことはしないように。前述の通り刺激毛と牙のダメージだけでもかなり危ない。それにタランチュラも体は丈夫とは言い難く、ゴライアスは些細なことでもストレスを感じる蜘蛛だ。飼うのであれば双方の安全の為にも扱いは充分気をつけること。
そんなタランチュラでも人の手に掛かれば美味しく頂かれる。なんでも「エビの味がする」らしい。
他の多くの蜘蛛(タランチュラ含む)と異なり、交接の際にメスがオスを食い殺すことはほぼ無い。成熟には3〜6年掛かり、オスは成熟してすぐ死ぬので寿命も3〜6年となる。それに比べメスは長生きで平均15年から25年は生きるという。
最強王図鑑フランチャイズ
「昆虫最強王図鑑」で初登場。本作では戦闘サイズとして71cmに巨大化している。
……が、相手はよりによって普段からタランチュラを狙っているオオベッコウバチ。鋏角による噛みつきを躱されたり、刺激毛を発射するも厚い装甲のせいで効いてなかったりと攻撃が次々と無効にされ、最後は毒針を突き刺され敗北した。
あとがきでは組み合わせによっては勝ち進むことができた可能性があると書かれていた。
(事実、他社によるバトル図鑑ではコーカサスオオカブトを始めとする複数の昆虫相手に勝利していた)
その後漫画版では出場しない事が確定され、再登場は厳しい……と思われていたが、アニメ版でまさかの復活。
対戦相手はライオンで、こちらでは141cmと倍近くの大きさになった。
刺激毛を撒き散らして先制攻撃を仕掛けたり、毒牙で噛みついたりしてライオンをじわじわと追い詰めようとしたが、一時退却の振りをして正面突破を仕掛けたライオンの反撃により逆転敗北をしてしまった。
実は『異種最強王図鑑』以外からの参戦でありなおかつアニメ化と同時期に発表となった恐竜タッグ及びマンガ版の影響で登場した生物以外から参戦するのはこれが初めて。それと同時に、「アニメ版初登場vs既存出場者」の対戦カードで初登場側が敗北をしたのもこれが初めてである。(過去試合の該当者はいずれも勝利しているため)
…というのもそもそも凶暴な蜘蛛ではあるが、実際はルブロンオオツチグモ自体噛みついた際の毒はミツバチ以下とされるほどあまり強力ではないうえ、耐久力はそこまでないのだ。それに加え、実はタランチュラが猛毒というイメージさえ実際は当初タランチュラと呼ばれていたコモリグモの生息圏内でサソリやジュウサンジゴケグモに噛まれ死んでしまう人が多く、冤罪を被ることになったことがきっかけなのである。
なのでルブロンオオツチグモに関しては本フランチャイズで未勝利なのは仕方のないこととも言えそうなのである。出れたこと自体が奇跡とでも言っておこう。
なおスペシャル上映に登場したあたりを見ると、存在自体は完全には忘れられていない模様。
ちなみに最強王図鑑にクロドクシボグモも登場する。マンガ版での登場であり、アニメ版でも登場すると思われた矢先本種に先を越されてしまった。(登場の可能性が消えうせたわけではないので注意)
新甲虫王者ムシキング
激闘2弾にてお助け昆虫として登場。
中期より解禁されたイベントステージにのみにしか登場しないという珍しいムシであり、その上レアリティはお助け昆虫最高のSSR。属性はチョキ、肩書きは「赤銅の巨大蜘蛛」。
お助け技はパーで勝つと必殺よこくの追撃効果を与える「クリムゾンバイト」。
なお同イベントステージにて解禁されたRモモブトハムシと異なり後の弾にて再録・恒常入手が可能な機会は設けられなかった(一応激闘6弾の激闘編歴代SSR再録イベントには収録された)ものの、第6期公式大会の参加賞に抜擢されたことでやや入手難易度は下がった。
関連タグ
アシダカグモ:仲間には足の長さを含めると体長が世界一の蜘蛛がいる。
オオジョロウグモ:造網性の蜘蛛では世界最大クラス。日本の蜘蛛としても最大の種。
メガラシネ:かつて最大の蜘蛛と思われてた化石の生物。調べたところ実はこれはウミサソリだった。
ドクガ:危険な体毛を持つ節足動物繋がり。