ローズ・イン・タイドランド
ろーずいんたいどらんど
ジェライザ・ローズは、ロックミュージシャンの父に育てられたが、両親はともに薬物中毒で情緒不安定だった。ローズの気休めは、ミスティーク、サテン・リップス、ベイビー・ブロンド、グリッター・ガールという名前の指人形四人と『不思議の国のアリス』しかない。
ある日、母親がオーバードーズで死んだ。それを機にローズは父と故郷のテキサスに帰る。
かつて祖母が住んでいた一軒家で、ローズは指人形たちと空想をしながら過ごす。一方の父親は「短い休暇」に出ると言ってヘロインを注射したきり、帰らぬ人となった。
その家の周囲は一面が黄金色の草原で、近くには鉄道の線路が通っており、近所には奇妙な姉弟が住んでいた。蜂に片目をやられた幽霊のような姉デルと、脳手術を受け少年のままな弟ディケンズ。彼らもまた情緒不安定な気性の持ち主であり、同時に危険な秘密を抱えていた。
テリー・ギリアム監督長編9作目。
前作に当たる『ブラザーズ・グリム』の撮影中、セットの都合で撮影が半年間中断され、その期間を利用して撮影された。大作の『ブラザーズ・グリム』に比して低予算で、代わりに自由にやらせてもらったらしく、ギリアムの作家性が色濃く出ている。
ミッチ・カリンのダークファンタジー小説『タイドランド』が原作。タイドランド(tideland)とは「干潟」「境界線」を意味する。
ジェライザ・ローズ/指人形の声 - ジョデル・フェルランド
ノア(ローズの父) - ジェフ・ブリッジス
ローズの母 - ジェニファー・ティリー
デル - ジャネット・マクティア
ディケンズ - ブレンダン・フレッチャー
デルの母親 - サリー・クルックス
脚本 - トニー・グリソーニ / テリー・ギリアム
製作 - ガブリエラ・マルチネリ / ジェレミー・トーマス
音楽 - ジェフ・ダナ / マイケル・ダナ
撮影 - ニコラ・ペコリーニ
編集 - レスリー・ウォーカー