不運艦三軍
概要
二軍に次ぐ不運艦。未完成艦など。
日本海軍
建造中に関東大震災で被災。未完成のまま大破し破棄される。
船体の一部が浮き桟橋に流用され、現在も横須賀で現役。
1921年12月に進水するも翌年にワシントン海軍軍縮条約が締結し建造中止。
標的艦として砲弾や魚雷のテストに使われた後、1925年に沈められる。
余談だが、日露戦争で鹵獲したロシア戦艦の艦名候補に四国の国名があったが採用されなかった。
また、土佐と同様に四国の地名を与えられた大淀型軽巡洋艦仁淀も開戦により建造中止となった。
結局、四国の地名のついた初の戦闘艦は戦後のちくご型護衛艦・よしのとによどまで待つことになる。
ドイツ海軍
ドイツ海軍初の航空母艦。
空軍(より正確には某モルヒネデブ)と海軍の対立により完成できなかった。
イタリア海軍
ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦の三番艦。
完成しないうちにイタリアが降伏し、その後ドイツ軍の手に渡る。
空襲で破損したり爆薬の試験に使われた挙句閉塞船として沈められる。
戦後いくらかしてから引き揚げられるも移動中何度も座礁したため一年以上放置される。
客船『ローマ』を改造した航空母艦。
完成前にイタリアが連合国に降伏しドイツの手に渡る。
その後イタリア王政派の攻撃により破壊された。
客船『アウグストゥス』を改造した航空母艦。
完成前にドイツ軍に閉塞船として沈められた。
ソビエト海軍・ロシア海軍
- ソビエツキー・ソユーズ
- ソビエツカヤ・ウクライナ
- ソビエツカヤ・ベロルーシヤ
- ソビエツカヤ・ロシア
いずれもソビエツキー・ソユーズ級戦艦。
赤軍大粛清で建造が遅れ、独ソ戦により工事は中止。いずれも1949年までにスクラップにされ、竣工することはなかった。
ウクライナ海軍
スラヴァ級ミサイル巡洋艦4番艦。
1984年の起工以来、未だに完成しない。
アメリカ海軍
当時のアメリカ海軍の主力空母がミッドウェイ級(基準排水量45,000トン)だった時代に計画された基準排水量65,000トンの巨大航空母艦。が、空軍との予算の奪い合いにより起工の五日後の1949年4月23日に建造中止。「提督たちの反乱」と呼ばれる一連のごたごたにより当時の海軍長官は辞職、国防長官のジェームズ・フォレスタルは過労による鬱で自殺してしまった。
「アメリカ空軍が撃沈した唯一の空母」とも言われる。
ちなみに建造に反対していた空軍幹部の筆頭格はあのカーチス・ルメイ。
イギリス海軍
マジェスティック級航空母艦。
1945年6月7日に進水するも第二次世界大戦の終結により解体。
機関部のみ前級で準同型艦であるコロッサス級航空母艦であったアルゼンチン海軍の空母「ベインティシンコ・デ・マヨ」に移植されたが、故障続きで1982年のフォークランド戦争ではろくに出撃できなかった要因の一つとなった。
韓国海軍
救難艦。
艤装の偽装問題により納入時期が不明。
おまけ
概要
事典編集者が書いたネタ記事。
イギリス海軍
ドレッドノート級戦艦。
登場によりそれまでの軍艦全てを陳腐化させる。そしてもちろんイギリス海軍のドレッドノート以外の全ての戦艦も陳腐化、特に遅れて竣工してきた前弩級戦艦の処理に困ることになる。
多数の戦艦を遺物と化した彼女だが、自身も技術の進歩は恐ろしく早くあっという間に旧式艦に。
周囲から偽エチオピア皇帝事件をいつまでもネタにされていじられる。ブンガブンガ。
(画像はキング・ジョージ5世)
第二次世界大戦で十分活躍したのに、36㎝砲は充分戦艦の主砲なのに、以前は世界最強の戦艦とまで言っていたのにウィンストン・チャーチルから戦後、「我々は戦艦のようなもので今大戦を戦った」と言われる。
ネームシップのレナウンは「名高い」、レパルスは「撃退する」「反撃する」の意味だが修理や改装で長くドックにある両艦に対しレナウンは「HMS Refit」、レパルスは「HMS Repair」(両方とも女王陛下の軍艦修理号の意味)と陰口を叩かれる事に。
二隻とも過酸化水素を使った非大気依存エンジンを採用したエクスプローラー級潜水艦。
第二次世界大戦後のイギリス海軍における新世代の主力潜水艦の先駆けとなる予定であった。
25ノットもの水中速力を記録した一方、エンジンがポンポンと小爆発を起こしながら艦内にすさまじい悪臭を充満させたためしばしば浮上して乗組員を甲板に避難させなければならなかった。
エクスプローラーは爆発物 (Exploder)、エクスカリバーは拷問 (Excruciator)とあだ名された。
イギリス海軍の潜水艦開発は見直しを迫られ、結局アメリカから原子力潜水艦の技術を導入することとなり用済みとなったエクスプローラー級潜水艦二隻は解体された。
イギリス海軍の最新鋭原子力潜水艦・アスチュート級原子力潜水艦の1番艦。
やたら事故が多い上に銃乱射事件まで起きる。
アメリカ海軍
衝突事件、衝突未遂、僚艦との遺恨などで艦隊の疫病神と。
風評被害。実艦は普通に護衛任務に従事し、普通に退役している。
サブカルチャー・与太話では「わけのわからないことがあればタイムスリップから宇宙人の接触までとりあえずエルドリッジのせいにしておけばいい」風潮がある。
ドイツ海軍
多数の砲弾を受けながらも沈まぬ強靭さを見せつけた最期から、強固な防御力を持つ当時最強の戦艦の一隻とされてきたが、今では旧態依然とした設計思想の艦であり、近距離砲撃戦を想定した艦であった為に最期に強靭さをみせたとされ、最新鋭旧式戦艦と揶揄される事も。
更に艦長からは野郎扱い。(良い意味で(?)
風評被害その1。
進水式で洗礼を行った少女云々の怪談は、全て戦後になってアメリカ人が子供向けのオカルト本用に考えた与太話。
実際のシャルンホルストはそのような事象などなく、むしろ幸運艦の部類である。
風評被害その2。
こちらも戦後になって怪談が作られた様子。
駆逐艦二隻、商船九隻を撃沈する戦果をあげ、トロンヘイム攻略など活躍したが、戦艦一隻、巡洋戦艦一隻、駆逐艦一隻、味方の軽巡洋艦一隻に損傷をあたえた戦果の妹がドイツ海軍で最も活躍したと評されるのに比べて地味。
ロシア海軍
アンドレイ・ポポフ海軍中将が考案した円形の河川砲艦。
くるくる回転したことと、予算と資材と労力を浪費したことと、周囲(約一名を除く)が落胆したこと以外は特筆することはない。
前述のアンドレイ・ポポフ海軍中将が懲りずに造ったノヴゴロドの二号艦。
ノヴゴロドと同じく、くるくる回転したことと、予算と資材と労力を浪費したことと、周囲が落胆したこと以外は特筆することはない。
スペイン海軍
カナリアス級重巡洋艦。
姉妹艦のカナリアスに運を吸い取られる。
とにかくツイてない艦。
トルコ海軍
オスマン帝国の市民からの募金により発注、英国ヴィッカース社のバーロー造船所で設計を流用した事実上の姉妹艦である戦艦金剛とともに建造され、レシャディエは1913年に就役するも第一次世界大戦の勃発でオスマン帝国の背信を恐れたイギリス政府に強制的に接収される。
その後イギリス海軍の戦艦エリンとして就役。ユトランド海戦に参加する。
戦後は用済みとなり1922年に解体。
金剛や代役としてオスマン帝国がドイツから編入したゲーベンが第二次世界大戦の頃まで使われたことを考えると短い生涯であった。
中華民国海軍
フランスの政治スキャンダルに巻き込まれ予定していた装備を調達できなかったため目玉のステルス性能を発揮できず、さらに購入を巡る収賄事件で殺害事件にまで発展。
オーストラリア海軍
マジェスティック級航空母艦。
二度も重大な衝突事故を起こし相手の船を大破もしくは沈没させる。
日本海軍・海上自衛隊
大した破損もなく太平洋戦争を生き残った幸運艦だが、日本自体はボロ負けしたので「仲間の運を吸い取る疫病神」とネタにされる。
実際は雪風と一緒に出撃すると仲間も被害に会うケースがとても少なかった。なので疫病神ネタでは雪風の活躍が9割方無視されると言う・・・・・これネタじゃなくかなり不運じゃね?
不屈の疫病神。
隠れ疫病神。
戦後は陸奥撃沈の嫌疑をかけられる
誤報により自沈した逸話は有名。
英国で「飢狼」「これこそ本当の軍艦だ。今まで見た軍艦は客船だった」と戦闘機能だけを追求した居住性が悪い無粋な艦と皮肉で評されたが、当の日本海軍は素直に受け止めて御満悦。
ミッドウェーでやらかした嫌疑をかけられる。
隠れ青葉被害者でもある。
戦後「遭難中の味方に酷いことをした」とデマを流される—が、こっちはこっちで「最期は雪風に運を吸い取られた」とデマを流してたりもする。
書く人次第でデマの被害者になったり加害者になったり忙しい船。
訳あり艦。
出る。
戦艦では未曾有の数の命中爆弾・魚雷を受けてシブヤン海に散ったにもかかわらず、大日本帝国海軍の梃入れした壮大な儀式と思われるまでの特攻作戦という終わりの花道を用意された姉が日本海軍の象徴的な存在となり、果ては後にSF作品で宇宙にまで進出するほど名が知れたのに対して余りにもマイナーに。