来歴
本型は、地方隊の基幹を担っていたくす型護衛艦の老朽化と、同じく地方隊で運用されていた駆潜艇(PC)が日本周辺海域の厳しい気象条件と対潜兵器技術の発達に伴って大型化が要請されていたことから、本型により更新されることとなった。
当初計画では、3次防で本型8隻、続く4次防では本型をもとに発展させた1,500トン型6隻を建造する予定とされていた。しかし、3次防では7隻が建造されたものの、4次防はオイルショックによる建造費高騰の直撃を受け、1,500トン型は中止されて、本型4隻が建造されるに留まった。
設計
船体・機関については、前級のきたかみ型(いすず型後期建造艦)を多くの面で踏襲している。ただし、安定性確保のため平面型の寸法はやや幅広く太短くなった。しかしDDK・DDA型護衛艦と同大のバウ・ソナー・ドームを装備。
主機関においては、きたかみ型をほぼそのまま踏襲しており、4,000馬力の2サイクルV型12気筒中速ディーゼルエンジン4基を流体継手と減速機を介して2基ずつ2軸にまとめるというCODAD(マルチプル・ディーゼル)方式が採用された。
主機関においては、きたかみ型をほぼそのまま踏襲しており、4,000馬力の2サイクルV型12気筒中速ディーゼルエンジン4基を流体継手と減速機を介して2基ずつ2軸にまとめるというCODAD(マルチプル・ディーゼル)方式が採用された。
1971年に就役を開始して、順次に第33、34、35、37護衛隊を編成した。第35護衛隊のみが1982年まで第4護衛隊群に編入、他の各隊は地方隊に配属された。
1982年には第35護衛隊が地方隊に隷属換えを受けるとともに第37護衛隊が新編され、5個護衛隊として地方隊の主力となった。
その後、はつゆき型汎用護衛艦の地方隊への配置に伴い、1996年(平成8年)から退役が開始され、2003年(平成15年)に全艦退役した。
同型艦
- DE-215 ちくご
- DE-216 あやせ
- DE-217 みくま⇒旧海軍の最上型重巡洋艦「三隈」に続き2代目。
- DE-218 とかち
- DE-219 いわせ
- DE-220 ちとせ⇒旧海軍の巡洋艦「千歳」、空母「千歳」に続き3代目。当代の艦名は北海道の千歳川から。
- DE-221 によど⇒旧海軍の大淀型軽巡洋艦2番艦「仁淀」(未成艦)から。
- DE-222 てしお
- DE-223 よしの⇒旧海軍の吉野型防護巡洋艦「吉野」に続き2代目。当代の艦名は徳島県の吉野川から。
- DE-224 くまの⇒旧海軍の最上型重巡洋艦「熊野」に続き2代目。
- DE-225 のしろ⇒旧海軍の阿賀野型軽巡「能代」に続き2代目。
上記のうち「くまの」「のしろ」「みくま」は後にもがみ型護衛艦で復活している。
関連項目
海自DEの系譜と後継艦
初代あさひ型護衛艦
いしかり
あぶくま型護衛艦(現役)