妨害? いいえ、わたしがやっているのはO・H・E・N。応援よ
きゃーっ! K・U・N・O、九能さまー! がんばれがんばれ、九能さまーっ!!!
応援は愛。あらゆる手段をもってして、応援する相手の手に勝利をもたらす。そのためならば、いかなる手段も辞さない。自らが法を犯し謗られ泥を被ることすらも。それこそがわたしの応援であり愛
それが「格闘チアリーディング」よ
「らんま1/2」の登場人物。登場は単行本21巻PART.7~22巻PART.1。平成アニメ(熱闘編)での登場は第136話・第137話『愛の格闘チアガール』編。
声 - 小林優子
概要
青春学園格闘チアリーディング部の部員で対戦相手を倒す格闘チアリーディングの使い手。強調したい事をローマ字のアルファベットで読み下す口癖がある。また頻繁な独白をする上、時に自前のマイクでマイクパフォーマンスをやらかす。
本人の態度や言動は学園の名前の通りの「青春もの」の主人公のごとき印象を与える超さわやかなものだが、一方でその実際のところは応援する選手を絶対に勝たせるために場外から凶器(バトンやポンポンなど)を投げ込んで敵チームの選手の行動を妨害し、時には敵選手に試合続行不可能なほどの怪我や障害を意図的に負わせ(しかも相手の選手生命を断つ事すら当然に目論んでいる)たり、味方を装って敵に一服盛ったり、などの策略すら平然と行うなど卑怯なことも厭わない誰もが確実に好感を抱く朗らかな笑みで明るくさわやかに陰湿な外道行為を行う超危険人物。しかもこうした自身の問題行動を「仲間のため、みんなのため」「これこそが愛」などの詭弁をもって「良い事」「正しい事」のように喧伝する偽善者でもある。
ゆえにその本質は、とにかく自陣の勝利のため敵の邪魔をする悪徳チアリーダー。見た目によらず身体能力や戦闘力もある。
青春学園そのものは凡庸で各部活の実力自体はそれほどでもない超弱小チームなのだが、とにかく格闘チアリーディング部の存在(暗躍)がよーく効いて、それなりの実力を持つ学校として認識されている。
活躍
あかねが助っ人に入った女子バレー部の練習試合の相手が青春学園であり、マリ子の「応援」の結果としてあかね以外の風林館女子バレー部員が物理的に再起不能にされて敗北を喫する。あかねは審判やマリ子に抗議したが受け入れられず、それどころか抗議中のタイムも取られていなかったため、あかねは「選手の責任を放棄した」とみなされて(おそらく審判も買収済)抗議の間も試合は続行され青春学園側が気絶している風林館選手を尻目に連続サーブを入れまくり大量得点し、あげく不戦敗や試合放棄ではなくきちんとした試合の結果としての敗北とされる、あかねにとっては理不尽すぎる敗北を押し付けられる結果となった(あかねはその理不尽さに試合後、彼女には珍しく悔しさで号泣し女子バレー部の皆から慰められた。マリ子のような理不尽の権化に蹂躙されて、なお心が折れないあたりは、さすがは風林館生とも言える)。その事から、あかねと乱馬に対して因縁が出来る。
なんとあの九能に一目惚れし、しかも平気で二股をする場面を見ても魅力としてとらえるなどある意味、九能の一番の理解者なのかもしれない。
彼に好意を寄せられている女らんまを恋敵として狙い、らんまも卑怯な手段であかねを負けさせた仇を取るために挑戦を受ける。
奇しくも次の風林館と青春学園の激突の場は剣道部の試合であった。その結果、現場は剣道の勝負よりも格闘チアリーディングの勝負と化してしまったのは言うまでもない。そしてマリ子は惚れた九能に勝利をもたらすため本来自分が応援せねばならない自校・青春学園の剣道部員たちに痺れ薬を盛り行動不能にしてしまった。
当初は九能を愛する者と愛されている者で戦っていたが、九能を嫌悪するらんまと心底九能に惚れ込んでいるマリ子ではどちらが九能を適切に奮い立たせられるかなど自明であり、らんまは不利な戦いを強いられる事になる。しかし青春学園剣道部側にマリ子の毒に倒れなかった謎の剣士がいた事で、剣道部の試合が開始され、らんまは謎の剣士の応援に鞍替えしてマリ子との戦いを仕切り直す。
実は謎の剣士の正体は青春学園側の助っ人として正体を隠して乱入していたあかねであった。マリ子は、あかねとコンビを組みなおした乱馬とのコンビプレーに敗れる。
(応援…それは愛……いかなる時も相手を信じ、自らを擲ち、勝利をもたらす……)
「うう……っ! 負けたわーっ! あなたたちの愛に負けたわーっ!!」
派手なマイクパフォーマンスで二人の愛と自らの負けを認め(なお、らんま(乱馬)はマリ子のパフォーマンスで恥ずか死しかけ、以降も事ある毎にクラスメートからネタにされる事となった)敗者として九能への思いを断ち切り、泣く泣く彼の前から姿を消すのであった。
「D・E・M・O くじけるなマリ子、がんばれマリ子 」
……ゲストキャラであるため、その後の登場は無いが、言動から推察するに、きっと全く懲りていない。
余談
マリ子はゲームボーイ版『らんま1/2 格劇問答』でも敵ユニットとして登場している。
原作ではマリ子の登場した『愛の格闘チアガール』編の直後が、早乙女のどか初登場となる『乱馬・ミーツ・マザー編』である。平成アニメ版「熱闘編」ではこの時点で原作への追いつき(原作枯渇)が発生した。そのため「熱闘編」では、彼女の登場するこの編以降はアニメオリジナル回を挟む事で急場を凌ぐも、のち『乱馬・ミーツ・マザー編』をテレビアニメ放映の最終章(ファイナルエピソード)とする事になった(以降はOVAおよび劇場版で展開)。