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概要

便所とはその名の通りトイレのことだが、この場合主に公園等公共施設に設置されている公衆便所を指し、また落書きは深い意味やメッセージ性はなく、適当にいたずら目的で書いたものを指す。

公衆便所というものはあちこちにあり、誰が書いたが特定されないという理由からか「うんこ」「ちんこ」といった下ネタ、「○○死ね」「○○殺す」といった誹謗中傷、「090-xxxx-xxxxコイツならヤれる」といった明らかな嫌がらせ、釣り目的の電話番号など、品性下劣な落書きがされることが少なくない。治安の悪い地域ならなおさらである。

ネット上では「便所の落書きに相当するような、下品で取るに足らないような内容」もしくは「公衆便所のようなところに書かれた誰に向けたでもない内容」というような意味で使われており、pixivのタグとしては自虐で投稿者自身が付ける事が多い。

電子掲示板の蔑称として

1999年7月頃、東芝クレーマー事件についてTBSの報道番組「NEWS23」のメインキャスターである筑紫哲也が、ネット上の書き込みを「かなり恣意的で、トイレの落書きに近い、などという酷評すらあります」と表現したことにより、「便所の落書き」の悪名が地上波デビューを果たしたとされている。

当時、インターネットの自由放任な言論を称賛する声の方が高まっており、ネットユーザーにもなにか自分たちが変革者であるような意識があった中、2ちゃんねるでも他所でもこのような侮辱は許せないという声が多くあがった。

しかし後の世のことを考えると非常に先見の明がある発言だったといえる。

2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)の蔑称として本格化したのは元アスキー代表の西和彦の影響とされており、彼は2ちゃんねるの匿名性を強く嫌っており、2ちゃんねるを罵倒してこう呼んだと言われる。以後「便所の落書き」は「(痰)壷」「肥溜め」に次ぐ2ちゃんねるに対する蔑称として定着し、むしろ一番有名な蔑称として世間一般にまで認知されるようになった。

「自分の名も明かさずに誹謗中傷含め自由に書き込める」という性質を持つ落書きと、「臭い」「汚い」という不衛生な印象を持つ公衆便所は、匿名掲示板の問題点を的確に表す表現であった。

当初は2ちゃんねるの蔑称とされていたが、インターネットの発展と、SNS動画サイトの台頭に伴い、匿名で自由奔放に放言できるあらゆるサイトに使用されるようになった。

なお肝心の東芝クレーマー事件だが、後に当事者が別件で逮捕されており、2ちゃんねる総力をあげて応援したことは黒歴史となっている。

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便所の落書き
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