カードテキスト
「サンダー・ドラゴン」+「サンダー・ドラゴン」
概要
サンダー・ドラゴン2体を融合させることで特殊召喚可能な雷族の融合モンスター。雷族の中では最古参のカードの一つであり、そして未だに実用性の高いモンスターの一体でもある。
名前には「双頭」とあるが、外見は青眼の双爆裂龍やスクラップ・ツイン・ドラゴンなどのように二つの首を持つファンタジックなカッコよさを持ったドラゴンではない。というか、2体も融合素材として利用したのにサンダー・ドラゴンの面影が微塵も感じられない。そして正確に言えば二つあるのは「頭」でも「首」でもなく「口」である。なんでこんなデザインで「サンダー・ドラゴン」を名乗れているのか不思議なくらいである。いろんな意味でどうしてこうなった。
実は最初期の遊戯王OCGでは既存のモンスターとほぼ同じデザインで、名前とカラーリングだけ変えて別モンスターとして扱ったかのようなモンスターが多数存在した。このモンスターもその一体で、「二つの口を持つ闇の支配者(ツーマウス・ダークルーラー)」のデザインが流用されたのである。
しかし、元ネタ(?)の二つの口を持つ闇の支配者と比較すると実力や有用性は月とすっぽんである。
最大の特徴は素材が完全に指定されている融合モンスターであるにもかかわらず、正規融合が非常に簡単であること。サンダー・ドラゴン自体が自分と同名のモンスターをデッキから2枚も呼び込む効果を持っているため、あとは「融合」魔法カードさえ手札に来てしまえば即融合召喚が可能となる。運が良ければ先攻1ターン目からでも特殊召喚可能で、いきなり攻撃力2800のモンスターが立ち塞がってくれるのは相手にとっては大いにプレッシャーとなるだろう。逆に劣勢に立たされた際に融合し、反撃や逆襲を仕掛けるのにも一役買ってくれる。さすがにこのカード1枚だけでは状況を覆しきれない場合もあるが、それでも並の下級モンスターよりはずっと頼りになるのは間違いない。融合召喚をメインとするデッキなら、エクストラデッキに仕込んでおいて損は無いのではないだろうか。勿論E・HEROなど、他にキッチリとしたテーマがあってエクストラデッキが飽和状態である場合などはその限りではないが。
尚、上記の闇の支配者は登場してしばらくした後に、レスキューラビットから特殊召喚でき、かつ奈落の落とし穴にかからずにランク3のエクシーズ素材などにできるという個性を得たが、こちらはこちらで、融合素材であるサンダー・ドラゴンがまさかのカテゴリー化。
…もともとデッキ圧縮や墓地調整など、細やかな動きができる素材を通して、長いことそれなりの働きを見せたモンスターとはいえ、なかなか差が埋まらないものである。
アニメ『DM』
海馬瀬人が使用。デザインが変更されており、狭義の意味での「双頭」のドラゴンとして描かれた。
雷族ではなくドラゴン族扱いであり、竜の逆鱗によるサポートを受けていた。
関連イラスト
関連タグ
「サンダー・ドラゴン」モンスター
効果モンスター
特殊召喚モンスター
融合モンスター
- 双頭の雷龍
『遊戯王』関連のゲーム作品では
特定のモンスターを必要としない融合召喚の中では最強のモンスターとして有名である。原則的に
という条件の融合で召喚できるので、序盤における救世主(エース)とも言える存在である。
また、融合素材の一つの『攻撃力1600以上のドラゴン族モンスターor攻撃力1600以上の『ドラゴン』と名の付くモンスター』も弱いドラゴン族モンスターに植物族か岩石族のモンスターを融合させるだけで簡単に作れる(植物族を融合させれば攻撃力2100のドラゴン族モンスター「密林の黒竜王」、岩石族を融合させると後述の「ストーン・ドラゴン」になる)のでお手軽である(なお、攻撃力1599以下の場合は「サンダードラゴン」になる)。
『遊戯王』関連のゲーム作品においてはデッキ作成時にカードごとに設定されたデッキコストを考慮してデッキを組まなければならない作品も多く、特にDM3以降のアドバンス召喚がルールとして入って以降は低コストで出せる低ステータスなモンスターをデッキに入れてデッキコストを節約しつつ、融合を用いて強力なモンスターにしていくことは必勝テクニックのひとつであった(現在のOCGと同じルールの作品の場合は「融合」魔法カードが必要であるが、そうでない作品の場合はモンスターカードさえ揃っていれば融合ができたので融合は戦術のひとつとして非常に有効であった)。
そんな中、「特定のモンスターを必要としない融合召喚の中では最強のモンスター」である双頭の雷龍は強力な味方としても仮想敵としても強く意識されるカードであった。
また、雷族であるため山と海の両方に得意種族として対応しており、封印されし記憶と継承されし記憶では海を得意地形とする水属性モンスターのメタを張れる(前者は条件付きだが攻撃力・守備力が500アップする、継承されし記憶では戦闘破壊できなくても1ターン動きを封じる)という事でこれまた優秀な特徴を持っていた。
手札融合をする場合は手札に「双頭の雷龍」が生まれるだけであり、アドバンス召喚が採用されている作品の場合、通常通り2体のモンスターをリリースしてアドバンス召喚しなければならないが、フィールドにいるモンスターに対して融合を行えばそのリリースする分のコストも無視できるという意味でも実戦的(ただし、融合したターンは原作のように融合モンスターが行動できない作品も多い)。
ちなみにライバルとしては「ストーン・ドラゴン」(ドラゴン族+岩石族)がいる。
攻撃力は2000と「双頭の雷龍」に及ばないが、攻撃力の数値を参照する下位の存在がいないため、どんなモンスター同士の融合でもその組み合わせであれば出せるという点では「双頭の雷龍」より優秀(攻撃力2000も十分高いのだが)。
さらに「ストーン・ドラゴン」は土魔族なので雷魔族の「双頭の雷龍」に一方的に勝つことができるという利点がある。
しかし、どちら用の素材もデッキに合わせて投入しやすいため、相棒のようにフィールドに並べるプレイヤーも少なく無かった。