実は存在した「名古屋県」
1871年(明治4)に、当時の行政区分であった藩を廃止し、新しい行政区分制度として県を置いたいわゆる廃藩置県が行われ、かつての尾張藩である名古屋藩も「名古屋県」と名称が変更された。その後同年11月には府県統合によって、三河地方である額田県などを統一した名称として改めて「名古屋県」の設定が行われたことにより、次年である1872年4月の名称変更まで「名古屋県」という名称が使われた。
ネタとしての「名古屋県」
愛知県民にとって「名古屋」とは名古屋市のみを指すことが多いのに対し、全国的には「愛知県といえば名古屋」という印象が非常に強い。
一方で愛知県の他の都市は全国的に知名度が低く、世界のTOYOTAが本社を置く豊田市でさえ名古屋市豊田区か何かだと誤解されている場合もある。他の市町村に関しては言うまでもない。愛知県は名古屋市を除いても500万人強の人口(ほぼ福岡県に匹敵する)を擁するにも拘らず、他に50万都市すら一つも無いことも一因だろう。
テレビのニュースやバラエティ番組ですら、しばしば「名古屋県」と間違ったテロップが流れたり、アナウンサーが言い間違えたりする。
名古屋圏
「なごやけん」と言っても間違いとは限らず、用法として正しい場合もある。
名古屋市とその郊外都市を合わせた地域は地理用語として「名古屋圏」と呼ばれている。
どこまでを名古屋圏に含むのは定義次第だが、愛知県の大部分の都市がこれに含まれている(場合によって岐阜県や三重県の都市も含まれる)
遠方の人が「あぁ名古屋のあたりね!」って言った場合の「名古屋」とは、概ね名古屋圏のことを指していることが多い。
似たようなケース
参考までに、現在県名と県庁所在地名が一致していないような県において、かつて県庁所在地名と同名の県名が存在していた、という名古屋県のような例は多数存在する。これらもまた名古屋県同様、廃藩置県に伴いかつての藩が県へと変わった結果であり、半数以上は第一次府県統合に伴いごく短期間で名称が消滅している。以下、名古屋県以外の例である。
札幌県、盛岡県、仙台県、水戸県、宇都宮県、前橋県、甲府県、金沢県、津県、大津県、松江県、高松県、松山県
特殊な例として、神戸県がある。やはり廃藩置県直後のごく短期間ではあるが実際に「神戸県」という県名を名乗っていた県は実在していた。ただしその位置は現在の兵庫県神戸市とは一切関係のない三重県鈴鹿市周辺である(ついでに言えば読み方も「こうべけん」ではなく「かんべけん」)。
なお、横浜県、那覇県という名称は過去一度も正式に用いられたことはない。
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外部リンク
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