データ
英語版題名 | Main Line Engines |
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日本版旧題名 | 大きな機関車たち |
日本版新題名 | 大きな機関車たち |
イギリス版初発行 | 1966年 |
日本版初発行 | 1980年10月 |
原作者 | ウィルバート・オードリー |
挿絵担当 | ガンバー&ピーター・エドワーズ |
概要
大きな機関車たちは汽車のえほんの第21巻である。
本巻は、ソドー陶土会社のビルとベンが起こしたトラブルやノース・ウェスタン鉄道の本線の機関車達のハプニング・エドワードの大活躍を収めた絵本である。
各話の簡単なあらすじと登場キャラクター
以降の項目はネタバレが含まれています。ネタバレが問題ない方のみご閲覧ください。
ビルとベン
題名 | |
英語版題名 | The Diseasel |
日本版旧題名 | ビルとベン |
日本版新題名 | ビルとベン |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | ビル ベン ボコ |
サブキャラ | エドワード ビルの機関士・助手 ベンの機関士・助手 |
モブキャラ | 貨車 |
ソドー陶土会社に所属する双子の機関車のビルとベンは、近くの山から掘り出した陶土をエドワードの支線を走る機関車達に渡す仕事をしています。
ある朝、2台が並べた貨車が無くなり、線路の油のシミからディーゼル機関車が犯人だと機関士達は突き止めました。しかし、2台はディーゼル風邪と聞き間違い、機関士達が貨車を取り返しに行こうと言われると、消されてしまうとビックリして言いました。そこで機関士は、ディーゼル機関車に魔法をかけてやろうと言い、作戦を教えました。ナンバープレートとネームプレートを外した2台は、エドワードの操車場にいたディーゼル機関車を見つけると作戦を始めました。ビルは貨車を返して欲しいと言うと、ディーゼル機関車は自分の貨車だと言って返してくれません。ビルはすすり泣くふりをしてバックして隠れると、今度はベンがディーゼル機関車の前に飛び出して逃げ、今度はビルがまた表れと言う行動を繰り返しました。ディーゼル機関車は目を回してしまい、2台は双子であるとネタ晴らしをすると、ディーゼル機関車は悔しがりました。そこへエドワードが現れ、2台に事の次第を聞きました。エドワードは、2台の気持ちを理解しましたが、さすがに口が悪かったのでその点を注意しました。2台は、ディーゼル機関車にまごまごして謝りました。ディーゼル機関車ことメトロポリタン・ビッカース2型も2台に謝り、自分をボコと呼んで欲しいと言いました。2台は、エドワードに言われてボコの貨車を取りに行きました。
2台が去った後エドワードは、2台は悪い機関車じゃないけど頭にくるようなことを仕出かす事を教えました。ボコは同感して笑いました。
みつばちとジェームス
題名 | |
英語版題名 | Buzz Buzz |
日本版旧題名 | みつばちとジェームズ |
日本版新題名 | みつばちとジェームス |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | ジェームス ダック ボコ |
サブキャラ | ミツバチ ジェームスの機関士・助手 荷物係 おばあさん |
モブキャラ | ヘンリー ゴードン 運搬車 客車 貨車 お客 |
大きな駅の機関庫に着いたボコは、ダックに出会いました。ダックはディーゼル機関車が嫌いですが、エドワードの知り合いと分かると打ち解け、ビルとベンの話をする頃には仲良くなっていました。ダックとボコがビルとベンはミツバチのようだと話しているとジェームスがやって来ました。2台の話を聞いていたジェームスは、ミツバチは煙を掛ければブーンと逃げるただの虫だと言いましたが、ダックがブンブンのブーンと揶揄うように言い返したので、ジェームスはムッとして黙ってしまいました。
翌朝、ジェームスの引く準備中の急行列車の横のホームで運搬車が荷物を移動させていると、突然おばあさんが運搬車の前に出てきて、運搬車に乗っていた荷物係は急ブレーキを掛けました。すると運搬車が運んでいたミツバチの巣が入った白い木箱の蓋が開いてしまい、ミツバチ達が飛び出しました。丁度ジェームスがホームに入線すると、寒いので巣箱を直してもらいたいミツバチ達はジェームスの機関士・助手の周りを飛びますが、機関士達は刺されると思って逃げたり、シャベルで叩いてきたりして気づいてもらえませんでした。巣箱を直してもらえなかったミツバチ達は、ジェームスの温かいボイラーに集まり、ジェームスは蒸気を出して追い払おうとしますが、風に飛ばされて役に立ちませんでした。ジェームスに集まったミツバチの一匹は、ジェームスの熱くなった背中のこぶに触って足を火傷し、ジェームスがワザとやったと思ったミツバチはジェームスの鼻の頭を刺したのです。ジェームス達は、車掌の発車の合図を待たないうちに客車を置いて走り出してしまいました。その後ジェームスはこっそり機関庫に帰ると、他の機関車達は新型の車輪付きの巣箱とジェームスを揶揄いました。
一方ジェームスが置いていった急行はボコが担当し、遅れをいくらか取り戻したことから太っちょの局長はボコを気に入りました。
ゴードンのいのちびろい
題名 | |
英語版題名 | Wrong Road |
日本版旧題名 | ゴードンのいのちびろい |
日本版新題名 | ゴードンのいのちびろい |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | ゴードン エドワード ボコ |
サブキャラ | ビル ベン 太っちょの局長 ゴードンの新米の助手 緑色の帽子を被った女の人 お客 |
モブキャラ | 客車 貨車 大きな駅の運行係 本線と支線を切り替える信号係 |
太っちょの局長はヘンリーやゴードンのような重い機関車を線路や橋が頑丈ではないトーマスの支線やエドワードの支線で走らせないようにしています。しかし、ゴードンは太っちょの局長が支線は下品だから自分たちを走らせないと勘違いしていました。そのため、支線を走るボコが本線の急行を引いたときは不公平だとエドワードに言っていました。
大きな駅では毎晩ゴードンが引く本線の急行が発車した5分後にエドワードが引く支線の急行が発車しています。ところが、この日はゴードンの新米の助手が緑色の帽子を車掌の旗と勘違いして、車掌・4~5人のお客・荷物を置いて出発させてしまったのです。慌ててゴードンは戻ってきましたが、エドワードの出発時間が過ぎてしまい、太っちょの局長はエドワードの急行を先に出発させることにしました。しかし、今度は大きな駅の運行係が本線と支線を切り替える信号係に連絡を忘れたため、エドワードが本線に、ゴードンが支線に進んでしまったのです。ゴードンは火を落とされ、支線の操車場に置き去りにされました。
翌朝、操車場にいたゴードンを見つけたビルとベンは、揶揄うことにしました。ビルとベンは、支線を下品と考えているゴードンがここに居るはずが無いから、これは屑鉄だと言い、スクラップ置き場に持っていくか海に沈めるかを言い合いました。そんな時ボコが来たため、ゴードンには嫌いなディーゼル機関車でも救いの神に見えたのです。ボコは持ってきた貨車を渡さないぞと脅しをかけると、2台は大人しくなりました。この事があってから、ゴードンはボコが命の恩人だと今でも思っています。
エドワードのはなれわざ
題名 | |
英語版題名 | Edward's Exploit |
日本版旧題名 | エドワードのはなれわざ |
日本版新題名 | エドワードのはなれわざ |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | エドワード |
サブキャラ | ヘンリー ゴードン ジェームス ダック ドナルド ダグラス ボコ 太っちょの局長 エドワードの機関士・助手 車掌 蒸気機関車のファンクラブの人 |
モブキャラ | 貨車 客車 ブレーキ車 |
エドワードは、ゴードンを揶揄った件でビルとベンをきつく叱りました。しかし、ゴードンにもいい薬になると言ったため、ゴードンは面白くありませんでした。
それから2~3日後に蒸気機関車のファンクラブの人達がやって来て、エドワードは彼らを乗せて走ることになりました。エドワードはファンクラブの人達を乗せた重い列車に苦戦したため、ゴードン達はヤジを飛ばしました。それを聞いたダックとボコは怒りました。
ファンクラブの人達は陶土工場を見学した後、特別列車で帰るためにエドワードで向かいました。エドワードの砂撒き装置が故障したため、助手が前に乗って空転する車輪のために線路に砂を撒いていましたが、さらにクランクピンが折れて連結棒が車輪の上の辺りを潰してしまいました。機関士達はピストン棒を外して、平らな場所までバックした上で引っ張りやすいように連結器を緩めました。客車を1両づつ動かすように引き始めると列車は動き始め、ファンクラブの人達は興奮して窓から手を振ったり叫んだりしてエドワードを応援しました。大きな駅で特別列車を連結したヘンリーと太っちょの局長が待っていました。ファンクラブの人達は、エドワードが遅れてきた事で怒っている太っちょの局長を押しのけ、機関士達に大喝采を送って大急ぎで特別列車に乗りました。ダックとボコはエドワードをゆっくり休めるようにしました。一方ゴードンとジェームスは、黙っていたもののエドワードを偉いと思っていました。
エドワードは修理に出されることになり、その間のエドワードの支線はボコが担当することになり、ボコは大喜びでした。
今ではボコはどこに行っても歓迎され、なかなか打ち解けようとしなかったディーゼル機関車嫌いのドナルドとダグラスでさえもボコを仲間として認めています。
本巻の映像作品
きかんしゃトーマス版
きかんしゃトーマス第2シリーズの『ふたごのビルとベン』『しせんをはしったゴードン』『がんばりやのエドワード』、第3シリーズの『あかはなのジェームス』の4話で4話分映像化された。
ふたごのビルとベン
『ビルとベン』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
- 機関士が原作ではディーゼル機関車の仕業だと言うセリフが、最新式ディーゼルの仕業に変更された。
- ベンがディーゼル風邪というセリフがこちらでは細菌ディーゼルに変更された。
- 2台がディーゼル風邪の話題をした際、原作ではクシャミをしていたけど助手が煙突掃除したら直ったけど今度は助手がクシャミをしていたと話していたが、こちらでは細菌の病気にかかったか聞く程度に変更された。
- 原作同様、ネームプレートとナンバープレートを外すと発言する下りがあるが、こちらでは模型自体にナンバープレートが無い。
- 原作では、ビルがボコの前に現れるが、こちらでは横から現れる。
- 悪戯の方法が、原作ではボコの前に何度も立ち塞がるものだったが、こちらでは横からモグラ叩きのように前に出たり、バックしたりを繰り返した。
- 原作では、ビルとベンがエドワードに敬語で話すが、こちらでは対等に話している。
- 原作のビルとベンの気持ちを理解しつつ、口が悪いと言うセリフが無くなった。
- 2台がボコを謝った際、原作では「メトロポ、ポ…」と呼ぼうとしていたが、こちらでは名前を呼ばなかった。
しせんをはしったゴードン
『ゴードンのいのちびろい』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
- ボコが本線の列車を引いた理由は、原作ではミツバチに襲われたジェームスが置いていった急行を代わりに引いた事の可能性が高いが、こちらではその該当の話が第2シリーズで映像化されなかったため不明である。
- 原作では2本の急行の出発時間が明確に書かれているが、こちらでは5分の間が空く事だけが語られた。
- ゴードンの助手は原作では新人だったことが書かれていたが、こちらでは語られなかった。
- 原作のトップハム・ハット卿がゴードンを怒るシーンが無くなった。
- 原作ではゴードンをビルとベンが横から挟むようにして揶揄ったが、こちらではゴードンの右横に来た。
がんばりやのエドワード
『エドワードのはなれわざ』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
- 原作冒頭のエドワードがビルとベンを説教する下りとエドワードがゴードンにいい薬だと言う下りが無くなった。
- 上述の下りが無くなった代わりに、バーティーが観光客を乗せて走るシーンが追加された。
- 原作では助手が砂を撒くが、こちらでは車掌が砂を撒いていた。
- エドワードの破損状況は、原作では連結棒が車輪の上の部分を潰していたが、こちらでは潰されていなかった。
- 原作のエドワードが平らな場所まで下がる下りが無くなった。
- ファンクラブの人達が興奮して窓から手を振ったり、叫んだりする下りが無くなった。
- エドワード達が到着した時間が、原作では20時20分だったが、こちらでは21時00分に変更された。
- エドワードが修理に出されている間、ボコがエドワードの支線を担当することになった下りと今はどこに行ってもボコを歓迎してくれる下り、ドナルドとダグラスがボコを褒める下りが無くなった。
あかはなのジェームス
『みつばちとジェームス』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
- 冒頭にジェームスとトレバーとボコが喋るシーンが追加された。
- ボコを見たビルとベンが逃げるシーンが追加された。
- ボコとダックが仲良くなった理由がカットされた。
- ボコとダックが話していた場所が、機関庫から港が見える駅に変更された。
- ミツバチが箱から出た原因が、原作では運搬車が急におばあさんが出てきたために急ブレーキをかけたからだったが、こちらでは荷物係が誤って落としたものに変更された。
- 巣箱が落ちたタイミングは、原作ではジェームスがホームに丁度来た時だったが、こちらではホームで待機している時だった。
- ジェームスの機関士と助手が隠れたり、スコップでミツバチを叩く下りが無くなった。
- 火傷をしたミツバチは、原作ではジェームスの背中のこぶを触っていたが、こちらではボイラー側面を触っていた。
- 火傷をしたミツバチは、原作ではリアルだったが、こちらではカートゥーン調であった。
- 蜂に刺されて逃げたジェームスは、原作ではその後気づかれないように機関庫に帰るが、こちらではミツバチと格闘するシーンが追加された。
- 機関庫にいるジェームスに牧師がクリスマスなら赤鼻のジェームスと言えたと言ってみんなで笑った。
- この事件の後、働きバチと呼ばれ前より働き者になったという下りが追加された。
- 機関庫で他の機関車がジェームスを新型の車輪付きの巣箱と揶揄う下りと、ジェームスが置いていった急行をボコが引いてトップハム・ハット卿に気に入られる下りが無くなった。