概要
メインキャラクターの1人。一人称は「わたし」。好物は落花生。
小さな島に一人で暮らす時空工学の権威。物語作中の時点で67歳。
(自称)超エリート銀河パトロール隊員ジャコがうっかり地球のこの島付近に不時着した事で、ジャコの宇宙船の修理に携わることとなる。
ジャコには片仮名で「オーモリ」と呼ばれている。
島に和風な佇まいの自宅を構えており、キッチン、冷蔵庫、テレビなどの設備もひととおり揃っている。また定期的に東の都に食料の買い出しに訪れるため、小さな船舶も所有している。
そしてジャコと共に訪れた東の都でタイツと出会う。
実は当初は政府に無断で島に住んでおり、不法占拠をとがめられていたのだが、後に出会うブリーフ博士より受け取った謝礼金で正式に島を買い取ることが出来た。
実はドラゴンボールの世界において日本人っぽい名前はかなり珍しい。
自宅の側には妻の墓と思われるものがあり、名前は『大盛餃子』と記されている。
性格
見た目通り堅物で愚痴っぽく皮肉屋。「人間が嫌い」と公言するが面倒見のいいところもある。冒頭でジャコの宇宙船が海に墜落した時は動揺していたが「オバケ鮫がいるから助けに行けない。可哀そうに……」と悲しそうにしていた。
鳥山作品では珍しくギャグ要素の薄い、ほぼ一貫してシリアスな人物である。
次第にジャコやタイツと仲を深め、何だかんだで気遣える仲になる。
過去
かつては工学博士として活動しており、その理論に目を付けた政府から開発資金を提供され、タイムマシンの製造を依頼される。
それから研究施設のある島に妻と共に移住し、多くのスタッフたちと共にタイムマシンの開発に取り掛かっていた。だがある時、助手の一人が高圧ガスの管理をミスして大事故になり多くの犠牲が出てしまう。
大盛がケガだけで済んだが妻は亡くなり、政府も手を引いてしまった。それでも大盛だけは島に残り続け、全財産を投げ打って密かにタイムマシンを作り続けていた。妻を助けるために。
その島が本作の舞台である。
ジャコが宇宙人だと知った時はタイムマシンもあるのかと聞くなど、今でも未練は捨てきれていないようだ。
しかし大盛は「政府はタイムマシンを良からぬことに利用するつもりだったようだ。少し考えればわかったことなのにな」とジャコに言うなど、政府の思惑を見抜けなかった自分に非があると見ている。
一方で「この地球にはろくでもない連中が多過ぎる」と口にしており、これが人間嫌いの理由のようだ。
活躍
第1話
ジャコの宇宙船が治るまでということで世話をすることになったが、実はジャコは地球を救うためにやって来ていた。凶悪な宇宙人が3日後に地球にやって来るというので先だって乗り込んでいた。
しかし大盛が人間を嫌っていることを話したためジャコは「そんな地球人は助ける必要がない。人間だけを絶滅させる爆弾を使うか」と言い出してしまい、慌てて止めることに。
自分が死ねば宇宙船は修理出来ないと言ったことでジャコも「それまで待つか」と口にするのだった。
第2話
政府警察の固茹(かたゆで)なる男が現れ、この島は政治家のための保養施設になるからと立ち退きを要求される(島自体も都のものとのこと)。大盛は「都には技術で貢献していたつもりだ。それに政府は今まで何もしなかった。島を維持して来たのもわたしだ」と訴えるも、無情にも1週間以内に出て行くように言われる。
その後、ジャコから作り掛けのタイムマシンを見つけたと言われる。大盛は燃料タンクだと誤魔化すがジャコには見破られており、今もタイムマシンを作り続けていたことを話す。完成させることで妻を助けたかったのだと。
一方その頃、固茹たちが乗った船はジャコがお仕置きとして投げた石によって走行不良となっていた。彼らは原因不明の故障にボヤきながらボートを漕ぐのだった。
第3話
大盛によって宇宙船の故障の原因が判明する。ある物質に光線を当ててパワーを生み出す技術が使われており、宇宙船が月にぶつかった際にその物質が落下してしまったのだと推測する。
この頃になるとジャコとの仲はそれなりに深まっているようで、ジャコからは「麦茶でも持ってこようか」、大盛からは「後で好物のチーズとミルクを買って来る」と言い合っている。
大盛によって物質の正体が分かり、地球では“空金(スカイゴールド)”と呼ばれている物だと判明する。宇宙船に組み込むには1キログラムほど必要であり、もしも購入するなら7600万円ものの大金が必要だという(ここでの単位は“円”である。ゼニーはドルみたいな感じで通貨レートが異なる)。
地球から本部に行くだけでも4分の1……1900万円分の空金が必要となる。二人ともそんな大金は持っていないので途方に暮れてしまう。
とりあえず都に食料を買いに行くべく二人は着替えるのだった。
第4話
東の都はお世辞にも治安がいいとは言えず、ジャコは都を吹っ飛ばせば手早く綺麗になると物騒なことを言い出す。大盛は「マジメでいい連中もたくさんいるんだ! それに買い物も出来なくなる!」と必死で翻意させた。
そこへガラの悪いチンピラがジャコにぶつかって「チビ」とバカにして来る。怒ったジャコは叩きのめそうとするが大盛が何とか引き留め、ジャコも矛を収めて怒鳴り付けるだけに留めた(チンピラはジャコの怪力に恐れをなして腰を抜かしていた)。
買い物をした際には異性や恋人の話題になり、ジャコの態度から「もしかしてジャコはもてないんじゃないか?」とからかうが、本当だったので申し訳なさそうにしていた。
第5話
ジャコをお店の前に待たせてチーズとミルクを買いに行く大盛。その間にジャコはタイツに絡んでいたチンピラを叩きのめしてしまう。しかも駆け付けた警察官まで敵だと思ってぶっちめてしまった。
大盛が事態に気づいた時には手遅れで、このままではまずいとジャコを連れて逃げ出してしまう。
第6話
逃げ場に困っていたところタイツに声を掛けられ、ビルの屋上まで非難する。
タイツはジャコの正体を怪しみ、大盛が「外国人だよ」と誤魔化してもダメで宇宙人だと見抜かれてしまう。特にタイツは騒ぐこともなくジャコの存在を受け入れ、お互いに自己紹介を交わした。
ちなみにこの際、大盛は「タイツ? 西の方の名前かな?」と口にしている。
大盛とジャコは島に戻ることになったが興味を持ったタイツが自分も行きたいと言い出す。連れて行かないと二人のことを警察に話すと脅され、渋々同行させた。
大盛は自分が人間嫌いだとタイツに言うが、タイツの方もおおらかで明るい性格なのですぐにかよくなっていった。
第7話
大盛の手によって宇宙船の故障は直り、後はスカイゴールドをセットするのみとなった。そこへ買い出しに出ていたタイツが戻り、有り金をはたいて300万円分のスカイゴールドを買って来た。わずかな動力でも本部と通信が出来るなら助けを呼べるのではと考えてのことだった。
こうして宇宙船は起動を迎え、ジャコは「大盛は天才だ!」と喜びながら周囲を飛び交った。それから通信を行うが、実は飛ぶ際に障害物にぶつかってアンテナが曲がってしまっていた。
第8話
アンテナの仕組みが不明なため大盛の手を以てしても「今度は直せそうにない」という。
タイツが夕飯を作った時には「炊き込みご飯か」と口にするが「違うよ。こげちゃったご飯とインスタントラーメンだよ」と気を悪くさせてしまう。気遣ったのか「ラーメンなんて久し振りだから楽しみだな~」とわざとらしく機嫌を直そうとしていた。
実はタイツは政府が開発したロケットに“替え玉”として載せられることになっていた。本来なら亜月アンというアイドルが搭乗するはずだったが、アイドルに死なれたらまずいということでタイツに白羽の矢が立ったのだ(その報酬がスカイゴールドの購入資金となった300万円である)。
大盛の見地からすれば「あのロケットが成功する確率は決して高くない。やめておけ」とのことだが、タイツはSF作家を目指しておりこの機会を逃したくないという。
大盛も最終的には成功を祈り、島を立つタイツを見送るのだった。
直後、尋ね者となったジャコが島に潜伏していると気づいた固茹が政府警察最強の精鋭“特別警察隊”を率いて島に乗り込んで来た。
ジャコのことがバレたと察した大盛は、ジャコに隠れるように言って応対に出る。
第9話
固茹に対して惚ける大盛だが、ジャコに隠れるつもりはなくすぐに姿を見せてしまった。
直後、ジャコはタイツの乗ったロケットが墜落を始めていることに気づく。このままではまずいとジャコは大盛を連れて救出に向かうが、固茹が発砲して妨害する。怒ったジャコはたった1コマで固茹たちを海に放り込んでしまった。
しかしタイツを救出するにはもう間に合わなくなっていた。そこでジャコは、大盛が作っていた未完成のタイムマシンを利用して少しの間だけ時間を止めることを提案する。
第10話(最終話)
時間稼ぎは上手く行き、ジャコの宇宙船は墜落するロケットに追いつくことが出来た。
大盛が宇宙船の操縦を担当し、その間にジャコはタイツ(と特別に船長)を救出。宇宙船に保護して難を逃れた。
しかしこのままではロケットが都に落ちて大惨事になってしまう。ジャコは「あんな奴らどうなったっていい」と見捨てる気だったが、大盛が「ジャコはかっこいい超エリートだろ!?」と言ったことで翻意。ジャコはロケットを破壊して人々を救ったのだった。
ジャコ、大盛、タイツの3人が島に戻ると固茹たちが待っていた。一行の活躍を見届けたことで自分が間違っていたと改心しており、都を救ってくれたことを感謝する。
更にタイツが亜月アンの替え玉にされていたことを知って政府を見限り、適当な理由をでっちあげるから大盛にはそのまま住んでいて構わないとまで言ってくれた。
ちなみにジャコに関しては『大盛博士が作った素晴らしいロボット』と認識され、固茹も秘密にしておくのを約束したため騒ぎにはならなかった。
ジャコはお礼として二人を宇宙船に乗せ、宇宙から見た地球を見せるという形でお礼をするのだった(それくらいならスカイゴールドはノミほども減らないとのこと)。
またジャコは地球人の絶滅を考えていたが、改心した固茹たちの影響もあり「大盛の言うようにちょっとはいい奴らもいる」とのことで考え直してくれた(報道された自分の似顔絵がブサイクだったため「やっぱり絶滅させてやる……」と怒っていたが)。
+1(後日談)
凶悪な宇宙人が乗った宇宙船らしきものはいつまで経っても姿を見せず、ジャコは地球を逸れてしまったのかもしれないと考える。
一方タイツは自分がカプセルコーポレーションの令嬢と正体を明かし、大盛たちを父親と引き合わせようとする。だがブリーフ博士だけではなく一家総出でやって来ることに。博士の奥さんからズコックのプラモデルを手土産に渡されて戸惑ってしまう。
タイツの妹のブルマはまだ5歳ながらも既に天才児であり、すぐにアンテナの修理をしてくれた(欠けたパーツを探し出して直した)。
更には宇宙船が『金属にエネルギーを溜めて動く仕組み』と見抜き、スカイゴールドに近い金属……銅でも問題ないという。
宇宙船は大盛の専門外とはいえ5歳でここまで出来るということに目を剥いて驚いていた。
その後、使命を終えたジャコは本部へと帰還。大盛たちと別れを迎えた。
そして大森はカプセルコーポレーションから宇宙船を見せてもらったお礼ということで1000億ゼニー(大盛の地域では1500億円に相当)が送られた。大盛はその一部で正式に島を買い取った。
それから月日は流れ、和解した固茹とは一緒に暮らす仲になり家事などの世話をしてくれるようになった。タイツもSF作家として売れっ子になっていたが、今も変わらず島で暮らし続けている。
ジャコもガールフレンドが出来たと写真を持って大盛たちを訪ね再会を迎えた。
そしてタイツの妹ブルマとも再会。彼女は16歳になり、大学の講師の仕事を休んでドラゴンボールなるものを探しに出ているという。ブルマが言うには「ドラゴンボールは地球にはない物質で出来ているから宇宙から来たのかもしれない」とのこと。
大盛は「ずいぶん怪しい話だが広い宇宙にはそんな球も存在するのだろうか。今度ジャコが来たら聞いてみよう」と考えるのだった。
ドラゴンボールでは
タイツとジャコはその後、『銀河パトロールジャコ』の後日談である『ドラゴンボール超』(と言うより『ジャコ』が『ドラゴンボール』の前日談)に登場したものの、大盛は未登場。
詳細は語られていないが、2人の登場時点で40年以上経っており、既に天寿を全うした可能性が高い……。
と思いきや、実は漫画版では存命と思われる描写がある。
ブルマがタイツに電話した際、タイツは大盛の家の居間で電話を受けているのだが、
その場面では本人の姿こそないものの、縁側にサンダル・読みかけの本・タバコが置いてあるのである。
その上ご丁寧に、
- タイツの位置からは明らかに遠い
- タイツのものと思わしきサンダルは別に置いてある
- 置かれている場所は、『ジャコ』で大盛が読書をしていた場面と同じ場所
- タバコに火が付いている
と、大盛の物であることを示唆する描写が多数含まれている。
仮に存命とすれば100才以上という超高齢だが、なにぶん『ドラゴンボール』の世界では地球人でも300歳以上の武闘家など、寿命など超越した存在が多数登場するため、大盛もその恩恵を受けていてもおかしくはない。
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亀仙人:小さな島で宇宙人の主人公と一緒に暮らしていた老人。
孫悟飯(じいちゃん):宇宙人の主人公を引き取って育てた老人。