山岡一(ウルトラマンネクサス)
やまおかはじめ
以下、ネタバレ注意
演:加藤厚成
来訪者研究チームの科学者の一人。
物語開始の18年前、来訪者とコンタクトした海本隼人からダークザギの存在と、それの襲来による地球滅亡の予言を知らされ恐怖と絶望に苛まれる。
そこをつけ込まれ、アリゾナ州のTLT施設へ侵入したザギに肉体を乗っ取られてしまい、そのまま自我も消滅し事実上死亡(つまり、後にビースト・ザ・ワンに肉体を奪われる事になる有働貴文よりも前に敵の犠牲となっていた)。
その後、山岡の肉体を得たザギは、TLT施設の人々を虐殺して逃亡。ハッキングによって山岡の戸籍を改竄したばかりか記憶操作まで行って周囲の人間を欺き、ナイトレイダー隊員石堀光彦としてTLTへ潜入。自身の完全復活の為、本格的な暗躍を開始する。
そして石堀のレーテ侵入、ザギの復活という最悪の事態と共に、山岡の身に起きた悲劇も明らかになったのだった。
なお、海本と西条凪は18年前に山岡と面識を持っていたのだが、海本はアンノウンハンドこと石堀の襲撃を受けるまで彼に関する記憶を失っており、山岡の顔を思い出した時には既に石堀自身の口から真実が語られていた。凪に至っては母親を殺された瞬間を何度も回想していたにも拘らず、その犯人の顔は全く思い出せていなかった(そのうえで石堀が正体を明かすことも計画に組み込まれていた)ので、ザギの記憶操作(洗脳)は完璧であり、彼らが自力で真実に辿り着くことは不可能だったと思われる。
上記の通り、『ウルトラマンネクサス』Final Episodeにおいてようやく石堀の正体に深く関わる人物として彼の存在も明かされたわけだが、それまでの山岡一については
- 18年前に身体をダークザギの意思に乗っ取られた時点で本来の人格は喪われ、「山岡一」としては死亡したも同然の身となる
- その後山岡の肉体を奪い、完全復活のため予知能力によって知ったいずれ現れる光を継ぐ者達を元にウルトラマンの力を奪い取るべく暗躍を始めたザギの記憶改竄・身分偽造により、18年間も誰からも自身の存在を忘れ去られてしまっていた
- 作中では明確な描写はないが、ザギの完全復活時か消滅時に山岡の肉体も死体すら残らず消滅してしまった可能性が高い
- 作中でザギが自ら正体を明かした一連の窮地の真っ只中で、ようやく海本のみが負傷した身体を押してTLTのデータベースから山岡の記録に辿り着いたため、新宿での戦いでザギが消滅し事態が終息した後に真相がわかるまでは、死してなお自分の顔を『スペースビーストを操り数多の惨劇を引き起こし、地球を滅亡間際にまで追いやった極悪人の顔』として覚えられる風評被害を被っていた疑いがある
などの仕打ちを18年間も受け続けていた疑いが考えられる。
……ある意味ダークザギの最大の犠牲者とされてしまった地球人ではないだろうか……?
彼本来の人格は来訪者によるダークザギの脅威と破滅の予言の恐怖と絶望に屈してしまっていたとはいえ、ここまでされる謂れなどなかったことは言うまでもない。