概要
1959年から1962年にかけて三洋社から全17巻が出版された。
1967年に大島渚監督により映画化。
主な登場人物
ある種の群像劇であり、謎の人物・影丸を中心として様々な人々が交差していく。
主役格
影丸
「陰の流れ」に属し影一族を率いる。野武士を装い、各地で百姓一揆を煽動する忍者だが、その目的は謎。一度は無風道人の手で斬られて晒し首になるが、復活する。
無風道人から忍術を学ぶが、師弟としての情は互いに薄く共に行動する事はない。
結城重太郎
東北地方の出羽国、伏影城主・結城隼人光春の子。父を殺し城を奪った坂上主膳を追う。上泉秀胤、無風道人、宗忍性らから剣術の指南を受ける。
「陰の流れ・疾風剣」「陰の流れ・吹毛剣」「唐忍法・波の鼓」等の技を会得し強力な剣士になっていく。
坂上主膳に殺された浅野重治の子で、仇を討つため旅を続ける。結核を患い脆弱な体力を補うため、抜刀術「神明夢想流」を編み出す。結城重太郎と容姿が酷似しており、よく人違いされる。
その他の主要人物
影一族
影丸の配下。「蔵六」「くされ」「しびれ」「岩魚」「三つ」の符号で呼ばれ、それぞれ固有の特殊能力が徐々に明かされていく。「八本しめじの術」で最大8人に分身。
それぞれが影丸の影武者でもある。
明美
結城重太郎が吹毛剣の特訓をする時に知り合った少女。実は影丸の妹で、様々な術を駆使する。特別な修行などはしていないが状況に合わせて無意識に最適な行動を取る天性の才能を持っており、兄の影丸からも冗談交じりにその気になれば自身も殺されかねないと語るほどのチートキャラ。
後に結城重太郎と祝言を挙げるが、蛍火に惨殺される。
無風道人
影丸の師。忍法に精通し暗殺を請け負う怪僧。織田信長との交渉の結果、弟子の影丸の命をも狙う。
愛洲元香斎から忍法である「陰の流れ」を受け継ぎ、影丸らに伝えた。
剣術・忍術をあくまで人殺しの技と捉えており、精神性や活人剣などを唱える兄弟弟子の上泉信綱と対立する。
「陰流」の達人。「陰流」を純粋な剣術「新陰流」として残すため、その一派の邪法「陰の流れ」を隠滅するため無風を殺そうとするが、無風からは「出世のかざりもんに剣法を下落させた」と言われる。
伊賀の抜け忍。最上義光と通じ、伏影城を乗っ取るが、影丸が煽動した一揆によって伏影城そのものを失う。その後、自分に瓜二つの殿様を殺してすり替わろうとするが、それは影武者に過ぎず、主膳は本当の主であった明智光秀の影武者として生きていく羽目に陥る。
あちこちで恨みを買って複数の人間から仇として狙われており、その対策として自身に良く似た者に「坂上主膳」と名乗らせ身代わりにする工作を行っている。
モデルは林崎甚助に仇として討たれた坂上主膳(坂一雲斎)。
螢火
坂上主膳の妹。「忍剣・地摺り斬月」で結城重太郎の左腕を斬り落とすが影丸に太刀筋を見られてしまい、対決して左腕を失う。その後何度も結城重太郎と対決し、次第に思慕の念を抱くようになる。明智十人衆を率いて影一族と戦う。
全国統一に向けて進撃中の大魔王。影丸率いる百姓一揆の抵抗に苦戦している。
織田家家臣、非常に知恵の回る人物。後には一揆を防ぐ為に刀狩を実施する。
織田家家臣、明智十人衆という忍者軍団を指揮する。自分の影武者を殺した坂上主膳を脅迫し、忍術まで使える便利な影武者として配下に収めてしまうが…。